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ドラゴンスレイヤー編

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「…これで十二体目」

 レイのピストルが宙を羽ばたいていたハーピーを撃ち抜いた。最深部までの周り道、辿り始めたばかりだと言うのに異様な数の怪奇に襲われ続けている。

「確かに教祖団の方々はいないようですけれど…」
「これは…キツイな」

 既に俺達六人は
スライムを三十二体
ゴブリンを二十一体
インプを十体
オーガを十五体
ゴーレムを七体
 そして先程のハーピーで十二体。既に百体近くの怪奇を討伐していた。

「倒しても倒しても出てくる…これじゃ魔力が持たないよぉ…キョウくん何とかならないの?」
「何とかと言われても…あっ」

 ジュナに無理を言われて思い出した。わざわざ炎や雷で自ら戦わなくても、代わりに戦ってくれる者を呼べば良いじゃないか。

「召喚魔法、発動!」
『おー』

 自然に巻き起こる拍手喝采。即座に魔法陣が現れ、そこから数体の怪奇が召喚された。オーガが三体とゴブリンが六体だ。これで多少は進む手間が省ける。

〈ほほぅ、召喚魔法。キマイラの物だな、よく扱えているじゃないか〉
(そりゃどうも)
〈もっと鍛錬すれば僕と同等の怪奇をも召喚できるかもね〉

 ディアボロスと同等。それほどの怪奇をポンポン出せてしまったら後々怖そうだ。
 何はともあれ俺の召喚魔法により、進むペースをだいぶ早くできた。そして俺達はとうとう竜の都の最深部へと到達したのだ。
 魔境地帯の西の外れ、「竜の都」。そこは

「…崖?」

 これより先の道が無く、崖になっている。行き止まりだ。細々とした岩山がいくつかあり、崖の下を見てみるとと底が見えない。永遠と暗闇が広がっている。

「貴様ら、ここで何をしている」

 背後から聞き覚えの無い声が聞こえた。振り返ると三人の男女。一人の男性と二人の女性が立っていた。おそらくは彼らが噂の…

「あれ~?あれれ~?そこにいるのって前に追放された女じゃん!確か…ユーリとか言ったっけ?」
「いけませんよ、ユーリさん。そんな薄汚れた体でこの神聖な場所に来ないでください」
「まぁまぁ、落ち着けよカレン、クレア。ちょうどいいじゃねぇか~。せっかくここまで来てくれたんだぜ?」

 サルダは己の腰につけていた刀を抜いた。途端に刀の刃は青白い炎に包まれた。彼の炎魔法の一端であろう。

「生贄にでもなってもらおうじゃねぇか。ニーズヘッグ様のな」
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