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変遷15
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分かれ道は源爺が作った偽の道だ。本当の分かれ道はもっと高いところにある。凛は示し合わせていたように獣道を谷まで降りたところで鉄砲を構えている。凛が一人その中を転がるように駆けてくる。後ろには服部が20人ほど続いている。鉄砲が火を噴く。服部がさっと木陰に消える。
「時間が経てば服部の本隊が登ってくる。火薬は?」
「さほど残っていません」
「姉さんどうする?」
「谷から尾根道に戻るしかない」
服部の銃声が轟く。30艇はある。移動を始めるがバタバタと倒されていく。確実に囲まれ始めている。半刻が経ち山の上に更に忍軍が登ってきている。ここに半蔵の父がいるようだ。茉緒は鉄砲の飛距離まで這っていく。昔そうして腕を打ったことがある。狙を定めるがそれより前に背中に玉を受けて体が飛ばされる。すでに囲まれている。
「茉緒走り抜けるのだ」
声が聞こえた。そろりの声だ。思わず茉緒も叫んだ。
「凛今だ走り抜けるのだ!」
だが体が動かない。急に至る森から人が降ってくる。服部にその群れが襲いかかっている。凛たちは傾斜を登っている。視野が真っ暗になる。
お終いだ。
「時間が経てば服部の本隊が登ってくる。火薬は?」
「さほど残っていません」
「姉さんどうする?」
「谷から尾根道に戻るしかない」
服部の銃声が轟く。30艇はある。移動を始めるがバタバタと倒されていく。確実に囲まれ始めている。半刻が経ち山の上に更に忍軍が登ってきている。ここに半蔵の父がいるようだ。茉緒は鉄砲の飛距離まで這っていく。昔そうして腕を打ったことがある。狙を定めるがそれより前に背中に玉を受けて体が飛ばされる。すでに囲まれている。
「茉緒走り抜けるのだ」
声が聞こえた。そろりの声だ。思わず茉緒も叫んだ。
「凛今だ走り抜けるのだ!」
だが体が動かない。急に至る森から人が降ってくる。服部にその群れが襲いかかっている。凛たちは傾斜を登っている。視野が真っ暗になる。
お終いだ。
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