当たり屋

夢人

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踏み出す7

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 今日は久しぶりにYOUと街路電車の見える喫茶店でモーニングを食べている。YOUは興行用のトランクを引っ張っている。昼から秋葉原に1週間出張だ。
「楽しいか?」
「うん、でも私はこれからどうなるか心配だよ」
 最近はうちとは言わず私と言うようになっている。会話の訓練も受けていると言う。
「ネットで見たら5人のうちリーダーの女の子とYOUが一番人気だな?」
「リーダーは最初から歌手志望で踊りもずっと訓練してきた。私は歌はだめだめだわ」
「兄貴のメール見ただろ?」
「殺されるのではなく捕まってほしい。心配なのは兄貴は私の裸の写真をたくさん持っているの」
 少し変わってきたようだ。
「縁を切っておかないとダメだな?」
 そうしないとYOUは先が危ぶまれる。どうするか。
 YOUはスマホでメンバーと話してトランクを引っ張って出て行く。牙はスマホで花田の部屋を覗く。専務は裁判が始まっていて留置場の中だ。美貴はまだ病院にいる。珍しく大池社長が来ている。
「もう限界だわ」
 これは今回は飛ばしができないと言っている。
「裁判を早く和解させるのだな?こちらの税理士と話をしたのだが、今回増資をすることになった。だから無理をしても飛ばしをしてくれ?その金で10億君の株を買おう」
「そうね。ありがたいわ。出来たら買い取ってもらえたらもっとありがたい。講師だけの方が楽だわ」
「それも考えておこう」
 花田は会社を売りとばそうとしている。メールが入っている。メインバンクの審査部長だ。
「ファイナンスの方が20億融資のOKが出た。条件は15億は銀行に返金することだ。返事をくれ?」
 どうもリスクを減らそうとしているようだ。










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