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慟哭
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今回の遠征で帝国は、かなりの痛手を被ったのは、事実だった。それは、共和国も同様であって。それぞれの国内で議論が沸き立つのは当然の結果だった。
しかも、帝国側では更なる混乱が始まった。それは、連合国の台頭だった。もともと先の大戦で、北半球の大半は、放射能汚染で使える土地ではなかった。帝国は首都サザンプは、南アフリカあたりに存在していた。対する連合国は、南米のリオを首都とし、地球上では対抗していたのだった。ただ、宇宙を手中に収めているのが帝国だったため、連合国としても、厳しい状況であったが、今回の帝国の敗北が連合国側にもチャンスを与えることになった。
そして、帝国からホワイトサタンと呼ばれる黒いPCの噂が流れ始めていた。
一方、共和国は、議会でハッピー准将の敗北が議論されていた。しかも、議論の中には、ディカッシュにも責任があるという議論まで上がっていた。それは、功績を上げてきたディカッシュを英雄視する連中を良しとしない派閥と戦争反対派との思惑が一致したためだった。こうして、ディカッシュは、艦隊を引き連れ一度本国へ戻ることとなった。とはいっても、メテゥカッスル防衛のために、3/4は残し、50隻での凱旋となった。
国連の作戦名プロジェクトV、その噂は、前々からあった。その作戦の成功で、共和国PCの性能が格段に上がったのは事実だった。そのことを面白くない帝国側、特に第一次メテゥカッスル討伐で、要塞へ特攻した。ミドルフたちは、今回の作戦に参加することが出来ず。再び偵察の任務に就いていた。ミドルフの元に新型PCデスナイトXが届いたのだった。
「これか」
その色は、赤と黒のコントラストだった。そいて、コックピットに入って起動してみた。すると、周りのクルーがさわぎだした。
「き・・消えた」
何が起こったかわからないミドルフ、デッキ上で驚愕しているクルーを見て
「どうした?」
「き・・・機体が来たのです」
「は?」
コックピットを開け、機体の外をのぞいたミドルフは驚いた。機体の外側には何もなかった。
「これが光学迷彩か」
その時だった。艦内に警戒音がながれた。
「敵PC、接近中、数10機」
「わかった。私がこれで出る」
敵がミドルフとは知らず、戦艦ハーバー出撃したPC隊は、地球連合国PC"サムⅢ”とバイソンマーク2だった。特にバイソンに乗っているのは、わずか13歳の少年だった。
「大丈夫ですかね」
そう声をかけるのは、60歳くらいの老人だった。彼が操舵手を務めていた。そこへ、鮮やかな唇が目に入ってくる美女が現れた。サトミ・イナーフ少佐だった。
「ここは、やるしかないでしょう」
「やればいいんでしょう!!おばさん!!」
バイソンからの声だった。
「おばさんじゃない!!少佐と呼びなさい!!」
かっとなって言い返すサトミだったが、直ぐにその無線は切れてしまった。
「どうします?」
通信を担当している女性 ミョウガが話しかけたが通じなかった。
「バイソン!!ソラ!応答してください!!」
彼の名は、ソラ・ツキシマ、はるかと同じ基地にいた。しかし、はるかとは、前の戦いで離ればなれになってしまった。彼女は秋月にのり、彼はハーバーにのった。そして、生きていくために、PCに乗るしかなかったのだった。
「やってやるさ」
しかも、帝国側では更なる混乱が始まった。それは、連合国の台頭だった。もともと先の大戦で、北半球の大半は、放射能汚染で使える土地ではなかった。帝国は首都サザンプは、南アフリカあたりに存在していた。対する連合国は、南米のリオを首都とし、地球上では対抗していたのだった。ただ、宇宙を手中に収めているのが帝国だったため、連合国としても、厳しい状況であったが、今回の帝国の敗北が連合国側にもチャンスを与えることになった。
そして、帝国からホワイトサタンと呼ばれる黒いPCの噂が流れ始めていた。
一方、共和国は、議会でハッピー准将の敗北が議論されていた。しかも、議論の中には、ディカッシュにも責任があるという議論まで上がっていた。それは、功績を上げてきたディカッシュを英雄視する連中を良しとしない派閥と戦争反対派との思惑が一致したためだった。こうして、ディカッシュは、艦隊を引き連れ一度本国へ戻ることとなった。とはいっても、メテゥカッスル防衛のために、3/4は残し、50隻での凱旋となった。
国連の作戦名プロジェクトV、その噂は、前々からあった。その作戦の成功で、共和国PCの性能が格段に上がったのは事実だった。そのことを面白くない帝国側、特に第一次メテゥカッスル討伐で、要塞へ特攻した。ミドルフたちは、今回の作戦に参加することが出来ず。再び偵察の任務に就いていた。ミドルフの元に新型PCデスナイトXが届いたのだった。
「これか」
その色は、赤と黒のコントラストだった。そいて、コックピットに入って起動してみた。すると、周りのクルーがさわぎだした。
「き・・消えた」
何が起こったかわからないミドルフ、デッキ上で驚愕しているクルーを見て
「どうした?」
「き・・・機体が来たのです」
「は?」
コックピットを開け、機体の外をのぞいたミドルフは驚いた。機体の外側には何もなかった。
「これが光学迷彩か」
その時だった。艦内に警戒音がながれた。
「敵PC、接近中、数10機」
「わかった。私がこれで出る」
敵がミドルフとは知らず、戦艦ハーバー出撃したPC隊は、地球連合国PC"サムⅢ”とバイソンマーク2だった。特にバイソンに乗っているのは、わずか13歳の少年だった。
「大丈夫ですかね」
そう声をかけるのは、60歳くらいの老人だった。彼が操舵手を務めていた。そこへ、鮮やかな唇が目に入ってくる美女が現れた。サトミ・イナーフ少佐だった。
「ここは、やるしかないでしょう」
「やればいいんでしょう!!おばさん!!」
バイソンからの声だった。
「おばさんじゃない!!少佐と呼びなさい!!」
かっとなって言い返すサトミだったが、直ぐにその無線は切れてしまった。
「どうします?」
通信を担当している女性 ミョウガが話しかけたが通じなかった。
「バイソン!!ソラ!応答してください!!」
彼の名は、ソラ・ツキシマ、はるかと同じ基地にいた。しかし、はるかとは、前の戦いで離ればなれになってしまった。彼女は秋月にのり、彼はハーバーにのった。そして、生きていくために、PCに乗るしかなかったのだった。
「やってやるさ」
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