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~第二章:冒険者編(初期)~
43ページ目…頼まれ事
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「〖魔法:加速&身体強化〗…からの~双剣〖闘気剣〗ッ!」
僕は強化魔法を使い、鎧状態のプリンに骸の魔銃を、ひょいっと渡すと両手に1本ずつ、オーラブレードを装備する。
そして、そのままゴブリン達目掛けて、グンッ!と加速。
すれ違い様に、ゴブリンを2匹細切れに…そして、最後のゴブリンへと顔を向けた…。
だが、その視線の先には、ちょうど、ゴブリンの頭が弾け飛び、後ろの木に血を撒き散らして崩れ落ちる所だった。
【経験値121を獲得した。】
【レベルが2あがった。】
【称号:〖勇者の卵〗を手に入れた。】
えっと…とりあえず、相変わらず色々と何が何だか分からない状態になっている。
いや、本当は分かっている…最後のゴブリンを攻撃したのは彼女…プリンだ。
僕は再充填済みの骸の魔銃を彼女に渡した…。
ちょうど腰の辺りに…だ。
しかし、その骸の魔銃は、現在、僕の肩の所にある…某アニメの量産型モビルスーツみたいに…だ。
そして、残弾は4…つまり2発撃たれてる事になる…。
って、プリンさん…ちょ~っと器用過ぎじゃないですか?
自動で敵を倒す鎧って、異世界的にも、いかがな物でしょう?
それと、人助けをした一環で称号が手に入ったって所だろうか?
それにしても〖勇者の卵〗って…既に〖魔王の欠片〗なんてのも持ってるんですがね…。
「う…うぅ…。」
ん?男の声だと?でも、僕以外に立っている男は居ない。
と、なると…誰だ?と思ったが…確か、逃げたオッサン以外にも襲われていた人間がいたはずだ。
『キョロキョロ…。』
いた!ちょっと離れた木の根元に転がっている。
僕は男の所に走って寄っていく。
「だ、大丈夫ですか?」
と、声を掛ける…が、うん、どう見ても死にかけだ。
助かる見込みは、おそらく万に一つもないだろう。
それでも、僕は回復魔法を使おうとして…。
「い、いや…もう俺はダメだ…既に体の感覚が無い…。
カルマの野郎、俺や奴隷を囮に逃げやがって…許さなねぇ…ゴフッ!
に、にぃちゃん、悪いんだが…俺の最後の頼み…ちと頼まれてくれや…。」
この状態で、頼まれたら嫌と言えないのは日本人の性なのだろうか?
「はい、僕に出来る事なら…。」
「そこに居る奴隷をメルトの町に届けてやってくれ…。
そ、そして…役所で、カルマが俺を…ザンキを殺した…と…。」
『ブチッ!』
ザンキと名乗った男は自分の服に付いていた紋章を毟り取り、僕に渡してきた。
「こ、これを持って行けば、役所の奴らも話を聞いてくれるはずだ…。
ゴホッゴホッ…すまねぇ…見ず知らずのにぃちゃんに、こんな事を頼ん…。」
『パタツ…。』
ザンキと名乗った男が、僕の目の前で死んだ…。
プリンと戦った時以外、あまりリアルに感じなかった異世界ではあるが、寒気を覚えるほど人が簡単に死ぬリアルに恐怖を覚えた。
〔ご主人様…大丈夫ですか?〕
「あ、あぁ…それよりも、彼女を連れてメルトに向かおう…。」
僕はプリンだけに聞こえる様な小さな声で返事をすると、女の子の方に近付いていく…そして、声を掛けた。
「えっと…僕の名前は夢幻…『語部 夢幻』だ、それで…君の名前は?」
「わ、私はクズハ…です。」
「クズハちゃんだね?クズハちゃん…あっちのザンキさんに頼まれて君をメルトの町に送る事になったんだけど、僕と一緒に来てくれるかな?」
「は、はい…それで、ザンキさんは…。」
こんな小さな女の子に、一緒にいた人が死んだと言って良いのか迷いが生じる。
「そ、それは…その…。」
「や、やっぱり…死んじゃったんですね…。」
「う、うん…。」
少しの間、沈黙が流れた。
〔ご主人様、いつまでココにいる気ですか?
そろそろ移動しませんか?〕
プリンが催促する様に話しかけてきた。
こう言う時は人外…『スライム』のプリンの性格が羨ましい…。
いや、それは違う…魔王化する前なら、そう思っていただろうが、今のプリンは既に人の心を理解している。
それは彼女と〖融合〗した僕が一番理解している。
彼女は、そんな悲しみを理解した上で、敢えて冷たい態度をとっているのた…。
その証拠に、彼女の〖念話〗からは、悲しみを必死に隠してるイメージが混じっているのが分かった…。
とは言え…確かに、いつまでもこんな場所にいる意味はない。
なので、女の子に、そろそろ出発したい事と言おうと思う。
「あ、あの…私をメルトの町に連れてってくれるんですよね?」
クソッ…情けない事に、一瞬早く先に言われてしまった。
「う、うん…もう移動しようと思うんだけど、もう良いかな?」
「は、はい…準備します。」
そう言うと、クズハちゃんはザンキの所に行き、持ち物を剥ぎ取っていく。
「って、何やってるのッ!?」
「え?何って…普通に使える物を回収してるだけですけど?」
と、逆に何を驚いているの?と、首を傾けて不思議がられてしまった。
〔あの…ご主人様、この世界では常識ですよ?〕
と、プリンが教えてくれた…そうですか…常識ですか…。
僕の世界では、そう言うのは行為は、基本的に犯罪ですよ…と心の中で呟いておいた。
なんか、異世界怖いです…でも、すぐに慣れちゃうだろうな…と思ったのは秘密にしたいと思います。
そう言えば、じぃちゃん曰く、使える物なら何でも使え…と言っていたのを僕は思いだしたのだった…。
僕は強化魔法を使い、鎧状態のプリンに骸の魔銃を、ひょいっと渡すと両手に1本ずつ、オーラブレードを装備する。
そして、そのままゴブリン達目掛けて、グンッ!と加速。
すれ違い様に、ゴブリンを2匹細切れに…そして、最後のゴブリンへと顔を向けた…。
だが、その視線の先には、ちょうど、ゴブリンの頭が弾け飛び、後ろの木に血を撒き散らして崩れ落ちる所だった。
【経験値121を獲得した。】
【レベルが2あがった。】
【称号:〖勇者の卵〗を手に入れた。】
えっと…とりあえず、相変わらず色々と何が何だか分からない状態になっている。
いや、本当は分かっている…最後のゴブリンを攻撃したのは彼女…プリンだ。
僕は再充填済みの骸の魔銃を彼女に渡した…。
ちょうど腰の辺りに…だ。
しかし、その骸の魔銃は、現在、僕の肩の所にある…某アニメの量産型モビルスーツみたいに…だ。
そして、残弾は4…つまり2発撃たれてる事になる…。
って、プリンさん…ちょ~っと器用過ぎじゃないですか?
自動で敵を倒す鎧って、異世界的にも、いかがな物でしょう?
それと、人助けをした一環で称号が手に入ったって所だろうか?
それにしても〖勇者の卵〗って…既に〖魔王の欠片〗なんてのも持ってるんですがね…。
「う…うぅ…。」
ん?男の声だと?でも、僕以外に立っている男は居ない。
と、なると…誰だ?と思ったが…確か、逃げたオッサン以外にも襲われていた人間がいたはずだ。
『キョロキョロ…。』
いた!ちょっと離れた木の根元に転がっている。
僕は男の所に走って寄っていく。
「だ、大丈夫ですか?」
と、声を掛ける…が、うん、どう見ても死にかけだ。
助かる見込みは、おそらく万に一つもないだろう。
それでも、僕は回復魔法を使おうとして…。
「い、いや…もう俺はダメだ…既に体の感覚が無い…。
カルマの野郎、俺や奴隷を囮に逃げやがって…許さなねぇ…ゴフッ!
に、にぃちゃん、悪いんだが…俺の最後の頼み…ちと頼まれてくれや…。」
この状態で、頼まれたら嫌と言えないのは日本人の性なのだろうか?
「はい、僕に出来る事なら…。」
「そこに居る奴隷をメルトの町に届けてやってくれ…。
そ、そして…役所で、カルマが俺を…ザンキを殺した…と…。」
『ブチッ!』
ザンキと名乗った男は自分の服に付いていた紋章を毟り取り、僕に渡してきた。
「こ、これを持って行けば、役所の奴らも話を聞いてくれるはずだ…。
ゴホッゴホッ…すまねぇ…見ず知らずのにぃちゃんに、こんな事を頼ん…。」
『パタツ…。』
ザンキと名乗った男が、僕の目の前で死んだ…。
プリンと戦った時以外、あまりリアルに感じなかった異世界ではあるが、寒気を覚えるほど人が簡単に死ぬリアルに恐怖を覚えた。
〔ご主人様…大丈夫ですか?〕
「あ、あぁ…それよりも、彼女を連れてメルトに向かおう…。」
僕はプリンだけに聞こえる様な小さな声で返事をすると、女の子の方に近付いていく…そして、声を掛けた。
「えっと…僕の名前は夢幻…『語部 夢幻』だ、それで…君の名前は?」
「わ、私はクズハ…です。」
「クズハちゃんだね?クズハちゃん…あっちのザンキさんに頼まれて君をメルトの町に送る事になったんだけど、僕と一緒に来てくれるかな?」
「は、はい…それで、ザンキさんは…。」
こんな小さな女の子に、一緒にいた人が死んだと言って良いのか迷いが生じる。
「そ、それは…その…。」
「や、やっぱり…死んじゃったんですね…。」
「う、うん…。」
少しの間、沈黙が流れた。
〔ご主人様、いつまでココにいる気ですか?
そろそろ移動しませんか?〕
プリンが催促する様に話しかけてきた。
こう言う時は人外…『スライム』のプリンの性格が羨ましい…。
いや、それは違う…魔王化する前なら、そう思っていただろうが、今のプリンは既に人の心を理解している。
それは彼女と〖融合〗した僕が一番理解している。
彼女は、そんな悲しみを理解した上で、敢えて冷たい態度をとっているのた…。
その証拠に、彼女の〖念話〗からは、悲しみを必死に隠してるイメージが混じっているのが分かった…。
とは言え…確かに、いつまでもこんな場所にいる意味はない。
なので、女の子に、そろそろ出発したい事と言おうと思う。
「あ、あの…私をメルトの町に連れてってくれるんですよね?」
クソッ…情けない事に、一瞬早く先に言われてしまった。
「う、うん…もう移動しようと思うんだけど、もう良いかな?」
「は、はい…準備します。」
そう言うと、クズハちゃんはザンキの所に行き、持ち物を剥ぎ取っていく。
「って、何やってるのッ!?」
「え?何って…普通に使える物を回収してるだけですけど?」
と、逆に何を驚いているの?と、首を傾けて不思議がられてしまった。
〔あの…ご主人様、この世界では常識ですよ?〕
と、プリンが教えてくれた…そうですか…常識ですか…。
僕の世界では、そう言うのは行為は、基本的に犯罪ですよ…と心の中で呟いておいた。
なんか、異世界怖いです…でも、すぐに慣れちゃうだろうな…と思ったのは秘密にしたいと思います。
そう言えば、じぃちゃん曰く、使える物なら何でも使え…と言っていたのを僕は思いだしたのだった…。
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