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対決
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「打方止め!!」
その号令と共にE2連合の艦隊は、砲撃を止めた。
「あとは、7時間後だ」
光速で約7時間の距離に存在すると推定される敵艦隊。これまでの戦闘で、帝国艦隊の速力は、第1宇宙速度(0.1C 光速の10分の1)が限界速度だということが分かっていた。つまり、帝国艦隊は、約70時間をかけてここまでくるのだ。一方、E2共和国艦隊は、光速の7倍つまりワープをすることが可能だ、しかし、そこには、重力波という問題もある。至近距離でのワープアウトの技術まではない。よって、敵艦隊の前に出たとしても、重力波で場所が判明してしまい、待ち伏せをしている帝国軍PCの餌食となってしまう。通常速度も帝国の5倍の0.5Cが出せるのだが、ここから出撃した場合、14時間かけて移動することになり、結局、待ち伏せを食らう形になってしまう。
普通ならば偵察の艦隊でもと言いたい所だが、広大な宇宙において、索敵などというものは、無駄そのものだった。
「ところで、情報では、敵は800隻だったよな」
ディカッシュの質問に副官は、タブレットに目をやった。
「そのようですが」
「今回ので、少しでも敵の進軍をとめれたらと思ったんだが」
「どうでしょうか、まさか、ここからの砲撃とは思わないでしょう」
二人は画面に映るレーダの画像をじっと見つめた。今、見ている画面も7時間前の画像だった。すると、画面上で帝国艦隊が2つに分かれるのが分かった。
「まずいな、はずれたか」
ディカッシュがつぶやいた。画面のとおりだったら、今回の砲撃は、空振りになってしまう。すると副官がタブレットをディカッシュに見せた。それは、帝国艦隊の推定航路だった。
「いかがなさいます?」
左手で頭を押え、下唇をかんでいるディカッシュは、、パンと椅子を叩いて、立ち上がった。
「監視を続けよ」
一方帝国軍の、クィー中将は、大迂回作戦を決行することにした。前面の艦隊は、400隻 ダミー艦400隻で800隻に見せ、E2共和国艦隊と要塞を正面から攻撃を仕掛け、しばらくして、その側面から攻撃するというものだった。ただでさえ、倍以上の兵力、400隻で正面を突けば、守備艦隊は壊滅できるだろう、しかし、後方には、ミドリムシ要塞がいる。前回の戦闘でかなり損傷をうけているとはいえ、8か月もの間、修復もされているだろう。しかも、今回は、要塞に侵入するのは不可能と判断するのが妥当だった。だから、400隻の主力を温存した状態で、要塞を包囲したかった。
「ジャミングシステム作動」
こうして敵のレーダから隠れた帝国艦隊、ディカッシュもまだ、その動きを察知していなかった。
その号令と共にE2連合の艦隊は、砲撃を止めた。
「あとは、7時間後だ」
光速で約7時間の距離に存在すると推定される敵艦隊。これまでの戦闘で、帝国艦隊の速力は、第1宇宙速度(0.1C 光速の10分の1)が限界速度だということが分かっていた。つまり、帝国艦隊は、約70時間をかけてここまでくるのだ。一方、E2共和国艦隊は、光速の7倍つまりワープをすることが可能だ、しかし、そこには、重力波という問題もある。至近距離でのワープアウトの技術まではない。よって、敵艦隊の前に出たとしても、重力波で場所が判明してしまい、待ち伏せをしている帝国軍PCの餌食となってしまう。通常速度も帝国の5倍の0.5Cが出せるのだが、ここから出撃した場合、14時間かけて移動することになり、結局、待ち伏せを食らう形になってしまう。
普通ならば偵察の艦隊でもと言いたい所だが、広大な宇宙において、索敵などというものは、無駄そのものだった。
「ところで、情報では、敵は800隻だったよな」
ディカッシュの質問に副官は、タブレットに目をやった。
「そのようですが」
「今回ので、少しでも敵の進軍をとめれたらと思ったんだが」
「どうでしょうか、まさか、ここからの砲撃とは思わないでしょう」
二人は画面に映るレーダの画像をじっと見つめた。今、見ている画面も7時間前の画像だった。すると、画面上で帝国艦隊が2つに分かれるのが分かった。
「まずいな、はずれたか」
ディカッシュがつぶやいた。画面のとおりだったら、今回の砲撃は、空振りになってしまう。すると副官がタブレットをディカッシュに見せた。それは、帝国艦隊の推定航路だった。
「いかがなさいます?」
左手で頭を押え、下唇をかんでいるディカッシュは、、パンと椅子を叩いて、立ち上がった。
「監視を続けよ」
一方帝国軍の、クィー中将は、大迂回作戦を決行することにした。前面の艦隊は、400隻 ダミー艦400隻で800隻に見せ、E2共和国艦隊と要塞を正面から攻撃を仕掛け、しばらくして、その側面から攻撃するというものだった。ただでさえ、倍以上の兵力、400隻で正面を突けば、守備艦隊は壊滅できるだろう、しかし、後方には、ミドリムシ要塞がいる。前回の戦闘でかなり損傷をうけているとはいえ、8か月もの間、修復もされているだろう。しかも、今回は、要塞に侵入するのは不可能と判断するのが妥当だった。だから、400隻の主力を温存した状態で、要塞を包囲したかった。
「ジャミングシステム作動」
こうして敵のレーダから隠れた帝国艦隊、ディカッシュもまだ、その動きを察知していなかった。
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