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~チュートリアル?~

17ページ目…宝箱の中身とは?

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 ちょっと情けないトラブルがあった物の、現在、僕は3階まで上がり無事に宝箱の前に立っている。
 否、そのまま開けて良いのか迷ってると言った方が正しいだろう。

 さて、物語か何かだと、この手の宝箱にはトラップが仕掛けられている事が多い。
 しかし、どう考えても、こんな初心者向けの場所でトラップなど仕掛けられているのだろうか?

 このまま開けて良いのかどうか…そう言えば、さっき先生が言ってたな。
 〖神の目〗は対象の事象を見る…だっけ?

 なので、僕は〖神の目〗を使い宝箱を見てみる事にした。

【宝箱】

 うん…宝箱だ…確かに宝箱に間違いは無いんだけど…さ。
 もうやだ、このパターン…。

 僕は泣きそうになるのをグッと我慢しつつ、意を決して宝箱を開ける事にする。
 仮にトラップが仕掛けられていたとしても、即死じゃなければ、なんとかなるだろう。

『ギ、ギィィィィ…。』

 どうやら、古い宝箱みたいでふたを開ける時に嫌な音が鳴った。
 宝箱の中は、残念ながら光の加減で見辛い、このままでは確認し辛いと判断した僕は、〖神の目〗を起動したまま、そっと宝箱の中を見た…。

【錆びた短剣、錆びた短剣、革の靴】

 以上、終わり!

「って、なんでやねんッ!」

 異世界に転移?させられ、更に命懸けで宝箱を守る魔物を倒し、階段を登る際に思い切り顎を打ち付け(不注意の為、自業自得)、泣きたいのをグッと我慢し、やっとの思いで開けた宝箱の中身がゴミ同然の物だった事に腹を立てて、僕は素足のまま宝箱を蹴飛ばしてしまった。

 もっとも、素足と言っても靴下だけは穿いている訳だが…。

『ドンガラガッシャン!』

「いって~~~~~ッ!!」

 宝箱を蹴飛ばした右脚に激痛が走る。
 怒りを物に当たるのは良くないって、じぃちゃんに教わってきた事を今更ながら思い出す。

 涙目になりながら…素足で宝箱固い物を蹴る物じゃないと、改めて思った。
 何故なら…足の指の骨が折れたのじゃないか?と思うほど痛い、痛すぎるのだ…。
 突発的な衝動とは言え、またもやバカな事をやってしまったと後悔した。

 って言うか、さっき宝箱の中に、革の靴があったんだから先に履い装備しておけば良かったな…。

 僕は痛い足を引き摺りながら宝箱から飛び散った装備を回収しに向かおうとして、何やら違和感があるのに気が付いた。
 その違和感が何なのか気になり、違和感の正体を探す様にキョロキョロと辺りを見渡す…すると…。

「見付けたッ!!」

 そう、それは先ほど蹴飛ばした宝箱があった場所…そこにはティッシュの箱ほどの大きさの穴が空いていた。

 今度こそ、罠の可能性が…いや、流石に宝箱を退けても発動しない罠は意味がない筈…。
 僕は恐る恐る、その穴を覗いてみた…。

 こ、これって…もしかして銃…なのか?
 穴の中には、骨…と言うか骸骨をモチーフにした様な銃が入っていた。
 僕は、その銃を手に取ろうとして、その手を止めた。
 〖神の目〗を発動させていた筈なのに、この銃には性能どころか名前が表示されていなかったのだ。

 はい!すでに皆さん、お分かりの様にまたポカをしてました。
 先ほど宝箱を蹴飛ばした際、僕は足を痛めました。
 その際、あまりの激痛に〖神の目〗を制御を放棄してました…つまり、〖神の目〗を解除していたって事だ。
 まぁ、その…なんだ、ごめんなさい!

 僕は改めて〖神の目〗を起動して銃を見る。

むくろ魔銃まがん

 最初、〖神の目〗で見た時は、骸の魔銃だったのだが、魔銃《まじゅう》の文字が気になり、そのまま見続けた結果、読み方と新たな説明文が出てきた。

【骸の魔銃…使用者の魔力を吸収し魔弾を撃ち出す魔銃です。】

 使用者の魔力…この場合、僕が使うと仮定した場合、僕のMPを使って魔弾を撃ち出す銃って事なのだろう。
 若干、呪われているんじゃないかと不安がある物のその記載はない…。
 故に、僕は恐る恐るその銃に手を伸ばしたのだった…。
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