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植民地5

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 夜のうちに今いる下忍を百人集めた。茉緒の頭の中は次の展開を考えている。5人の男たちを防ぐのにまず20人を配置する。それから九郎に近衛軍を開拓地から5百を集め夜のうちに荷車で館の火薬と鉄砲、財産を運び出して昔に使った国境近くの砦に運び込む。
 同時に館は全ての人間が朝までに外に出て行く準備に入っている。軍艦による爆破はもう止めれない。百の軍が朝押しかけて来るのに戦うのは逆にマイナスだ。合わせて近衛軍を出してアユタヤの王宮も巻き込むことは出来ない。それらはイギリスの介入させる。
 慌ただしい夜の動きでいよいよ本番の朝が来た。
「5人は造船所前で阻止し2人を倒しました」
と報告が入った。それから半刻後岬の館の最上階が大砲で吹き飛ばされた。と同時に王宮から花火が上がった。九郎には砦には入らずリーと王を訪ねさせている。今回の打つ手を誤ればアユタヤの植民地はあると茉緒は考えている。すでに少佐を先頭にイギリス軍の騎馬隊が館の前に到着している。だが門は閉まったままだ。
 門の前に固まっているところに砂煙が上がる。先頭にはサンベット王と九郎が騎馬で駈けてくる。近衛軍2千がイギリス軍を取り巻く。
「王が岬の館を撤収する」
と九郎が大声を上げて門を開いて兵を入れる。
「茉緒は統括部長の殺人罪で・・・」
 少佐ではここまで言うのが精一杯のようだ。
「ここは近衛軍の前線基地とする。茉緒に付いては調査し判断する」
「本国の・・・」
「まずアユタヤがアユタヤの法で裁く」
 茉緒は近衛軍に紛れてこの会話を聞いている。これは褒めないといけないと思わず微笑む。







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