上 下
20 / 421
~チュートリアル?~

20ページ目…初めての魔法【1】

しおりを挟む
 アレ(階段を踏み外して)から、どれだけ時間が経ったのだろうか?
 やっと、左足の痛みが無くなり、僕は立ち上がる事が出来た。
 って言うか…この世界に来て、まだ1日目なのに左腕、左足、右脚…既に3ヶ所の骨折である。
 特殊技能とくしゅスキルの〖自己治癒〗が無かったら、もう1~2回は死んでる自信があるぞ、コレ…。

 まぁ、不幸自慢はさておき、いつ敵にあっても良い様に装備を整える事にしよう。

 すぐに無限庫インベントリから武器を取り出せるとは言え、武器を持たずに冒険に出掛けようと言うのは絶対に間違っていると思う。
 まぁ、階段から転げ落ちた時、手に武器を持っていなかったから逆に致命傷を負わなかったって可能性もあるのだが…。

 まぁ、反省はコレくらいにして、先ほど手に入れた『錆《さ》びた短剣』を右手に、『骸の魔銃』を左手に装備する。
 余談ではあるが、左手に魔銃を持っているのは、左手の方が命中率が高い気がしたからである。
 おそらく気の所為だと思うが…。
 何はともあれ、コレなら他人が見ても少しは格好良く見えるだろう、と思うのだが、この『錆びた短剣』ってのが微妙だ。

 って言うか、錆びてるだけに、斬り付けたら折れたりしないか心配である。
 しかし、『錆びた短剣』か…コレが長剣ロングソードだったら、もっと様になっていると思うのだが、長剣を持ってない今は無い物強請ねだりだから仕方がないか…。

 とりあえず、まぁ…ちゃんとした武器屋で買った訳じゃないし、何より拾い物なので文句は言えない。
 そもそも、此処ここで言った所でも誰も聞いてないし…ね。
 最悪、この『錆びた短剣』が折れたとしても、武器に関しては闘気剣オーラブレードがあるから何とかなるだろう。
 まぁ、持続時間が有限と言う欠点はあるが…。

 何はともあれ、階段を踏み外して落ちてきたとは言え2階に到着だ。
 って、アレ?少し離れた所に鼠がいる…もちろん3階にいた巨大鼠ではなく、2階にいた普通?の鼠だ。

 僕は骸の魔銃を鼠に向け、引き金を引く…のを止め、まずは戦い方を考える。
 選択肢として…『たたかう』『にげる』『アイテム』…あと何にしよう…。
 あ、〖神の目〗で、ステータスチェックってのも良いな。

 よし、ここは先生に教わった様に、対象を鼠にして神の目を起動する事から始めよう。
 最初に敵のステータスをチェックしておけば、戦略の幅も増えるかもしれない。
 そう思い、僕は〖神の目〗を使い鼠を見た。

◆◇◆◇◆◇◆

種族:灰鼠《グレーマウス》
Lv:2/5
HP:5/5 MP:3/3
攻撃:2 防御:2 魔法力:1 素早さ:5

技能スキル:〖魔法:灯火《とうか》〗

◆◇◆◇◆◇◆

 ふむふむ…どうやら、この灯火って魔法が危険な気がするんだが…と、更に注意して見ているのと追加で説明文が現れた。

【灯火…小さな炎を作り出す魔法、火種としても使われる。】

 へ~、火種ってのは便利そうだな…。

【特殊技能〖模倣《コピー》〗を起動しますか?】
【Yes/No】

 ん?〖模倣《コピー》〗って…確か、初めて使うヤツだよな?
 名前からして、そのままの意味でコピーだとすると、相手のスキルを覚えてるって事か?
 とは言え、いつものパターンで、違う事になりそうだから期待はしない様にして、コピー発動させてみようと思う。

 僕は、選択肢からYesを選ぶ。
 すると、次の瞬間…。

【〖模倣〗の起動を確認。】
【〖模倣〗の効果により、〖魔法:灯火〗を覚えた。】

 と、僕の頭の中に機械的な音声でシステムメッセージが流れるのだった…。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

おもちゃで遊ぶだけでスキル習得~世界最強の商人目指します~

暇人太一
ファンタジー
 大学生の星野陽一は高校生三人組に事故を起こされ重傷を負うも、その事故直後に異世界転移する。気づけばそこはテンプレ通りの白い空間で、説明された内容もありきたりな魔王軍討伐のための勇者召喚だった。  白い空間に一人残された陽一に別の女神様が近づき、モフモフを捜して完全復活させることを使命とし、勇者たちより十年早く転生させると言う。  勇者たちとは違い魔王軍は無視して好きにして良いという好待遇に、陽一は了承して異世界に転生することを決める。  転生後に授けられた職業は【トイストア】という万能チート職業だった。しかし世界の常識では『欠陥職業』と蔑まされて呼ばれる職業だったのだ。  それでも陽一が生み出すおもちゃは魔王の心をも鷲掴みにし、多くのモフモフに囲まれながら最強の商人になっていく。  魔術とスキルで無双し、モフモフと一緒におもちゃで遊んだり売ったりする話である。  小説家になろう様でも投稿始めました。

神々の間では異世界転移がブームらしいです。

はぐれメタボ
ファンタジー
第1部《漆黒の少女》 楠木 優香は神様によって異世界に送られる事になった。 理由は『最近流行ってるから』 数々のチートを手にした優香は、ユウと名を変えて、薬師兼冒険者として異世界で生きる事を決める。 優しくて単純な少女の異世界冒険譚。 第2部 《精霊の紋章》 ユウの冒険の裏で、田舎の少年エリオは多くの仲間と共に、世界の命運を掛けた戦いに身を投じて行く事になる。 それは、英雄に憧れた少年の英雄譚。 第3部 《交錯する戦場》 各国が手を結び結成された人類連合と邪神を奉じる魔王に率いられた魔族軍による戦争が始まった。 人間と魔族、様々な意思と策謀が交錯する群像劇。 第4部 《新たなる神話》 戦争が終結し、邪神の討伐を残すのみとなった。 連合からの依頼を受けたユウは、援軍を率いて勇者の後を追い邪神の神殿を目指す。 それは、この世界で最も新しい神話。

異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!

夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。 ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。 そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。 視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。 二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。 *カクヨムでも先行更新しております。

称号は神を土下座させた男。

春志乃
ファンタジー
「真尋くん! その人、そんなんだけど一応神様だよ! 偉い人なんだよ!」 「知るか。俺は常識を持ち合わせないクズにかける慈悲を持ち合わせてない。それにどうやら俺は死んだらしいのだから、刑務所も警察も法も無い。今ここでこいつを殺そうが生かそうが俺の自由だ。あいつが居ないなら地獄に落ちても同じだ。なあ、そうだろう? ティーンクトゥス」 「す、す、す、す、す、すみませんでしたあぁあああああああ!」 これは、馬鹿だけど憎み切れない神様ティーンクトゥスの為に剣と魔法、そして魔獣たちの息づくアーテル王国でチートが過ぎる男子高校生・水無月真尋が無自覚チートの親友・鈴木一路と共に神様の為と言いながら好き勝手に生きていく物語。 主人公は一途に幼馴染(女性)を想い続けます。話はゆっくり進んでいきます。 ※教会、神父、などが出てきますが実在するものとは一切関係ありません。 ※対応できない可能性がありますので、誤字脱字報告は不要です。 ※無断転載は厳に禁じます

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

ゴミスキルでもたくさん集めればチートになるのかもしれない

兎屋亀吉
ファンタジー
底辺冒険者クロードは転生者である。しかしチートはなにひとつ持たない。だが救いがないわけじゃなかった。その世界にはスキルと呼ばれる力を後天的に手に入れる手段があったのだ。迷宮の宝箱から出るスキルオーブ。それがあればスキル無双できると知ったクロードはチートスキルを手に入れるために、今日も薬草を摘むのであった。

異世界に転生した俺は元の世界に帰りたい……て思ってたけど気が付いたら世界最強になってました

ゆーき@書籍発売中
ファンタジー
ゲームが好きな俺、荒木優斗はある日、元クラスメイトの桜井幸太によって殺されてしまう。しかし、神のおかげで世界最高の力を持って別世界に転生することになる。ただ、神の未来視でも逮捕されないとでている桜井を逮捕させてあげるために元の世界に戻ることを決意する。元の世界に戻るため、〈転移〉の魔法を求めて異世界を無双する。ただ案外異世界ライフが楽しくてちょくちょくそのことを忘れてしまうが…… なろう、カクヨムでも投稿しています。

最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした

服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜 大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。  目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!  そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。  まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!  魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!

処理中です...