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if story アルサーラー編(真)

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男湯で談笑中、同時刻女湯にて



「にしても広いねー、本当に適当に選んだ旅館だったけど大正解だね。ほとんど誰もいないし、貸し切り状態みたい」

 ジュナさんは「ほら、見て見て~」と広い温泉で泳いで見せました。全く、ここは温泉なのですから少しは大人しくして欲しいものです。温泉で泳いではいけません。

「あーあ、ユーリさんも一緒だったら良かったのにな~…」
「もう…わがまま言わないでください。確かにユーリさんとのお別れは残念でしたが、彼女は旅の目的を無事に果たしたのです。私達の都合であれ以上迷惑をかける訳にはいけません」

 あれからユーリさんがどうしたのか、どこへ向かったのかは分かりません。けれど強い彼女ならばきっと大丈夫、幸せに暮らしていけるでしょう。
 旅を終え…その先…。

「ところでジュナさん」
「んー?」
「この旅が終わったらジュナさんはどうします?ハンターの目標であった一級指定の討伐は完了してしまいましたし…」

 私達が一級指定を討伐した後、ジュナさんとレイさんは密かにハンター協会から勲章を受け取り、最高のハンターとして認められています。
 ハンターになってから長い年月をかけて情報収集と経験値を稼ぎ続けたジュナさんとレイさん。ハンターの最終目標と言われている一級指定怪奇の討伐が終わってしまった今、二人はこの先どうするのか。

「そうだね…ハンターは好きだし、このまま続けようかなって思ってたけど…」
「けど?」

 ジュナさんは何やらモジモジしています。いつも勢いだけの彼女らしくありませんね、トイレでしょうか。

「べっ、別の道に進むのも良いかな…って。最近思って…叶うかは分かんないけどさ…」
「そう…ですか。私はジュナさんが何をしようとも全力で応援しますね」
「うん、ありがとう」
「それで…その別の道ってー」
「あ、え、わ、私…先に上がるね!」
「あ、ジュナさ~ん」

 急に会話を振り切り、何か慌てた様子で逃げるように脱衣場の方へ行ってしまいました。やはりトイレでしょうか。少し顔も赤かったように見えますし、のぼせてしまったのでしょうか。
 何はともあれ、先程も言った通り私はジュナさんのやりたい事は全力で応援します。同じ魔道士として、一人の親友として。

「どこへ行っても…忘れません。心は一緒ですよ」

 露天風呂で満天の星空を見上げながら、私は一人呟いのでした。
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