108 / 191
見えない戦い
しおりを挟む
「みんなが佐藤君のこと好きなの?」
「「「「「「そうよ!!」」」」」」
凛音の前で仁王立ちをして”当然”といった顔をしてまるで俺を守るかのように立ち並んでいる。そんな光景を見て
「プッ!!ハハハ」
凛音は笑い出した。
「何がおかしいのよ」
「だって・・・みんなが佐藤君のこと好きって聞いたから、急に笑えてきちゃって。ハハハ・・あーおかしい」
凛音の笑いはしばらく続いた。そして、ようやく収まると俺に向かって話してきた。
「けど、佐藤君はこの中の誰が好きなの?」
「だれって・・・」
皆の視線が俺に突き刺さってきた。
「もちろん、みんな大好きだよ」
その言葉に機嫌を直す彼女達は、すぐさま凛音の方を向いた。すると彼女は頭をかしげていた。
「それって・・・おかしくない?」
「なにが?」
「みんなを一度に好きになることなんてできるの?」
すると天野さんが
「ちゃんとみんな平等に好きだって、現にみんな仲良くやっているし」
「へーそうなんだ・・」
凛音の冷たい視線が俺に向けられた。
「ふーん・・・みんな騙されてないわよね」
「それはないわ」
山田さんが言い返すと凛音の一言に皆顔を真っ赤にさせた。
「じゃぁ・・みんな、佐藤君とキスしたことあるの?」
エッチなことは散々してきたけど、頬にキス程度しかしていないのでキスといわれると彼女達は黙った。
「ということは、最初にキスをした人が佐藤君の好きなひとになるのね。たぶん・・」
凛音の一言に皆の視線は俺に集中した。
「そんなことはないよ。俺はちゃんとみんな平等に好きになるって決めたから」
するとまた凛音の冷たい視線が俺に突き刺さる。
「ふーん・・・平等ねぇ・・・」
そこへ天野さんが反撃に出た
「そんなこと言って、小林さん佐藤君に気があるんじゃないの?」
「あら?失礼ね・・モテモテの男子だからどんな子か知りたかっただけよ」
「本当?」
「本当よ。だって今日初めて会ったんだから・・・もし、ここで好きですなんて言ったら、それこそ運命の人です見たいなことになるじゃない」
「じゃ・・安心したわ」
「それ、どういう意味?」
「だってこれだけ多いのよ。これ以上増えたら困るから・・」
「へ~佐藤君って女たらしなんだ」
「それは違う。みんな、自分から好きになったんだから」
「そうなんだ・・・」
また凛音の冷たい視線が俺に刺さってきた。夫婦だった頃、俺がごみ捨てを忘れた日の夜によく見せていた視線だった。
「でも。誰もキスしていないから、ファーストキスの相手が大事な人になるのかな~」
キーンコーンカーンコーン
キーンコーンカーンコーン
凛音が落とした爆弾は大きなものとなっていたのに、俺が気付いたのは数日後のことだった。
「「「「「「そうよ!!」」」」」」
凛音の前で仁王立ちをして”当然”といった顔をしてまるで俺を守るかのように立ち並んでいる。そんな光景を見て
「プッ!!ハハハ」
凛音は笑い出した。
「何がおかしいのよ」
「だって・・・みんなが佐藤君のこと好きって聞いたから、急に笑えてきちゃって。ハハハ・・あーおかしい」
凛音の笑いはしばらく続いた。そして、ようやく収まると俺に向かって話してきた。
「けど、佐藤君はこの中の誰が好きなの?」
「だれって・・・」
皆の視線が俺に突き刺さってきた。
「もちろん、みんな大好きだよ」
その言葉に機嫌を直す彼女達は、すぐさま凛音の方を向いた。すると彼女は頭をかしげていた。
「それって・・・おかしくない?」
「なにが?」
「みんなを一度に好きになることなんてできるの?」
すると天野さんが
「ちゃんとみんな平等に好きだって、現にみんな仲良くやっているし」
「へーそうなんだ・・」
凛音の冷たい視線が俺に向けられた。
「ふーん・・・みんな騙されてないわよね」
「それはないわ」
山田さんが言い返すと凛音の一言に皆顔を真っ赤にさせた。
「じゃぁ・・みんな、佐藤君とキスしたことあるの?」
エッチなことは散々してきたけど、頬にキス程度しかしていないのでキスといわれると彼女達は黙った。
「ということは、最初にキスをした人が佐藤君の好きなひとになるのね。たぶん・・」
凛音の一言に皆の視線は俺に集中した。
「そんなことはないよ。俺はちゃんとみんな平等に好きになるって決めたから」
するとまた凛音の冷たい視線が俺に突き刺さる。
「ふーん・・・平等ねぇ・・・」
そこへ天野さんが反撃に出た
「そんなこと言って、小林さん佐藤君に気があるんじゃないの?」
「あら?失礼ね・・モテモテの男子だからどんな子か知りたかっただけよ」
「本当?」
「本当よ。だって今日初めて会ったんだから・・・もし、ここで好きですなんて言ったら、それこそ運命の人です見たいなことになるじゃない」
「じゃ・・安心したわ」
「それ、どういう意味?」
「だってこれだけ多いのよ。これ以上増えたら困るから・・」
「へ~佐藤君って女たらしなんだ」
「それは違う。みんな、自分から好きになったんだから」
「そうなんだ・・・」
また凛音の冷たい視線が俺に刺さってきた。夫婦だった頃、俺がごみ捨てを忘れた日の夜によく見せていた視線だった。
「でも。誰もキスしていないから、ファーストキスの相手が大事な人になるのかな~」
キーンコーンカーンコーン
キーンコーンカーンコーン
凛音が落とした爆弾は大きなものとなっていたのに、俺が気付いたのは数日後のことだった。
0
お気に入りに追加
57
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました
フルーツパフェ
大衆娯楽
とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。
曰く、全校生徒はパンツを履くこと。
生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?
史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる