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~第三章:美味い物ツアー編~
76ページ目…新たな仲間
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「ラオンさん、おはようございます。」
僕が挨拶すると、ラオンさんが、あからさまに嫌な顔をする。
それもそのはず…ここに来る度に、何かしら厄介事を頼んだり起こしている事が多いからだ。
「それで、今度は、そいつ…か?」
と、僕の後ろでキョロキョロと周囲を見渡している女性を指差して僕に聞いて来た。
「いやまぁ、こいつもそうなんですが、今回は別件ですよ。
実は、今、家の修理をしてるんですが木材が足りないみたいでして…良い材木屋を知らないかと思って聞きに来たんですよ。」
「材木屋だと?俺は知らないが職員の誰かが知っているはずだ。
だが、わざわざ材木屋を探さなくても、お前なら町の南にある森の木を使えば良いんじゃないか?
それよりも…だ、先程、別件と言っていたが、そっちの女性なんだが君が連れてきたと言う事は、やはりトラブルなんだよな?」
どうやら、ラオンさんには僕が関わる事は全てトラブルと思われている様だ。
まぁ、否定出来ない程、トラブルまみれなのが痛い所だが…。
「オレ トラブル チガウ
オレ コイツ ノ ペット ダ」
「そうかそうか…おお嬢さんは、そこで待っててくださいね?
俺は、コイツと話があるので…って事で、ちょっとこっち来いや!」
ラオンさんは、僕の胸ぐらを掴むと引き摺る様に奥の部屋へと連れて行こうとする。
「ちょ、ラオンさん、僕を何処へ連れて行く気なんですかッ!?」
そんな僕を横目に、〖人狼化〗したフェンリルは、何食わぬ顔で…
「ワカッタ オレ マツ」
と、僕を見送ったのだった…。
『ズルズル…。』
フェンリルのペット発言に、ラオンさんの怒りが爆発した様で、僕は引き摺られる様に奥の部屋…資料室へと連れて行かれてしまったのだった…。
◆◇◆◇◆◇◆
「つまり…あの人は、本当は神獣のフェンリルで、しかも、仲間にするのを断る為に、ペットなれって言ったら、ペットになるったと、貴様は本気で言うつもりなのか?」
「はい…僕も、まさか神獣がペットで良いなんて言うとは思いませんでした…とても信じられないでしょうけど…。」
「ま、まぁ、確かに簡単には信じられる話ではないが…流石に君の疲れ切った顔を見るに、本当の事なんだろうな…。
それで、どうする気なんだ?本当にペットとして飼うつもりのか?」
どうやら、僕がいかがわしい事をしていないと言うのは理解していた様で、本気で怒られる事はなかった物の、種族が種族だけにラオンさんも困り顔である。
「犬擬き…狼の姿でいればペットと言っても、それほど問題はないかもしれませんが…流石に、〖人狼化〗でペットと言うのは、色々と問題かと…ラオンさん、僕はどうしたら良いんでしょうか?」
ラオンさんが、項垂れている僕の肩を叩き、アドバイスをくれた。
「そうだな…私が出来るアドバイスがあるとしたら…。
この際、もう全部諦めて、君のハーレムに入れたらどうだ?」
「はい?僕のハーレムって…いったい何の話ですか!?」
って、それはアドバイスじゃなく問題発言ですよッ!?
「ん?違うのか?プリンさん、クズハさん、アリスさん…既に3人もいるじゃないか。
そこに、あの人を入れた所で、大した問題じゃないのでは無いか?」
この世界は、一夫多妻制らしいので、養うだけの甲斐性があれば、ハーレムを作ったとしても、本人達が良いのであれば問題はないらしい。
「いえ、以前にも言ったと思いますが、僕の彼女はプリンだけですよ?
ってか、クズハなら、まだ分かりますが、何故、アリスまでハーレム要員になってるんですか?」
アリスはブラウニーの為、魔物であって人の括りでは無い筈だ。
「いや、クエスト完了の調査で行った時、アリスさんの君の事を話す顔が好きな人を話す時のソレと同じだったし、匂いが…な。」
「えっと…匂いですか?」
「あぁ、獣人の中には匂いに対して敏感な種族がいてな。
確か…フェロモンと言うらしいが、発情している時に出る匂いを嗅ぎ分ける事が出来るんだよ。
まぁ、本来は、全ての生き物に備わっているらしいのだが…人族は苦手みたいだな。」
と、ラオンさんは当たり前の様に話してくる…。
もし、その話を信じるならアリスもまたプリン同様に僕の事を好きになっているらしい。
だが、そう考えると、魔力を与えるのにキスをされた事も、少なからず納得がいく。
それに、プリンも言っていたが、こっちの世界は、一夫多妻制。
ならば、ハーレムなんて事も実際に可能なのかもしれない…。
「あ~なんだ…君が何を考えているかは聞かんが、匂いが出てるぞ。」
おっと…余計な事を考えた性でフェロモンとやらが出てしまった様だ。
ここは冷静になって、コレからの事を考えよう。
「とりあえず、ペットと言うのは置いきますが、成り行きとは言え、彼女を僕の仲間にしようと思います。
まぁ、帰ったら色々大変になるとは思いますが…。」
「そうか…なら、彼女もギルド登録しておいた方が良いだろうな。
で、彼女の名前は、何て言うんだ?」
「そうですね…本人にはまだ確認してないんですが、僕としては『ローラ』と名前を付けようと考えています。」
フェンリルには、まだ名前がなかったのでアリス同様、仲間になるのだから…と、名前を与えようと思ったのだった…。
僕が挨拶すると、ラオンさんが、あからさまに嫌な顔をする。
それもそのはず…ここに来る度に、何かしら厄介事を頼んだり起こしている事が多いからだ。
「それで、今度は、そいつ…か?」
と、僕の後ろでキョロキョロと周囲を見渡している女性を指差して僕に聞いて来た。
「いやまぁ、こいつもそうなんですが、今回は別件ですよ。
実は、今、家の修理をしてるんですが木材が足りないみたいでして…良い材木屋を知らないかと思って聞きに来たんですよ。」
「材木屋だと?俺は知らないが職員の誰かが知っているはずだ。
だが、わざわざ材木屋を探さなくても、お前なら町の南にある森の木を使えば良いんじゃないか?
それよりも…だ、先程、別件と言っていたが、そっちの女性なんだが君が連れてきたと言う事は、やはりトラブルなんだよな?」
どうやら、ラオンさんには僕が関わる事は全てトラブルと思われている様だ。
まぁ、否定出来ない程、トラブルまみれなのが痛い所だが…。
「オレ トラブル チガウ
オレ コイツ ノ ペット ダ」
「そうかそうか…おお嬢さんは、そこで待っててくださいね?
俺は、コイツと話があるので…って事で、ちょっとこっち来いや!」
ラオンさんは、僕の胸ぐらを掴むと引き摺る様に奥の部屋へと連れて行こうとする。
「ちょ、ラオンさん、僕を何処へ連れて行く気なんですかッ!?」
そんな僕を横目に、〖人狼化〗したフェンリルは、何食わぬ顔で…
「ワカッタ オレ マツ」
と、僕を見送ったのだった…。
『ズルズル…。』
フェンリルのペット発言に、ラオンさんの怒りが爆発した様で、僕は引き摺られる様に奥の部屋…資料室へと連れて行かれてしまったのだった…。
◆◇◆◇◆◇◆
「つまり…あの人は、本当は神獣のフェンリルで、しかも、仲間にするのを断る為に、ペットなれって言ったら、ペットになるったと、貴様は本気で言うつもりなのか?」
「はい…僕も、まさか神獣がペットで良いなんて言うとは思いませんでした…とても信じられないでしょうけど…。」
「ま、まぁ、確かに簡単には信じられる話ではないが…流石に君の疲れ切った顔を見るに、本当の事なんだろうな…。
それで、どうする気なんだ?本当にペットとして飼うつもりのか?」
どうやら、僕がいかがわしい事をしていないと言うのは理解していた様で、本気で怒られる事はなかった物の、種族が種族だけにラオンさんも困り顔である。
「犬擬き…狼の姿でいればペットと言っても、それほど問題はないかもしれませんが…流石に、〖人狼化〗でペットと言うのは、色々と問題かと…ラオンさん、僕はどうしたら良いんでしょうか?」
ラオンさんが、項垂れている僕の肩を叩き、アドバイスをくれた。
「そうだな…私が出来るアドバイスがあるとしたら…。
この際、もう全部諦めて、君のハーレムに入れたらどうだ?」
「はい?僕のハーレムって…いったい何の話ですか!?」
って、それはアドバイスじゃなく問題発言ですよッ!?
「ん?違うのか?プリンさん、クズハさん、アリスさん…既に3人もいるじゃないか。
そこに、あの人を入れた所で、大した問題じゃないのでは無いか?」
この世界は、一夫多妻制らしいので、養うだけの甲斐性があれば、ハーレムを作ったとしても、本人達が良いのであれば問題はないらしい。
「いえ、以前にも言ったと思いますが、僕の彼女はプリンだけですよ?
ってか、クズハなら、まだ分かりますが、何故、アリスまでハーレム要員になってるんですか?」
アリスはブラウニーの為、魔物であって人の括りでは無い筈だ。
「いや、クエスト完了の調査で行った時、アリスさんの君の事を話す顔が好きな人を話す時のソレと同じだったし、匂いが…な。」
「えっと…匂いですか?」
「あぁ、獣人の中には匂いに対して敏感な種族がいてな。
確か…フェロモンと言うらしいが、発情している時に出る匂いを嗅ぎ分ける事が出来るんだよ。
まぁ、本来は、全ての生き物に備わっているらしいのだが…人族は苦手みたいだな。」
と、ラオンさんは当たり前の様に話してくる…。
もし、その話を信じるならアリスもまたプリン同様に僕の事を好きになっているらしい。
だが、そう考えると、魔力を与えるのにキスをされた事も、少なからず納得がいく。
それに、プリンも言っていたが、こっちの世界は、一夫多妻制。
ならば、ハーレムなんて事も実際に可能なのかもしれない…。
「あ~なんだ…君が何を考えているかは聞かんが、匂いが出てるぞ。」
おっと…余計な事を考えた性でフェロモンとやらが出てしまった様だ。
ここは冷静になって、コレからの事を考えよう。
「とりあえず、ペットと言うのは置いきますが、成り行きとは言え、彼女を僕の仲間にしようと思います。
まぁ、帰ったら色々大変になるとは思いますが…。」
「そうか…なら、彼女もギルド登録しておいた方が良いだろうな。
で、彼女の名前は、何て言うんだ?」
「そうですね…本人にはまだ確認してないんですが、僕としては『ローラ』と名前を付けようと考えています。」
フェンリルには、まだ名前がなかったのでアリス同様、仲間になるのだから…と、名前を与えようと思ったのだった…。
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