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抜け忍村1
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「どうしたの?」
またうなされて目が覚める。最近は猛火の中の夢を見る。急に襖があいて煙とともに黒い影が入ってくる。影は茉緒を抱えると床の中に潜る。あの床の中に洞穴が掘られている。横腹からねっとりと血が流れている。穴倉を抜けると小川に出る。
「また夢を見た」
コツコツと戸を叩く音がする。まだ夜は明けていない。茉緒と凛は目を配って剣を握ると戸に手をかける。源爺が珍しく覆面姿で現れる。
「どうしたのですか?」
「あの柳生の兄の正体が分かったのだ」
凛は源爺に水をくむ。
「もう15年前だがな、藤林の大火の探索を頼まれた。その時に奴が塀を飛び越えるところに出くわした。一刀を浴びせられたがあれは柳生の剣だった」
「裏柳生?」
「服部の依頼を受けて抜け忍村を調べに来た。服部は抜け忍村を消したいと考えているわ。片目の以蔵も馬鹿な男だ。彼らを出すと抜け忍村はなくなる」
最近は茉緒を中心にわっぱ組が出来て、男女合わせて11人の仲間がいる。
「凛はあの女を見張らせるんだ」
「男は私が見張ろう」
またうなされて目が覚める。最近は猛火の中の夢を見る。急に襖があいて煙とともに黒い影が入ってくる。影は茉緒を抱えると床の中に潜る。あの床の中に洞穴が掘られている。横腹からねっとりと血が流れている。穴倉を抜けると小川に出る。
「また夢を見た」
コツコツと戸を叩く音がする。まだ夜は明けていない。茉緒と凛は目を配って剣を握ると戸に手をかける。源爺が珍しく覆面姿で現れる。
「どうしたのですか?」
「あの柳生の兄の正体が分かったのだ」
凛は源爺に水をくむ。
「もう15年前だがな、藤林の大火の探索を頼まれた。その時に奴が塀を飛び越えるところに出くわした。一刀を浴びせられたがあれは柳生の剣だった」
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「男は私が見張ろう」
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