57 / 421
~第二章:冒険者編(初期)~
57ページ目…移動中
しおりを挟む
〔何故で、ここにいるんですか?僕達は、これからダンジョンへ向かうんだから帰ってください。〕
と、僕は犬擬に念話で話しかける。
〔オマエ ハラペコ ノ オレ ニ ニク クレタ。
オレ オマエ キニイッタ。
オレ オマエ マモル オマエ ニ ツイテク。〕
〔そうですか、でも丁重にお断りしますので、どうぞお帰りください。〕
残念な事に、僕はモフモフ好きではあるが、この犬擬きの種族が種族だけに、正直、関わりたくないのだ。
〔ソレ ダメ オレイ スル キマリゴト。〕
〔でしたら、このまま素直に帰ってくれれば、それがお礼になるから…。〕
〔キョヒ オレ オマエ マモル。〕
〔だから~!そこらの犬や狼ならペットで連れてく事は出来るけど、神獣のフェンリルなんか連れて歩いたら、まわりの人がパニックになるって言ってるんだよ!
肉のお礼だか何だか知らないけど、素直に帰ってくれたらチャラで良いから、帰ってくれよ!!〕
そう…僕があの時、見てしまったのは、まだ子供とは言え『神獣:フェンリル(幼生)』だったのだ。
スライムに妖狐族…それだけでも、冒険者ギルドで十分問題があると言うのに、今度はフェンリルの子供なんて…どんな嫌がらせなんだって話だ。
だが、ここで予期せぬ援軍が顕れた…。
〔ご主人様、今回だけ連れて行くというのは、どうでしょう?〕
〔ん?プリン、どう言う事?〕
〔私達がメインで戦うのは良いのですが、その時、レベルの低いクズハさんの守りが手薄になります。
ですので、その間、クズハさんの護衛に付いて貰えば良いのでは…と思います。〕
〔なるほど…それなら、肉のお礼って事で納得して貰えるかも…。〕
僕はプリンの提案に乗る事にした。
ってな訳で、フェンリルに話を付ける。
〔あのさ、肉のお礼って事なんだけど…。
今、僕達はとても危険な状態になっているダンジョンの暴走を防ぐ為に向かってるんだけど、そこにいる間、こっちの…クズハの護衛を頼んで良いかな?
もし、引き受けてくれるなら、追加で串焼きを上げても良いほど、助かるんだけど…ダメかな?〕
〔ワカッタ オレ クズハ マモル。〕
よかった…何とか説得が出来たみたいだ。
コレで、心配だったクズハの守りが少しはマシになる事だろう…たぶん…。
「クズハ、ダンジョンに着いたら、この子が君の護りに付く…クズハは、無理をしない程度に僕達の援護に専念してくれ。」
「いえ、私も戦います!」
無駄にやる気を見せるクズハ…だが、正直言ってレベル2のクズハには無謀だとしか思えない。
「いや、クズハのレベルだと、足手纏になりかねない。
その代わり、僕達が撃ち漏らしたヤツを頼みたいんだ。」
そう言うと、クズハはガックリと肩を落とし、渋々、肯くのだった。
◆◇◆◇◆◇◆
しばらくすると、僕達の目にもダンジョンの一部が見えて来た。
正確には、ダンジョンを使う施設の一部なのだが…。
この世界のダンジョンと言うのは、魔物の巣窟…と言う事以外に、魔物を倒した時に出るドロップ品や宝箱等の報酬を手に入れる…言わば、宝の山みたいな場所になったいた。
つまり…メリットとしては、一獲千金を狙う事が出来る場所と言う事になる。
もっとも、その一攫千金を得るには、己の命を賭ける必要がある、と言うデメリットもあるのだが…。
そして…未発見のダンジョンは別だが、基本的にダンジョンは冒険者ギルドが管理している。
故に、ダンジョンの施設を使う為にも冒険者ギルドに加入する必要があり、またお金を稼ぐ近道となるらしい。
もっとも、緊急事態の今はそんな説明はいらない…かな?
「メルトの冒険者の方達ですね?よく来ていただけました、どうぞこちらへ…。」
こうやって出迎えてくれると言う事は、何とか間に合った様だ。
僕が「状況は?」と聞くと、やはりと言うか、当たり前と言うか…かなり不安定になって来ているので、状況としては芳しくないとの事だった…。
と、僕は犬擬に念話で話しかける。
〔オマエ ハラペコ ノ オレ ニ ニク クレタ。
オレ オマエ キニイッタ。
オレ オマエ マモル オマエ ニ ツイテク。〕
〔そうですか、でも丁重にお断りしますので、どうぞお帰りください。〕
残念な事に、僕はモフモフ好きではあるが、この犬擬きの種族が種族だけに、正直、関わりたくないのだ。
〔ソレ ダメ オレイ スル キマリゴト。〕
〔でしたら、このまま素直に帰ってくれれば、それがお礼になるから…。〕
〔キョヒ オレ オマエ マモル。〕
〔だから~!そこらの犬や狼ならペットで連れてく事は出来るけど、神獣のフェンリルなんか連れて歩いたら、まわりの人がパニックになるって言ってるんだよ!
肉のお礼だか何だか知らないけど、素直に帰ってくれたらチャラで良いから、帰ってくれよ!!〕
そう…僕があの時、見てしまったのは、まだ子供とは言え『神獣:フェンリル(幼生)』だったのだ。
スライムに妖狐族…それだけでも、冒険者ギルドで十分問題があると言うのに、今度はフェンリルの子供なんて…どんな嫌がらせなんだって話だ。
だが、ここで予期せぬ援軍が顕れた…。
〔ご主人様、今回だけ連れて行くというのは、どうでしょう?〕
〔ん?プリン、どう言う事?〕
〔私達がメインで戦うのは良いのですが、その時、レベルの低いクズハさんの守りが手薄になります。
ですので、その間、クズハさんの護衛に付いて貰えば良いのでは…と思います。〕
〔なるほど…それなら、肉のお礼って事で納得して貰えるかも…。〕
僕はプリンの提案に乗る事にした。
ってな訳で、フェンリルに話を付ける。
〔あのさ、肉のお礼って事なんだけど…。
今、僕達はとても危険な状態になっているダンジョンの暴走を防ぐ為に向かってるんだけど、そこにいる間、こっちの…クズハの護衛を頼んで良いかな?
もし、引き受けてくれるなら、追加で串焼きを上げても良いほど、助かるんだけど…ダメかな?〕
〔ワカッタ オレ クズハ マモル。〕
よかった…何とか説得が出来たみたいだ。
コレで、心配だったクズハの守りが少しはマシになる事だろう…たぶん…。
「クズハ、ダンジョンに着いたら、この子が君の護りに付く…クズハは、無理をしない程度に僕達の援護に専念してくれ。」
「いえ、私も戦います!」
無駄にやる気を見せるクズハ…だが、正直言ってレベル2のクズハには無謀だとしか思えない。
「いや、クズハのレベルだと、足手纏になりかねない。
その代わり、僕達が撃ち漏らしたヤツを頼みたいんだ。」
そう言うと、クズハはガックリと肩を落とし、渋々、肯くのだった。
◆◇◆◇◆◇◆
しばらくすると、僕達の目にもダンジョンの一部が見えて来た。
正確には、ダンジョンを使う施設の一部なのだが…。
この世界のダンジョンと言うのは、魔物の巣窟…と言う事以外に、魔物を倒した時に出るドロップ品や宝箱等の報酬を手に入れる…言わば、宝の山みたいな場所になったいた。
つまり…メリットとしては、一獲千金を狙う事が出来る場所と言う事になる。
もっとも、その一攫千金を得るには、己の命を賭ける必要がある、と言うデメリットもあるのだが…。
そして…未発見のダンジョンは別だが、基本的にダンジョンは冒険者ギルドが管理している。
故に、ダンジョンの施設を使う為にも冒険者ギルドに加入する必要があり、またお金を稼ぐ近道となるらしい。
もっとも、緊急事態の今はそんな説明はいらない…かな?
「メルトの冒険者の方達ですね?よく来ていただけました、どうぞこちらへ…。」
こうやって出迎えてくれると言う事は、何とか間に合った様だ。
僕が「状況は?」と聞くと、やはりと言うか、当たり前と言うか…かなり不安定になって来ているので、状況としては芳しくないとの事だった…。
1
お気に入りに追加
296
あなたにおすすめの小説
憧れの先輩に抱かれたくて尿道開発している僕の話
聖性ヤドン
BL
主人公の広夢は同じ学生寮に住む先輩・日向に恋をしている。
同性同士だとわかっていながら思い余って告白した広夢に、日向は「付き合えないが抱けはする」と返事。
しかしモテる日向は普通のセックスには飽きていて、広夢に尿道でイクことを要求する。
童貞の広夢に尿道はハードルが高かった。
そんな中、広夢と同室の五十嵐が広夢に好意を抱いていることがわかる。
日向に広夢を取られたくない五十嵐は、下心全開で広夢の尿道開発を手伝おうとするのだが……。
そんな三つ巴の恋とエロで物語は展開します。
※基本的に全シーン濡れ場、という縛りで書いています。
魔力ゼロの出来損ない貴族、四大精霊王に溺愛される
日之影ソラ
ファンタジー
魔法使いの名門マスタローグ家の次男として生をうけたアスク。兄のように優れた才能を期待されたアスクには何もなかった。魔法使いとしての才能はおろか、誰もが持って生まれる魔力すらない。加えて感情も欠落していた彼は、両親から拒絶され別宅で一人暮らす。
そんなある日、アスクは一冊の不思議な本を見つけた。本に誘われた世界で四大精霊王と邂逅し、自らの才能と可能性を知る。そして精霊王の契約者となったアスクは感情も取り戻し、これまで自分を馬鹿にしてきた周囲を見返していく。
HOTランキング&ファンタジーランキング1位達成!!
【完結】愛されなかった私が幸せになるまで 〜旦那様には大切な幼馴染がいる〜
高瀬船
恋愛
2年前に婚約し、婚姻式を終えた夜。
フィファナはドキドキと逸る鼓動を落ち着かせるため、夫婦の寝室で夫を待っていた。
湯上りで温まった体が夜の冷たい空気に冷えて来た頃やってきた夫、ヨードはベッドにぽつりと所在なさげに座り、待っていたフィファナを嫌悪感の籠った瞳で一瞥し呆れたように「まだ起きていたのか」と吐き捨てた。
夫婦になるつもりはないと冷たく告げて寝室を去っていくヨードの後ろ姿を見ながら、フィファナは悲しげに唇を噛み締めたのだった。
【R18】白い結婚なんて絶対に認めません! ~政略で嫁いだ姫君は甘い夜を過ごしたい~
瀬月 ゆな
恋愛
初恋の王子様の元に政略で嫁いで来た王女様。
けれど結婚式を挙げ、いざ初めての甘い夜……という段階になって、これは一年限りの白い結婚だなどと言われてしまう。
「白い結婚だなどといきなり仰っても、そんなの納得いきません。先っぽだけでもいいから入れて下さい!」
「あ、あなたは、ご自身が何を仰っているのか分かっておられるのですか!」
「もちろん分かっておりますとも!」
初恋の王子様とラブラブな夫婦生活を送りたくて、非常に偏った性の知識を頼りに一生懸命頑張る王女様の話。
「ムーンライトノベルズ」様でも公開しています。
異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~
水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート!
***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!
愛されない花嫁は初夜を一人で過ごす
リオール
恋愛
「俺はお前を妻と思わないし愛する事もない」
夫となったバジルはそう言って部屋を出て行った。妻となったアルビナは、初夜を一人で過ごすこととなる。
後に夫から聞かされた衝撃の事実。
アルビナは夫への復讐に、静かに心を燃やすのだった。
※シリアスです。
※ざまあが行き過ぎ・過剰だといったご意見を頂戴しております。年齢制限は設定しておりませんが、お読みになる場合は自己責任でお願い致します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる