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没落14
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「朱雀廊下に飛び出すのよ」
鬼女が襖を押し破るように廊下に出る。だが廊下に出た鬼女は金縛りにあったように固まっている。晴明の力が鬼女を縛っている。朱雀は押し寄せる式神と対峙する。
「私を庭に運び出すのよ」
鬼女を担ぐと戸板を突き破って庭に転げる。生垣から竜達が剣を構えて押し出してくる。鬼女を抱きかかえては戦えない。一斉に攻めてくる鎧武者を躱す。やはり竜が 後ろに控えている。
「しぶとい奴だ。だが今日で終わりだ」
竜の槍は手ごわい。押されているうちに鬼女と離れてしまっている。式神が鬼女の周りに集まってくる。鬼女はまだ金縛りが解けないようだ。遂に式神3人が担ぎ上げてしまう。朱雀も竜の槍に手こずって塀まで追い詰められている。やはり2人で来たのは間違いだ。だがどうなったのか担ぎ上げた鬼女を式神達が投げ出して転げている。鬼女は青白く光を帯びている。
「私を抱いて飛ぶのよ」
鬼女の声が聞こえてくるが怪我の後飛んだことがない。
「飛べると信じるの。大婆が力を貸してくれている」
大婆と繋がっていたのだ。朱雀は竜の槍を躱すとそのまま鎧を蹴って鬼女の元に転がる。飛べるだろうか。式神が8人、竜達が10人が取り囲んでいる。朱雀は鬼女を抱えると驚いた。何と重さを感じないのだ。
「何をしておるのじゃ。早く捕まえるのだ」
まるで雷のような晴明の声が響く。だが青白く光っている鬼女には通じないようだ。朱雀は鬼女を抱えると思い切って飛んだ。竜の槍が下から突き出されてくる。上がれなかったら鬼女とともに串刺しだ。だがふわりと浮き上がるとそのまま風に乗った。下に賀茂屋敷が見える。
「お婆の力を貰ったのだ。まだ思いのままにはならないけど。朱雀と組めば何とかなるわ」
「大婆は?」
「もう長くない。私は賀茂家を継ぐことをお婆に約束したわ。ただそのためには賀茂家にある賀茂信行の陰陽の巻を探さないといけない。これは彼が書き上げたが誰にも引き継がれていない」
「なぜですか?」
「世に残すのを恐れたのかもしれないと大婆が言っていたわ」
鬼女が襖を押し破るように廊下に出る。だが廊下に出た鬼女は金縛りにあったように固まっている。晴明の力が鬼女を縛っている。朱雀は押し寄せる式神と対峙する。
「私を庭に運び出すのよ」
鬼女を担ぐと戸板を突き破って庭に転げる。生垣から竜達が剣を構えて押し出してくる。鬼女を抱きかかえては戦えない。一斉に攻めてくる鎧武者を躱す。やはり竜が 後ろに控えている。
「しぶとい奴だ。だが今日で終わりだ」
竜の槍は手ごわい。押されているうちに鬼女と離れてしまっている。式神が鬼女の周りに集まってくる。鬼女はまだ金縛りが解けないようだ。遂に式神3人が担ぎ上げてしまう。朱雀も竜の槍に手こずって塀まで追い詰められている。やはり2人で来たのは間違いだ。だがどうなったのか担ぎ上げた鬼女を式神達が投げ出して転げている。鬼女は青白く光を帯びている。
「私を抱いて飛ぶのよ」
鬼女の声が聞こえてくるが怪我の後飛んだことがない。
「飛べると信じるの。大婆が力を貸してくれている」
大婆と繋がっていたのだ。朱雀は竜の槍を躱すとそのまま鎧を蹴って鬼女の元に転がる。飛べるだろうか。式神が8人、竜達が10人が取り囲んでいる。朱雀は鬼女を抱えると驚いた。何と重さを感じないのだ。
「何をしておるのじゃ。早く捕まえるのだ」
まるで雷のような晴明の声が響く。だが青白く光っている鬼女には通じないようだ。朱雀は鬼女を抱えると思い切って飛んだ。竜の槍が下から突き出されてくる。上がれなかったら鬼女とともに串刺しだ。だがふわりと浮き上がるとそのまま風に乗った。下に賀茂屋敷が見える。
「お婆の力を貰ったのだ。まだ思いのままにはならないけど。朱雀と組めば何とかなるわ」
「大婆は?」
「もう長くない。私は賀茂家を継ぐことをお婆に約束したわ。ただそのためには賀茂家にある賀茂信行の陰陽の巻を探さないといけない。これは彼が書き上げたが誰にも引き継がれていない」
「なぜですか?」
「世に残すのを恐れたのかもしれないと大婆が言っていたわ」
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