94 / 233
和寇5
しおりを挟む
丸一日海を漂っていると大きな島影が見えた。
「この辺りは高雄からは離れた漁港で、和寇の船も見られません」
「まずは先発隊を降ろして南蛮船はここで停泊する」
「儂は降りるぞ!」
と果心がもう義足を嵌めている。義足ではあるが誰よりも足は速い。恐らく茉緒も今でも勝てない相手だ。小舟に果心と九郎と下忍が10人乗り降りる。漁港には漁民がいるがこちらは商人の恰好をしているので注意をされていない。ここから山道を歩き高雄の街に入る。
ここには下忍も何度も交易で来ていて言葉も使えるし宿も馴染みのところがある。宿に着くと茉緒は下忍を連れて先に着いただろう南蛮船の宿を訪ねる。高雄は思ったよう大きな港町だ。夜になって宿に潜り込む。
「茉緒だ」
「どうぞ。市に荷を下ろして新しい荷を仕入れているところです。下忍はここの和寇の本拠地を見つけて3人が忍び込んでいます」
と言って地図を広げる。
「この港の西側の港に和寇の船が2百隻がいます。その手前が遊郭で山側が城になっています。ここは今調査中です。だがこの町がすべて和寇の支配下ではないようです。街はこの国の役場があります」
「九郎、明日はこの遊郭を調べてくれ。それに街に残りの下忍を出して情報を集めるのだ。私は城に忍び込む。果心はどこに?」
「すでに部屋にはおられません」
「荷は早く買い込み積み込んでおくように」
「茉緒さまは?」
「ここが済めば日本に寄る」
源じいをアユタヤに連れてきたいと考えている。
「この辺りは高雄からは離れた漁港で、和寇の船も見られません」
「まずは先発隊を降ろして南蛮船はここで停泊する」
「儂は降りるぞ!」
と果心がもう義足を嵌めている。義足ではあるが誰よりも足は速い。恐らく茉緒も今でも勝てない相手だ。小舟に果心と九郎と下忍が10人乗り降りる。漁港には漁民がいるがこちらは商人の恰好をしているので注意をされていない。ここから山道を歩き高雄の街に入る。
ここには下忍も何度も交易で来ていて言葉も使えるし宿も馴染みのところがある。宿に着くと茉緒は下忍を連れて先に着いただろう南蛮船の宿を訪ねる。高雄は思ったよう大きな港町だ。夜になって宿に潜り込む。
「茉緒だ」
「どうぞ。市に荷を下ろして新しい荷を仕入れているところです。下忍はここの和寇の本拠地を見つけて3人が忍び込んでいます」
と言って地図を広げる。
「この港の西側の港に和寇の船が2百隻がいます。その手前が遊郭で山側が城になっています。ここは今調査中です。だがこの町がすべて和寇の支配下ではないようです。街はこの国の役場があります」
「九郎、明日はこの遊郭を調べてくれ。それに街に残りの下忍を出して情報を集めるのだ。私は城に忍び込む。果心はどこに?」
「すでに部屋にはおられません」
「荷は早く買い込み積み込んでおくように」
「茉緒さまは?」
「ここが済めば日本に寄る」
源じいをアユタヤに連れてきたいと考えている。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
ヴィクトリアンメイドは夕陽に素肌を晒す
矢木羽研
歴史・時代
カメラが普及し始めたヴィクトリア朝のイギリスにて。
はじめて写真のモデルになるメイドが、主人の言葉で次第に脱がされていき……
メイドと主の織りなす官能の世界です。
令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました
フルーツパフェ
大衆娯楽
とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。
曰く、全校生徒はパンツを履くこと。
生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?
史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。
GAME CHANGER 日本帝国1945からの逆襲
俊也
歴史・時代
時は1945年3月、敗色濃厚の日本軍。
今まさに沖縄に侵攻せんとする圧倒的戦力のアメリカ陸海軍を前に、日本の指導者達は若者達による航空機の自爆攻撃…特攻 で事態を打開しようとしていた。
「バカかお前ら、本当に戦争に勝つ気があるのか!?」
その男はただの学徒兵にも関わらず、平然とそう言い放ち特攻出撃を拒否した。
当初は困惑し怒り狂う日本海軍上層部であったが…!?
姉妹作「新訳 零戦戦記」共々宜しくお願い致します。
共に
第8回歴史時代小説参加しました!
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる