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誘拐
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夜に轟と合流した。
兄貴の組事務所の見えるラブホテルに男が二人双眼鏡を手に苦笑いしている。
「どう?」
「柳沢の姿も兄貴の姿もない。あの車も見当たらない。さっき刑事崩れに店を覗いてもらった。朝から二人して車で出掛けたままということ」
「Kジャーナルの記者からはあの記事を持ち込んだのは加瀬に間違いないと確認した。彼奴も馬鹿なやつだ。専務と交渉しようと出してはいけない札を出した」
「サラリーマン社会も難しいんだな」
「会長も元々労働貴族だ。舅の取締役もそうだ」
「なぜ、専務は社長派に?」
「会長とライバルだった。それに会長に社長争いで負けた」
「なるほどね。恐るべしだな」
「誰か出てきたぞ」
大きなバックを抱えたブラウンの髪の女だ。
「ケイ君が捕まらなくて、彼女に応援を頼んだんだ。何しろそちらのファンだからな」
ロシアの少女だ。しばらく会っていない。
ノックの音がして、慣れた手つきでドアを開けて入ってくる。
「心配したよ」
手を挙げて入ってくる。
「キスの前に報告だぜ」
轟が笑っている。
「ママがボスと電話で話したって言ってました。もうすぐ戻って来るようですよ」
「柳沢は知ってる?」
「ママの彼氏ですね。近くのホテルに泊まるって言ってました」
バックからハンバーグを出してきて、唇が吸い付いてくる。
「おい見ろよ。車が戻ってきた」
降りてきたのは兄貴一人である。
兄貴の組事務所の見えるラブホテルに男が二人双眼鏡を手に苦笑いしている。
「どう?」
「柳沢の姿も兄貴の姿もない。あの車も見当たらない。さっき刑事崩れに店を覗いてもらった。朝から二人して車で出掛けたままということ」
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「会長も元々労働貴族だ。舅の取締役もそうだ」
「なぜ、専務は社長派に?」
「会長とライバルだった。それに会長に社長争いで負けた」
「なるほどね。恐るべしだな」
「誰か出てきたぞ」
大きなバックを抱えたブラウンの髪の女だ。
「ケイ君が捕まらなくて、彼女に応援を頼んだんだ。何しろそちらのファンだからな」
ロシアの少女だ。しばらく会っていない。
ノックの音がして、慣れた手つきでドアを開けて入ってくる。
「心配したよ」
手を挙げて入ってくる。
「キスの前に報告だぜ」
轟が笑っている。
「ママがボスと電話で話したって言ってました。もうすぐ戻って来るようですよ」
「柳沢は知ってる?」
「ママの彼氏ですね。近くのホテルに泊まるって言ってました」
バックからハンバーグを出してきて、唇が吸い付いてくる。
「おい見ろよ。車が戻ってきた」
降りてきたのは兄貴一人である。
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