21 / 171
振出10
しおりを挟む
『アゲと言います。正一社長からそちらの仕事を振られましたよろしく!女です。腕はいいですよ。まずは挨拶代わりに』
と畠山のアドレス帳を送ってきた。そこには専務のアドレスもある。これは会社用のものだ。
『頼もしいな。このアドレスの中にも入ってくれ』
とアゲに返信すると時計を見る。
夜の8時に北浜で前の証券会社の上場チームの一人に会う。前回の移動で大阪支店の営業に配置されている。彼は新人でよく飲みに行った仲だった。
支店の玄関で顔を合わせて彼の行きつけの居酒屋に行く。
「行方不明と聞いてましたが?」
「いや巻き込まれたくなかったからな」
「就職は?」
「ぶらぶらしている」
「畠山課長がライブの株で何億かを手にしたと噂していますよ」
「勝手に振り込まれた5000万は調査部にとられた」
「そうなんですか」
「会社はどう?」
「ライブの会長が作ったクラブの会員を上場させていくようです。それで積極的に出資をしていますよ。ネット証券は伸びていて従来の顧客はグーンと減って。専務は現場では社長のようにふるまってますよ。ほとんどライブにばかり行ってますね」
と営業マンの推奨株のリストを見せる。
「まるで未公開株の詐欺師のような営業です。今他の証券会社の面接を受けています。営業は大半同じ状態です」
「専務が乗っ取ったんだな。社長は?」
「カジノに通いづめという噂です」
「会長は?」
「ほとんど会社には出て来られていません」
と畠山のアドレス帳を送ってきた。そこには専務のアドレスもある。これは会社用のものだ。
『頼もしいな。このアドレスの中にも入ってくれ』
とアゲに返信すると時計を見る。
夜の8時に北浜で前の証券会社の上場チームの一人に会う。前回の移動で大阪支店の営業に配置されている。彼は新人でよく飲みに行った仲だった。
支店の玄関で顔を合わせて彼の行きつけの居酒屋に行く。
「行方不明と聞いてましたが?」
「いや巻き込まれたくなかったからな」
「就職は?」
「ぶらぶらしている」
「畠山課長がライブの株で何億かを手にしたと噂していますよ」
「勝手に振り込まれた5000万は調査部にとられた」
「そうなんですか」
「会社はどう?」
「ライブの会長が作ったクラブの会員を上場させていくようです。それで積極的に出資をしていますよ。ネット証券は伸びていて従来の顧客はグーンと減って。専務は現場では社長のようにふるまってますよ。ほとんどライブにばかり行ってますね」
と営業マンの推奨株のリストを見せる。
「まるで未公開株の詐欺師のような営業です。今他の証券会社の面接を受けています。営業は大半同じ状態です」
「専務が乗っ取ったんだな。社長は?」
「カジノに通いづめという噂です」
「会長は?」
「ほとんど会社には出て来られていません」
0
お気に入りに追加
2
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる