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大魔大戦

とんで イスカンブール

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「何やっているんだ?」

「はいはい…」

「たくっ…本当にノロマな奴だ」

言われたくないが、仕方がない、俺はなぜか荷物持ちをしている。通称ポーター”というやつだ。因みに俺は、サンカルロス伯爵の義理の息子ということで、本来なら勇者規定でも俺はポーターになる必要はないのだが、今回は、特別に許可がされたのだった。

「くそー!!」

「ん?何か言ったか」

「いえ…」

これでも俺は、このラフレシア大陸の3分の1を支配する人間なんだが、こんなことを言ってもここにいる連中は全く信用しようとしない。

「そういえば、村人は、あの都市(まち)で何をしているんだ?」

「そうね。ちょっと私も気になったんだけど」

ここで言ってしまえば、信じるだろうか?

「あの都市(まち)を治めているんだ」

「ふーん…そうなんだ。あの都市(まち)の管理人か」

スルーかよ。

「ということは、警備員みたいなことやってんだ」

警備員まで格下げされてしまった。そして

「よかったな~俺たちのポーターに戻れて、収入アップで奥さんもウハウハだね」

「そうだ。亭主元気で留守がいいっていう諺もあるし」

そんな諺きいたことないし

「奥さん、今頃、跳ね伸ばしてイケメンと不倫していたりして」

もう…付き合いきれん・・・こうして、歩いているうちに、タルタル帝国の国境のまちイスカンブルへ来た。ここは、西国諸国とタルタル帝国との国境になっている。中央に内海とよばれる運河のような海がひろがり、町を東西に分断している。そして、海の手前が西国諸国の1つの国であるスパルタンエックス、向こう岸は、タルタル帝国諸侯の一つターキーとなっている。

国境の検問で勇者たちを兵士たちは

「あれ?この間も通過しなかったか?」

「しましたよ」

「では、帰りはどうした?」

「帰りはインダス帝国から別ルートで戻りました」

「そうか…それは、すごいなあのヒエイ山脈を越えたのか」

などと検問の兵士と談話している。しばらくして、俺の番が来た。

「む?村人だと?」

その兵士は通行手形を見たあと、俺をまじまじと見た。そして、ほかの兵士を呼んできた

「どうだ?」

「全く何もない」

「本当か」

「ああ…しかし」

「しかし、どうした?」

「たぶん、この体力だとハラハラ砂漠で死ぬだろう」

「そうか…どうする?」

「一応、規定では通すしかないな」

するとその兵士は

「通っていいぞ、けど、命は大切にしろよ」

そんな会話を横とで聞いた、勇者リンたちは爆笑をしていた。

くそー!!と思いながらも、この日は、イスカンブルのタルタル帝国側で泊まることになった。すると勇者が金貨1枚を俺に渡した。

「村人!!今日の報酬だ。女でも抱いて来いよ」

そう言って、俺を部屋から追い出したのだった。仕方なく俺は見知らぬ異文化の街を差策することにした。


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