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――暗殺者?

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「わしは司祭だぞ!!こんなことをして許されるとでも思っているのか!!」

牢屋の中で司祭は叫んでいた。すると、牢屋の入り口にある小さな扉が開いた。

「おい!!そこの!!わしをここから出せ!!」

コトン!!

「飯だ!!」

「は?」

配膳係は直ぐに小さな扉を閉めた

「おい!!貴様!!」

司祭の声は虚しく響くだけであった、

***

準司祭のアルバイトは、王宮に来ていた。それは、司祭を解放させるためだった。

「陛下!!いったい何を考えておられるのですか?」

「は?アルバイトこそ、何を言っているのだ」

「司祭様は、本部から来られた人ですぞ」

「だからなんだ?」

「このことが本部に知られたら、どうなることやら」

「なにがだ?」

「この国を異端とみなしますぞ」

「別に好きで司祭殿を拘束したのではない。彼には婦女暴行及び強姦未遂の容疑があるのだ」

「婦女暴行って…女性に対して別にそんなことはどこでもあることでしょ。大体、偽聖女の本性を暴いた結果、たまたま、服が破れただけでしょうが」

「何を言っているのだ?奴は聖女に対して妾になれと迫ったそうではないか」

「どこにそんな証拠があるのだ?」

「ここだよ」

すると王様は、ある機械を取り出した。それは蓄音機と呼ばれる機械だった。その機械を部下に命じて回し始めると二人の会話が聞こえてきた。


「な…なななななんですか?」

「はぁはぁはぁ…わしの妾にならぬか?」

「はぁ?」

「はぁはぁはぁ…どうじゃ悪い条件ではないと思うが、このエセ聖女様」

「やめてください」

「貴様!!優しくしていれば…調子に乗りおって、わしが本部に魔王の手下と報告していいのか?」

「くっ?」

「どうせ、魔力は5なんだろ。そんな奴がこのわしに勝てるはずはないわ」

「はなして~!!」

「ほう…まだ抵抗するのか、抵抗されるほどやりがいがある。」

「やめてー!!」

そこまで音声が流れたところで蓄音機を一度止めたのだった。

「これでも、まだ、司祭を庇う気か?」

「くっ…」

アルバイトは黙ってしまった。

「それとも、これのコピーを教会本部の大司祭様に送ろうか?」

「そんな」

「だったらこのことはこの儂に任せることだ」

アルバイトは王様をじっとになんでいた。するとそこへ教会の部下が入ってきた。

「アルバイト様…」

何やらアルバイトに耳打ちをしている。そして、アルバイトはにやりとほほ笑んだ。

「陛下、直ちに司祭様を解放していただきたい。さもないと、偽聖女をかくまった罪で貴国を異端の国として、多くの国は貴国との国交を断絶するであろう。更に、匿うといのであれば、聖騎士団の派遣も検討すると言っておられるそうだ」

「だからどうした?」

「へ??今なんと言われた?」

「だからどうしたと言ったのだが?」

「わかっているのですか?」

「おう…わかっているよ」

「そうですか。忠告はここまでにしておきます」

こうしてエターナルと教会の仲が悪くなったのだった。そんなこととはつゆ知らず私は、この間の戦闘があった場所へ行っていた。それは、私が破壊した20キロ四方の森林と50キロ四方の森林がどうなっているか、更に魔物たちが出てこないかを調べる為であった。

「マーリン様、ここは大丈夫そうですね」

「そうじゃな」

私たちは手前にできた20キロ四方の広大な空間へ来ていた。

一人になった時だった。一人の女性というより、格好は騎士のような人が私の前にあらわれた。

「偽聖女ですよね」

「あなたは誰?」

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