当たり屋

夢人

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不意打ち9

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 開発会社は宣伝広告費に大きく幻の地下商店街にかけている。残念ながら広告では完敗だ。テレビでも1時間ワイド番組を入れて牙の作った企画を大池社長が説明している。彼もこのシステムの特許申請をしている。
 花田は自社株を買い上げている。すでに品薄状態で株価は急騰をしている。
 牙は最近どうも人に付けられているような気がしている。まさか花田か専務が今回の臨時株主総会の後ろに牙がいるのを掴んだのか?だが花田の盗撮器が外されたこともない。それともシステムの主任が牙を付けているのか。萩之茶屋の通りを急に路地に入る。
「ゴンさんか?」
 黙って飯屋を指す。
「なぜ付ける?」
「牙だから言うわ。北署からの依頼だ。例の裏金の盗難でお前の名が挙がっている。もちろん7人のうちの一人だがな」
 まさかこんなことが起こるとは思わなかった。すでに美貴のパソコンの小型カメラとは切断している。
「どこまで?」
「お前が元創業者社長とはな?」
 さすがに警察だ。ホームページには創業者は消されている。
「どう報告を?」
「当たり屋の牙と」
 それだけ言うと肩をポンと叩いて出て行った。絶対に表に出ては駄目だとさらに覚悟した。もちろん社長以外には変装の顔しか見せていない。部屋に戻ると買ってきたおでんを小鍋に入れて缶ビールを抜く。それから慎重に美貴のパソコンにアクセスする。これは万が一の時と入手していた新型ウイルスだ。
 牙は創業時ウイルス対策には力を入れていた。それで逆にウイルスの研究をしていたのだ。このウイルスは侵入して奪うものではなくすべてを破壊する珍しいものだ。これは茂さんの協力で使っていない古いパソコンを経由して発信をした。








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