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遠征5
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この3日間サンベット王とカトマンズの王とそれぞれ大臣が通商契約の打ち合わせに入った。今回はヒデが王のそばに付き添った。茉緒は下忍を街に放って調査を続けている。茉緒自身も馬に跨って弟の住む街に走らせた。カトマンズの境は砂漠が横たわっている。だが砂漠の中に踏み固められた道が続いている。
2刻ほどで小ぶりな街に着く。茉緒は商人の格好で街に入る。あまり豊かではなさそうだ。だが館は街に比べ立派だ。茉緒は黒装束に変えると館に潜る。広間にやせ形のカトマンズの王とは違って大柄の男が座っている。
「お前はそこまでしてハル王女が欲しいのか?」
と言われたあの若い息子が座っている。あの騎馬部隊の隊長だ。
「勝負に勝ったらハル王女を」
「すでに果たし合いの文を届けてあるわ。だが兄は受け入れない。確かに元気となったと言え女だ。兄は私に勝ったこともない。ひ弱な体質だ」
どうもハル王女に試合を申し込んでいるようだ。
「断ってくれば攻める言い訳にはなろうな」
茉緒が天井から出た時に鋭い矢が飛んできた。躱すと広場に降りる。弓を構えているのはなかなかの腕だ。
「女官としては凄い腕ね?この茂みに入って?」
前を走る女の足も速い。カトマンズにも忍者がいるようだ。茂みの中を抜けると馬を泊めたところに出る。2頭が並んで草を食んでいる。
「ハル王女?」
「女官の名前は?」
「茉緒です」
2刻ほどで小ぶりな街に着く。茉緒は商人の格好で街に入る。あまり豊かではなさそうだ。だが館は街に比べ立派だ。茉緒は黒装束に変えると館に潜る。広間にやせ形のカトマンズの王とは違って大柄の男が座っている。
「お前はそこまでしてハル王女が欲しいのか?」
と言われたあの若い息子が座っている。あの騎馬部隊の隊長だ。
「勝負に勝ったらハル王女を」
「すでに果たし合いの文を届けてあるわ。だが兄は受け入れない。確かに元気となったと言え女だ。兄は私に勝ったこともない。ひ弱な体質だ」
どうもハル王女に試合を申し込んでいるようだ。
「断ってくれば攻める言い訳にはなろうな」
茉緒が天井から出た時に鋭い矢が飛んできた。躱すと広場に降りる。弓を構えているのはなかなかの腕だ。
「女官としては凄い腕ね?この茂みに入って?」
前を走る女の足も速い。カトマンズにも忍者がいるようだ。茂みの中を抜けると馬を泊めたところに出る。2頭が並んで草を食んでいる。
「ハル王女?」
「女官の名前は?」
「茉緒です」
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