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~第二章:冒険者編(初期)~

66ページ目…お金の価値

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「それより、コレからどうするつもりだ?
 金貨20枚もあれば、この町ならば…小さい家なら買えるだろ?
 この町を起点に活動するのか?」
「あ、あの…金貨20枚あると家が買えるんですか?」
「あぁ、小さい家なら…だけどな。」

 どうやら、ラオンさんが言うには小さい家なら金貨20枚あれば買えるらしい。

 異世界の住宅事情は僕には分からないが、参考までに日本の建売住宅で考えてみよう。
 地域にもよるだろうが、僕の住んでいた田舎では、テレビCMで1000~2000万とかで売られてるCMを目にする事が多々ある。
 また、建売住宅や住宅雑誌、新聞と一緒に入っている広告からでも目にする事がある。

 そこで、僕は、ふと思った…。

 それは、お金についてだ…どう言う原理か知らないが、この世界の魔物を倒すと、魔物の死骸は消え…お金や道具などが手に入る。
 そして、そのお金を使えば、この世界で買い物が出来る。
 まぁ、この世界のお金で買い物が出来ないって話だったらビックリな話なのだが…。

 当然ながら、そのお金は宿に泊まるのにも必要となる。
 だからと言って、お金を稼ぐのに、わざわざ危険を冒して魔物を倒す必要はない。
 それは元の世界同様、普通に働いて稼ぐ事も可能だからだ。

 つまり、戦って稼ぐか働いて稼ぐかは、本人の自由と言う訳だ。
 ちなみに、僕は戦えるので前者…と言う事になる。

 では、ここで改めて、お金の価値を考えてみよう。

 現在、僕達が泊まっている宿屋…1泊で大銅貨4枚…400ゴルドで泊まれると言う事だ。
 ぶっちゃけ、僕には高いか安いかは分からないが、僕達が宿屋に泊まるには大銅貨4枚が必要と言う訳だ。

 ここで参考にするのが、昔、家族旅行した時に、ちゃんとしたホテルの予約が取れずに、ビジネスホテルに泊まった値段だ。
 あの時の部屋が1泊3980…約4000円だった。

 それを参考に考えると、大銅貨1枚は約1000円となる。

 白金貨>金貨>銀貨>大銅貨>銅貨>賤貨
 これが、この世界でも一般的な通過だ。
 まぁ、白金貨の上に、王金貨なんてのもあるらしいが…一般には出回る事はないとの事だ。

 さて、話を戻す事にする。

 賤貨100枚で銅貨1枚、銅貨10枚で大銅貨1枚と言う話だったので…大銅貨は1000円、銅貨は100円、賤貨は1円と言う事になる。

 また、それとは逆に大銅貨が10枚で銀貨1枚…1万円と言う事になる。
 そして銀貨100枚で金貨1枚…100万円。
 金貨100枚で白金貨1枚なので…1億円と言う事か?
 余談になるが白金貨100枚で王金貨1枚…100億円と言う事になる…そりゃ、一般に出回る事がない訳だ。

 ただし、あくまで目安としたのがビジネスホテルを目安にした場合の話であって、その認識が正しいとは限らない。

 現に、宿屋でご飯を食べる時、一般的な食事が銅貨2~3枚で食べれる事が多い。
 つまり、ご飯を基準に考えるならば…安くても400~600円となる。
 その場合は、大銅貨1枚で2000円となり、先程の計算の倍となる。

 まぁ、一泊8000円と考えても、それほど違和感はないが…金貨1枚100万円を思えば、計算しやすいので、今はそちらを採用したいと思う。

 ここで、ラオンさんの話に戻ろう。
 小さい家なら金貨20枚もあれば買える…2000万円で家が買える。
 まぁ、これなら元の世界でも納得が出来る。
 仮に大銅貨が倍の価値ならば4000万円…うん、普通にマンションとか買える値段だ。

 そう考えるとギルドが用意した支度金には金貨があった事を考えると、みんなの武防具が揃えれるのも納得する事が出来る。
 この世界に来てから、それほど深く考えていなかったが…お金は大事だ。

 じぃちゃん曰く、1円を笑う者は1円に泣く…だ。

 もう少し考えてお金を使わないと、その内、大変な事のなりそうだと思い、僕は肝に銘じた。

「おい、大丈夫か?」
〔ご主人様、ラオンさんが心配しています…ご返事を…。〕

 プリンが念話で話し掛けてきた…なるほど、確かにラオンさんが僕に話し掛けていたみたいだ。
 どうやら、お金の価値を考えていた所為で、ぼーとしていたらしく、変な心配を掛けてしまった様だ。

「え、えぇ…大丈夫です。
 元の世界と、こちらの世界…異世界とのお金の価値の違いを考えていました。
 と言った方が良いかもしれませんが、ちょっと、こちらのお金の事を考えていました。」
「よく分からんが…そんなに違う物なのか?」
「いえ…多分、そんなに変わらないと思いますよ?
 ただ、僕の知識と比較をしていただけですから。」
「そ、そうか…私には分からんが…。」

 大丈夫です、僕も分かってませんから…。

「まぁ、そんなに気にしなくて良いです。
 それと…これからの予定としては、せっかくの異世界ですので、美味しい物を食べるのを目的として旅に出たいと思います。
 ちょうど…旅をするのに都合の良い魔法・・・・・・・を覚えたので…この町にも、ちょくちょく戻って来ると思います。」
「都合の良い魔法?それはいったい…どんな魔法なんだ?」

 僕の発言に、ラオンさんが不安そうな表情を浮かべる。

「〖空間転移ゲート〗と言う魔法で…自分が一度行った事のある場所に、一瞬で移動出来る時空魔法らしいです。」

 僕はそう言うと、ニヤリと笑うのだった。
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