夢追い旅

夢人

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ワゴン

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  夜は交代交替で見張りをした。夕食は洋風のレストランで二人でお酒も飲んでいた。カラオケルームでもデュエット曲を何度も歌っている。目立ちすぎる行動が気にかかる。夜も寝ないでこちらは交互に部屋を覗く。完全な寝不足だ。
「こういう職業には付きたくない」
 つい愚痴がこぼれる。
 朝、確認の電話を入れる。とくに何もないというが途中で相談役の声に変わる。
「鈴木さんが帰って来るよ」
と言う。
「私の上司ですかね?」
「いや、不動産事業部長だよ」
「本丸に突入ですか?」
「これはM銀行の意志だ。会長との話で決まったようだ。息子もついでに課長で戻ってきた」
「よかったですね」
「出来たら戻ってきて手伝ってやってほしいんだが?」
「出来るだけ早く済ませて戻ります」
 携帯を欠伸をこらえながら切る。
 轟が目をしょぼしょぼさせて部屋に戻ってくる。
「今朝ごはんをわざわざレストランでとっている。どうも気づいているかもしれないな」
「張り込みを止めるか?」
「こういう時はワンチャンスにかけるか。粘り勝ちというやつよ」
「そういうのは得意じゃないな」
「でもな、何かするために熱海まで来ているはずだ」
「何かをするためにか」
 周平はご飯をかけこむと、レストランのに向かった。轟の言うように仲睦まじくまだ食事をしている。周平は思い出して、地下の駐車場を覗いた。ちょうどあのワゴンが入ってきた。食事後は動く気なのか。轟に連絡を入れた。温泉に来て二人ともまだ温泉に浸かっていない。
「あのワゴンは夜は?」
 警備員に尋ねる。
「夜はいなかったですね。送迎ですかね」








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