14 / 47
日常
噂
しおりを挟む
「おはよう~」
ザワ…ザワ…
「ん?」
俺が教室に入った途端、異様な空気が流れる。クラスメイト達の視線もどこか鋭く感じる。
「ちょっと佐神くん!」
「あ、委員長おはよう」
ようやく朝一に俺と挨拶を交わしてくれたのは、このクラスの学級委員長である横塚だ。
「ちょっと君の噂について聞きたいんだけど」
「噂?」
どうせ噂なんて万引きやら誰々と付き合っているやら、根も葉もない、何の核心にもついていない物。そう思っていたのだが。
「佐神くんが女児を誘拐して監禁してるって噂」
「あびゃああああああああああああああああ」
めちゃくちゃ核心をついていた物だった。
「え…嘘…本当なの?」
「ちちちち違う!断じて!…いや、断じては…さすがにちょっと嘘かぁ…?いやでも決して犯罪行為に及ぶような事はして…してない!してない…んだぁと…思い…たいんですけどねぇ…」
「…まぁ、いいわ。所詮噂だし。あなた本人が否定するなら違うんでしょうね」
「あ、あぁ、そうだよ。噂な…噂」
ふぅ、何とか助かった。
そうこうしているうちに先生が来た。もうホームルームの時間だ。ざわついていた教室は静まり返り、いつもの日常がチャイムと共に始まった。
「…」
☆●◇■△▼放課後▽▲□◆○★
「いや~今朝はヤバかったな~」
「他人事だと思ってこの野郎…俺は寿命縮む勢いだったっての」
学業という束縛からの解放。俺は将と共に帰路を辿っていた。将と談笑している間にあっという間に家に着き、玄関の扉を開ける。
「お兄ちゃんおかえり~!」
「おぅ、ただいー」
ガンッ
「…おじゃましま~す」
部屋に入り玄関の扉を閉めようとした途端、背後から伸びた誰かの足によってそれは阻止された。聞き覚えのある声に体を震わせながら将と共に後ろを振り返る。そこには悪魔のような微笑を浮かべた委員長の姿があった。
「委員…長…」
「…へぇ~」
委員長は得意げな顔で、玄関まで出迎えてくれた心美と俺達を交互に見る。
「所詮噂だと思ってた…けど、噂を耳にしてからのあなた達の挙動、明らかにおかしかったわよ。試しに家に来てみれば…」
委員長は俺達を睨みつける。まずい。何か弁解したいところだが、下手に言い訳をしたら火に油を注ぐだけ。
「私は…許さないわよ」
終わった…。俺の学生生活も。心美との生活も。
☆●◇■△▼*▽▲□◆○★
「はぁ~い心美ちゃん、こっち!こっち見て!」
「う、うん」
「んふ~!じゃ、じゃあ次はこう!こうポーズとってみてよ!」
「え、えと…こう?」
「そう!うん!良いね最っ高!ヒャッハー!」
『…』
あの後、委員長は一度帰宅。そして我が家に再来して来たかと思ったら、その手にはちょっとお高めのデジカメが。謎の幼児向けコスプレグッズがパンパンに入ったバッグも持参して来た。そして異様な光景が広がる今に至る。
「えっと…お姉さん?もう一時間くらいたってるけど…」
「あぁ…!お姉さん呼び!たまらん!」
『…』
そう、委員長がひたすら心美にコスプレをさせ、それを撮りまくるという異様な光景。それに加え、いつも真面目でクールな委員長が息を切らし、鼻血をぶちまける勢いで発情している。
「その…委員長?」
将が委員長に声をかけると、彼女は動きをピタリと止め、いつも通りクールな表情で俺達に向き直った。
「こんな…こんな可愛いロリを独り占めするなんて…私は絶っ対に!許さない!」
「あ…委員長、鼻血」
委員長はロリコンだった。
ザワ…ザワ…
「ん?」
俺が教室に入った途端、異様な空気が流れる。クラスメイト達の視線もどこか鋭く感じる。
「ちょっと佐神くん!」
「あ、委員長おはよう」
ようやく朝一に俺と挨拶を交わしてくれたのは、このクラスの学級委員長である横塚だ。
「ちょっと君の噂について聞きたいんだけど」
「噂?」
どうせ噂なんて万引きやら誰々と付き合っているやら、根も葉もない、何の核心にもついていない物。そう思っていたのだが。
「佐神くんが女児を誘拐して監禁してるって噂」
「あびゃああああああああああああああああ」
めちゃくちゃ核心をついていた物だった。
「え…嘘…本当なの?」
「ちちちち違う!断じて!…いや、断じては…さすがにちょっと嘘かぁ…?いやでも決して犯罪行為に及ぶような事はして…してない!してない…んだぁと…思い…たいんですけどねぇ…」
「…まぁ、いいわ。所詮噂だし。あなた本人が否定するなら違うんでしょうね」
「あ、あぁ、そうだよ。噂な…噂」
ふぅ、何とか助かった。
そうこうしているうちに先生が来た。もうホームルームの時間だ。ざわついていた教室は静まり返り、いつもの日常がチャイムと共に始まった。
「…」
☆●◇■△▼放課後▽▲□◆○★
「いや~今朝はヤバかったな~」
「他人事だと思ってこの野郎…俺は寿命縮む勢いだったっての」
学業という束縛からの解放。俺は将と共に帰路を辿っていた。将と談笑している間にあっという間に家に着き、玄関の扉を開ける。
「お兄ちゃんおかえり~!」
「おぅ、ただいー」
ガンッ
「…おじゃましま~す」
部屋に入り玄関の扉を閉めようとした途端、背後から伸びた誰かの足によってそれは阻止された。聞き覚えのある声に体を震わせながら将と共に後ろを振り返る。そこには悪魔のような微笑を浮かべた委員長の姿があった。
「委員…長…」
「…へぇ~」
委員長は得意げな顔で、玄関まで出迎えてくれた心美と俺達を交互に見る。
「所詮噂だと思ってた…けど、噂を耳にしてからのあなた達の挙動、明らかにおかしかったわよ。試しに家に来てみれば…」
委員長は俺達を睨みつける。まずい。何か弁解したいところだが、下手に言い訳をしたら火に油を注ぐだけ。
「私は…許さないわよ」
終わった…。俺の学生生活も。心美との生活も。
☆●◇■△▼*▽▲□◆○★
「はぁ~い心美ちゃん、こっち!こっち見て!」
「う、うん」
「んふ~!じゃ、じゃあ次はこう!こうポーズとってみてよ!」
「え、えと…こう?」
「そう!うん!良いね最っ高!ヒャッハー!」
『…』
あの後、委員長は一度帰宅。そして我が家に再来して来たかと思ったら、その手にはちょっとお高めのデジカメが。謎の幼児向けコスプレグッズがパンパンに入ったバッグも持参して来た。そして異様な光景が広がる今に至る。
「えっと…お姉さん?もう一時間くらいたってるけど…」
「あぁ…!お姉さん呼び!たまらん!」
『…』
そう、委員長がひたすら心美にコスプレをさせ、それを撮りまくるという異様な光景。それに加え、いつも真面目でクールな委員長が息を切らし、鼻血をぶちまける勢いで発情している。
「その…委員長?」
将が委員長に声をかけると、彼女は動きをピタリと止め、いつも通りクールな表情で俺達に向き直った。
「こんな…こんな可愛いロリを独り占めするなんて…私は絶っ対に!許さない!」
「あ…委員長、鼻血」
委員長はロリコンだった。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!
芽狐
ファンタジー
⭐️チート薬学3巻発売中⭐️
ブラック企業勤めの37歳の高橋 渉(わたる)は、過労で倒れ会社をクビになる。
嫌なことを忘れようと、異世界のアニメを見ていて、ふと「異世界に行きたい」と口に出したことが、始まりで女神によって死にかけている体に転生させられる!
転生先は、スキルないも魔法も使えないアレクを家族は他人のように扱い、使用人すらも見下した態度で接する伯爵家だった。
新しく生まれ変わったアレク(渉)は、この最悪な現状をどう打破して幸せになっていくのか??
更新予定:なるべく毎日19時にアップします! アップされなければ、多忙とお考え下さい!
嫌われ者の悪役令息に転生したのに、なぜか周りが放っておいてくれない
AteRa
ファンタジー
エロゲの太ったかませ役に転生した。
かませ役――クラウスには処刑される未来が待っている。
俺は死にたくないので、痩せて死亡フラグを回避する。
*書籍化に際してタイトルを変更いたしました!
転生したらチートすぎて逆に怖い
至宝里清
ファンタジー
前世は苦労性のお姉ちゃん
愛されることを望んでいた…
神様のミスで刺されて転生!
運命の番と出会って…?
貰った能力は努力次第でスーパーチート!
番と幸せになるために無双します!
溺愛する家族もだいすき!
恋愛です!
無事1章完結しました!
今日から、契約家族はじめます
浅名ゆうな
キャラ文芸
旧題:あの、連れ子4人って聞いてませんでしたけど。
大好きだった母が死に、天涯孤独になった有賀ひなこ。
悲しみに暮れていた時出会ったイケメン社長に口説かれ、なぜか契約結婚することに!
しかも男には子供が四人いた。
長男はひなこと同じ学校に通い、学校一のイケメンと騒がれる楓。長女は宝塚ばりに正統派王子様な譲葉など、ひとくせある者ばかり。
ひなこの新婚(?)生活は一体どうなる!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる