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ーーー王宮筆頭魔導士

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「あなたの魔力は強すぎます」

「ま…魔力がですか?」

目の前にいる人物は、エターナル王国の王宮筆頭魔導士のマーリン、筆頭ということは、一番偉いと思うんだけど、バリバリのキャリアウーマンが魔導士の服装を着ている感じの彼女が真顔で頷く。

「その通りです」

しかし、いきなり魔力と言われても何のことかサッパリ理解できない。

「あの~」

「なんだ?」

「いきなりそんな事を言われても困ります。事故に遭って、目を覚ましたばかりで」

「記憶がないのでは?」

彼女から出てきた言葉を聞いて、びっくりした。

「あ…えっと」

「図星のようですね」

ズバリと言われて声が出ない。というよりむしろ怖いとうのが本音なんだけど、目の前の彼女は納得したかのように頷いた。やがて、さらに驚く言葉を放った。

「私も同じなのです」

「お…同じとは」

「私も其方と同じく死にかけていたが、奇跡的に生き返った。しかも、傷は全てきれいに治った上でだ。ただ、理由は分からぬが記憶が一切なくしていたのだ。その代わり強力な魔力を持っていた。そして、この度、強力な魔力を感知してここに来ると其方がおったのだ」

「それで、私も同じと」

「そうだ」

すると両親が彼女に問いかけた。

「でしたら、娘の記憶は戻るのでしょうか?」

「マーリン様のお記憶は戻ったのですか?」

「それは…。すなまい。彼女の記憶が戻るかは分からぬ」

その言葉を聞いて、両親はため息をついた。そして、私も同じ気持ちだった。

「けど、魔法の訓練を受ければ、一部の記憶が戻るかもです。実は私の場合は、魔法を覚えた時に名前と両親に関する一部の記憶は戻った」

「ということは、私も同じようにすれば」

「それはわからない。たまたま、私の場合はそうだったに過ぎないのかもしれない。しかも、私は全ての記憶が戻ったわけではない。しかし、ここで私から一つの提案がある。其方、私の下で修業をさせたい」

彼女の提案に両親は困惑の表情を浮かべている。相手は王宮筆頭魔導士、その弟子となるとそうそう会うこともできなくなるに違いない。しかし、両親は私に

「フリージア、お前の人生だ。だから、お前が決めなさい」

なんと丸投げをしてきたのだった。だって、私、記憶喪失の状態なのよ。一応、両親のことは、説明を受けて納得したけど、おかしいでしょう。魔力を持っているかどうかもわからないのよ。と叫びたいところなのだが、なぜか、私には小賢しさがあるようで、ひょっとしたら記憶が戻るかもしれないと期待している私もいる。そして、

「やります。やらせてください」

こうして、私は王宮筆頭魔導士マーリン様の弟子となったのだった。

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