~僕の異世界冒険記~異世界冒険始めました。

破滅の女神

文字の大きさ
上 下
44 / 421
~第二章:冒険者編(初期)~

44ページ目…メルトの町

しおりを挟む
「や、やっと…メルトに着いた~ッ!」

 スタトの塔より直線距離・・・・で10kmほど…。

 だけど、途中で川に寄ったり魔物を戦ったり、人助けしたり…倒した魔物のドロップ品を回収したりと、色々苦労した所為で、かなりの遠回りとなった物の、何とか僕達は無事にメルトの町に到着した。
 もっとも、町に入るのにお金がいるとは思わなかったが、その代金に関しても微々たる物で、ここへ来るまでに稼いだお金で、十分まかなえた。

 まぁ、プリンと死闘…その結果、僕は右腕を失い、〖融合〗からの再生で失った腕を生やした事や、魔物に襲われ死んでしまった人を森に死体を埋める…などの事を。無事と言って良いならの話しが…。
 何はともあれ、既に日が暮れかけている。
 なので、本来であれば直ぐにでも宿を取らないといけないのだが…その前に、役所に先ほどの一件を報告に行かないと、死んだザンキさんが浮かばれない。

 僕は対象を町にして〖神眼〗で見る。
 対象を物ではなく、地形に切り替わった事で、この町の地図が僕の目には見える。
 役所…役所はっと…お、あったあった。
 さすが〖神の目〗の効果だ…っと、今は進化して〖神眼〗だった。

 とりあえず、天然のマップって便利だわ。
 そんなこんなで、僕達は役所に向かう事にしたのだった…。

◆◇◆◇◆◇◆

「かくかくしかじか…って事で、ザンキさんから頼まれて報告しに来てるんですが…。」
「なるほど…そう言う事でしたら、こちらの方でその件につきましては処理をしておきます。
 ですが…死体の処理についてですが、もし再びその様に処理する事になりましたら、そのまま埋めるのではなく燃やしてから埋める様にお願いします。
 理由としては、必ずなる訳ではありませんが…不浄な土地だと、ゾンビやグールなどの不死者アンデッドとして甦る事がありますので…。」

 と注意されてしまった…そんな事言われても、異世界来たばかりで知らんがな!って感じなので、踏んだり蹴ったりである。

「そうそう、そちらのクズハさん件に関してですが…状況が状況ですので、持ち主が、自分が助かる為に所有権を破棄したと見なされます。
 そして、その所有者を失った奴隷を、偶然・・にもムゲンさんが拾われたと言う事になりますので、そのまま貰っていただいて構いません。
 まぁ、今回の報告のお礼…と言う事ですね。」

 なるほど、確かに囮された奴隷を、生き残ったから…と、元の持ち主に返すのは、あまりにも非人道的な行為だから、その様な処置になったのか…。

「それでですね?そちらの奴隷に関してですが、そのまま所持されても良いですし、不要であるなら売ってお金に替えるのも良いかと思います。
 すぐに奴隷譲渡の書類をご用意しますので、それを持って奴隷市場にて手続きをして下さい。
 もちろん、その費用に関しても、今回の報酬に入っておりますので無料となりますのでご安心ください。」
「は、はぁ…。」

 いきなり奴隷を…と言われても、こちらとしては奴隷を手に入れるつもりはなく、かと言って、このまま売り払うのも、あまりに酷い扱いだと言う事で、板挟みになる。
 とは言え、成り行きで連れてきたとは言え、知り合ったばかりの子を奴隷にって…どんなプレイですか?
 いや、クズハは出会った時から奴隷だった訳だが…。

〔ご主人様、支配欲が強いのは知ってましたが、奴隷まで手に入れるのですか?
 私の体だけじゃ満足出来ませんか…そうですか…。〕
〔ちょッ!?何を言ってるんですかプリンさん!僕はそんな事を一言も言ってないですよねッ!?〕

 プリンからのツッコミに、僕は慌てて反論する。

〔冗談ですよ、じょ・う・だ・ん♪ちょ~~~っとだけヤキモチを焼いちゃっただけです。
 ご主人様は知らないかもしれませんが、この世界では一人の男が複数の嫁を持つ事が認められています。
 なので…他にも嫁が欲しいと言うのなら…私は気にしません。
 でも…一つだけ約束してください…他の誰よりも、私を愛してくれるって…。
 だって…私が最初に身も心も一つになったんですから…ポッ…。〕

 あ~、やっぱ物語とかで良くある様に、この世界も一夫多妻も可能なんだ…。
 なら、別に問題ないのか…ある意味、男にとって都合の良い世界だけど…。

〔それはもちろんです!って言うか…そもそもクズハさんと、どうこうする気は無いですよ?
 それから…身も心もって…そりゃ〖融合〗したから間違っていませんが…その言い方、色々と誤解を招く言い方なので止めてください。
 流石に、まだちょっと恥ずかしいですから…。〕

 と、プリンと〖念話〗で会話していると、奴隷譲渡の書類を持って係の人が戻ってきた。

「お待たせ致しました、こちらが奴隷の譲渡の書類となります。
 再発行は出来ませんので無くさない様にご注意ください。」
「は、はい…ありがとうございます。」

 僕は、役所の人にお礼を言うと二人を連れて役所を出た。
 予想外の出来事ではあるが、次の目的地は奴隷市場に決定…トラブルに巻き込まれない事を祈りつつ、僕達は市場の方へ向かうのだった…。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~

甲賀流
ファンタジー
なんの特徴もない高校生の高橋 春陽はある時、異世界への繋がるダンジョンに迷い込んだ。なんだ……空気中に星屑みたいなのがキラキラしてるけど?これが全て魔力だって? そしてダンジョンを突破した先には広大な異世界があり、この世界全ての魔力を行使して神や魔族に挑んでいく。

不遇にも若くして病死した少年、転生先で英雄に

リョウ
ファンタジー
辺境貴族の次男レイ=イスラ=エルディア。 実は、病で一度死を経験した転生者だった。 思わぬ偶然によって導かれた転生先…。 転生した際に交わした約束を果たす為、15歳で家を出て旅に出る。 転生する際に与えられたチート能力を駆使して、彼は何を為して行くのか。 魔物あり、戦争あり、恋愛有りの異世界冒険英雄譚がここに幕を開ける!

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

おもちゃで遊ぶだけでスキル習得~世界最強の商人目指します~

暇人太一
ファンタジー
 大学生の星野陽一は高校生三人組に事故を起こされ重傷を負うも、その事故直後に異世界転移する。気づけばそこはテンプレ通りの白い空間で、説明された内容もありきたりな魔王軍討伐のための勇者召喚だった。  白い空間に一人残された陽一に別の女神様が近づき、モフモフを捜して完全復活させることを使命とし、勇者たちより十年早く転生させると言う。  勇者たちとは違い魔王軍は無視して好きにして良いという好待遇に、陽一は了承して異世界に転生することを決める。  転生後に授けられた職業は【トイストア】という万能チート職業だった。しかし世界の常識では『欠陥職業』と蔑まされて呼ばれる職業だったのだ。  それでも陽一が生み出すおもちゃは魔王の心をも鷲掴みにし、多くのモフモフに囲まれながら最強の商人になっていく。  魔術とスキルで無双し、モフモフと一緒におもちゃで遊んだり売ったりする話である。  小説家になろう様でも投稿始めました。

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

スマートシステムで異世界革命

小川悟
ファンタジー
/// 毎日19時に投稿する予定です。 /// ★☆★ システム開発の天才!異世界転移して魔法陣構築で生産チート! ★☆★ 新道亘《シンドウアタル》は、自分でも気が付かないうちにボッチ人生を歩み始めていた。 それならボッチ卒業の為に、現実世界のしがらみを全て捨て、新たな人生を歩もうとしたら、異世界女神と事故で現実世界のすべてを捨て、やり直すことになってしまった。 異世界に行くために、新たなスキルを神々と作ったら、とんでもなく生産チートなスキルが出来上がる。 スマフォのような便利なスキルで異世界に生産革命を起こします! 序章(全5話)異世界転移までの神々とのお話しです 第1章(全12話+1話)転生した場所での検証と訓練 第2章(全13話+1話)滞在先の街と出会い 第3章(全44話+4話)遺産活用と結婚 第4章(全17話)ダンジョン探索 第5章(執筆中)公的ギルド? ※第3章以降は少し内容が過激になってきます。 上記はあくまで予定です。 カクヨムでも投稿しています。

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが

倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、  どちらが良い?……ですか。」 「異世界転生で。」  即答。  転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。  なろうにも数話遅れてますが投稿しております。 誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。 自分でも見直しますが、ご協力お願いします。 感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

処理中です...