機動戦記 バイソン

均衡

　地球連合の首都陥落の一報は、ディカッシュたちにも聞こえてきた。しかも、首都リオ自体もかなりの被害が出ていたとの情報もあった。メゥウカッスル要塞にいた士官たちは驚いていた。それは、リオ自体の防衛設備は、かなりものだと聞いていたからだった。そして、数日が過ぎ、リオの映像が入ってきた。
　その惨状は、壊滅といった方がいいのかもしれない。都市自体はほぼ壊滅状態。基地があった場所に関しては、数１００ｍのクレータが出来上がっていた。
　な・・・なんとうことを・・・
　士官の口からは、そんな言葉しか出なかった。それを見たディカッシュは、ポロリと
　「戦艦を落としたのか」
　その言葉を聞いて驚いたのは、士官たちだった。
　「諸君らこの映像をよく胸に刻んでくれ！！、もし、ここが落とされて、亜空間転送装置が奪われたら。本国もああなるぞ」
　ディカッシュの言葉に、目の色がかわる士官たちの姿がそこにあった。

　しかし、ディカッシュが一番気になっていたのは、連合国が壊滅状態になった今、地球上では、帝国がほぼ、収める形になってくる。ということは、今度は、自分たちが攻撃されるのは間違いなかった。どうしたものか、アルデバランまで討って出るか、それとも、防衛に徹するか、その時だった。ディカッシュの前に一人の若き士官がやってきた。彼の名は、ＤＤ竹中、士官学校でたての、ひよっこだった。そんな彼が、ディカッシュにとんでもない作戦を言うのであった。