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アルサーラー編
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「ぐっ…!」
「はははっ!どうしたディアボロス!覇気が乱れてるぞ?」
覇気を纏うディアボロスとの近距離戦は不利。なので一定の距離を保ちながら炎魔法で炙り続けている。俺の炎魔法も初期の頃とだいぶ火力が違う、最初は赤かった炎が今では真っ青だ。炎の飛ぶ速度も比べら物にならないほど早くなっている。
「くっ…僕を…侮るな!」
ディアボロスは炎に応戦しつつ覇気を分断させ、ソレを鞭のようにしならせて俺を攻撃する。かなり速い攻撃だが、強化魔法のおかげで難無くかわす事ができる。残念ながらディアボロスの攻撃は俺に一撃も当たる事無く、辺りの地形を変えただけに終わった。
「規格外の化け物に成長しやがって…ニーズヘッグめ、余計な事をしてくれた」
俺の魔法に苦戦を強いられるディアボロス。そろそろ覇気の力も底を尽きるだろう。それに対して俺はまだまだ魔力が残っている。数十人分のストックを有しているため魔力切れは無い。勝利は明白だ。
「そろそろお別れの時間だな、ディアボロス」
「ハァ…ハァ…ふざ…けるなよ…人間風情が」
「へぇ、まだ減らず口を叩く余裕があるのか」
そうだ、せっかくならトドメは彼らに任せよう。今の俺の召喚魔法ならば呼び出せるはずだ。俺は自分の左右に魔法陣を一つずつ発生させる。右の魔法陣からはキマイラ、左の魔法陣からはメデューサを召喚した。
「んなっ!?…お前まさか」
「あぁ、そうだよ。お前のかつての仲間さ」
俺は指をパチンと鳴らした。それを合図にキマイラとメデューサが同時にディアボロスに襲いかかる。
「かつての仲間に食い破られて死ね」
キマイラの獅子の頭とメデューサの蛇が同時にディアボロスに噛み付く。ディアボロスは必死に覇気で身を守ろうとするが、かなり微量の程しか出ておらず、今ではもはや何の意味も無い。牙が覇気を貫通してディアボロスの体を容赦なく襲う。
「があああ!!やめろ!目を覚ませお前ら!」
「無駄だ。コイツらはお前の知っている二匹じゃない。お前の声は届かない」
ディアボロスは二匹に食われながら荒々しく声を上げる。辺りに肉片や血が飛び散り、それに比例するかのようにディアボロスの声や抵抗が徐々に小さくなっていった。やがてディアボロスから何の音も声も聞こえなくなったので、二匹を魔法陣の中に戻した。
ディアボロスの亡骸はとても見られたような惨状では無かった。全身の至る所が食い尽くされ、もはやディアボロスなのかも分からない。あまり触りたくなかったが、俺はある物を探すために嫌々肉片を漁った。
「…あった」
掻き分けた肉片の中で見つけた一つの球体。それを握りしめ、体の中にソレが入るのを感じる。
俺はやっと正式にディアボロスの加護を手に入れた。
「はははっ!どうしたディアボロス!覇気が乱れてるぞ?」
覇気を纏うディアボロスとの近距離戦は不利。なので一定の距離を保ちながら炎魔法で炙り続けている。俺の炎魔法も初期の頃とだいぶ火力が違う、最初は赤かった炎が今では真っ青だ。炎の飛ぶ速度も比べら物にならないほど早くなっている。
「くっ…僕を…侮るな!」
ディアボロスは炎に応戦しつつ覇気を分断させ、ソレを鞭のようにしならせて俺を攻撃する。かなり速い攻撃だが、強化魔法のおかげで難無くかわす事ができる。残念ながらディアボロスの攻撃は俺に一撃も当たる事無く、辺りの地形を変えただけに終わった。
「規格外の化け物に成長しやがって…ニーズヘッグめ、余計な事をしてくれた」
俺の魔法に苦戦を強いられるディアボロス。そろそろ覇気の力も底を尽きるだろう。それに対して俺はまだまだ魔力が残っている。数十人分のストックを有しているため魔力切れは無い。勝利は明白だ。
「そろそろお別れの時間だな、ディアボロス」
「ハァ…ハァ…ふざ…けるなよ…人間風情が」
「へぇ、まだ減らず口を叩く余裕があるのか」
そうだ、せっかくならトドメは彼らに任せよう。今の俺の召喚魔法ならば呼び出せるはずだ。俺は自分の左右に魔法陣を一つずつ発生させる。右の魔法陣からはキマイラ、左の魔法陣からはメデューサを召喚した。
「んなっ!?…お前まさか」
「あぁ、そうだよ。お前のかつての仲間さ」
俺は指をパチンと鳴らした。それを合図にキマイラとメデューサが同時にディアボロスに襲いかかる。
「かつての仲間に食い破られて死ね」
キマイラの獅子の頭とメデューサの蛇が同時にディアボロスに噛み付く。ディアボロスは必死に覇気で身を守ろうとするが、かなり微量の程しか出ておらず、今ではもはや何の意味も無い。牙が覇気を貫通してディアボロスの体を容赦なく襲う。
「があああ!!やめろ!目を覚ませお前ら!」
「無駄だ。コイツらはお前の知っている二匹じゃない。お前の声は届かない」
ディアボロスは二匹に食われながら荒々しく声を上げる。辺りに肉片や血が飛び散り、それに比例するかのようにディアボロスの声や抵抗が徐々に小さくなっていった。やがてディアボロスから何の音も声も聞こえなくなったので、二匹を魔法陣の中に戻した。
ディアボロスの亡骸はとても見られたような惨状では無かった。全身の至る所が食い尽くされ、もはやディアボロスなのかも分からない。あまり触りたくなかったが、俺はある物を探すために嫌々肉片を漁った。
「…あった」
掻き分けた肉片の中で見つけた一つの球体。それを握りしめ、体の中にソレが入るのを感じる。
俺はやっと正式にディアボロスの加護を手に入れた。
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