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決勝戦 6

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4回は両チームとも無得点で終わった。そして、5回表、ベアーズの打順は安打映像機の異名を持つ、1番佐伯だ。さっきの打順でもヒットを打っていた。69nersで言うところの鈴鹿のような存在だ。

「しまって行こう!!」

ピッチャーの五十嵐がみんなに声を掛けた。野球のセンスが良くピッチャーもやりこなす器用な男なのだが、身長は低い。まだ4年生なのだ。その点では鈴鹿も一緒なのだが、やはり体力面は弱い。さっきの回も球威が落ちて、曲がらなくなった変化球をヒットされていた。しかし、そんなことに気付かないコーチは彼に続投を命じた。
しかも、気が強い彼は、決して自ら交代させてくれとは言わなかった。

キン!!

「しまった」

佐伯に投じた2球目、いとも簡単にレフトとライトの間に運ばれていったのだった。しかし、足が速いセンター鈴鹿がボールに何とか追いつき、長打になるのをふせいだ。しかし、続く2番バッターの時には、初球を盗塁され、送りバントでワンアウト3塁となっていた。そして、初回、エンタイトルツーベースを放った水原の打順になった。

かわいい顔つきをしている水原に対してジャガイモみたいな顔をしている五十嵐、初球からインサイドギリギリのボール玉を投げ込んだ。

ボール!

思わずのけぞった水原に対して、五十嵐も何やら闘志を燃やしている。さっきまでの球威とは全く違うのだった。初球がよかったのか水原を三振に終わった。そして、五十嵐を悔しそうに睨んでいた。
しかし、ピンチはまだ続いていた。続く4番は岩ちゃんだった。水原を打ち取った五十嵐の初球をっブーンとうなりを上げるスイングでとらえたのだった。

ギン!!

打った瞬間、レフトオーバーのホームラン確定打球が飛んでいったのだった。

その後、五十嵐は何とか0点に抑えるのだが、5回表、3対3の同点となったのだった。
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