上 下
86 / 267
第2章 開拓篇

第86話 村人 新たなる脅威

しおりを挟む
なに!!全滅だと?

斉の王、雷漢が報告を聞いて叫んだ一言であった。雷漢は斉の王の中では、短気王として悪名が高い。しかし、この短気が更なる事態を招くことになる。

すぐに討伐軍を準備しろ!!

一方、村人たちは、マインマスターとエナリ殿の蘇生をじっくりと待っていた。ロクテン魔王は、村人とのエッチをした後、満足した表情で蘇生作業を行なっていた。やがて、二人は目覚めた。

「よかった」

そう言って二人を抱きしめる村人はこの後妻たちに叱られたのは言うまでもなかった。

一方でミケえもんはマインと多々羅工房の城塞化を進めていた。それと艦隊整備も併せて行っていた。各町に配備されているロボット兵の様子を見ていた。

「ロボット兵の配備も出来たぞ。これで前回の規模で攻めてこられても十分対応可能だ」

両方の街に10台ずつロボット兵の配備が完了。城塞付近にはポットと呼ばれる魔導粒子砲を備えた飛行物体の配備も完了していた。そして、これまでと異なるのは各街にエアーポートを完成させていて、それぞれドレッドノート級飛行戦艦を配備したのだ。マインには戦艦”マイン”多田羅には戦艦”タタラ”村人には戦艦”ドレッドノート”をそれぞれ配備していたのだった。実はこの急速な発展にはからくりがあった。それは、スクルド様の協力があったことだ。そう時間断層を使用して急ピッチで製造をしたのだった。ただ、製造する材料供給には限界があったので、今回は、ここまでということ、スクルド様もここまでは認めると言われたから実現したのであった。

そんなこととは全く知る由もない斉の王、雷漢は30万の軍勢を準備していた。しかも、3大将軍 イエミツ、ヨシミツ、サネトモ、彼らは一騎当千の斉では最高の武将達だ。そんな武将にそれぞれ10万もの軍勢を与え、進軍の準備をしていた。

「これでマインも多田羅も我が手中にいれるぞ」

その動きは偵察衛星によって、既に把握されていた。

「ミケえもん。どうした?」

「村人様!!斉の様子です。ここに軍勢の姿が」

モニターに映し出された斉の軍勢を見て一同驚いた。

「なんだ?この数は?」

新たな脅威が村人に迫っていたのだった。丁度その頃、盟友のライムにもある事件が起きていたのだった。その事件の情報をもたらしたのはロクテン魔王だった。彼女は十魔王会に属している。現在は、ロクテン魔王が進化する前の姿の分身を十魔王会に派遣しているのだが、彼女は自身は行く気がしなそうだ。そして、俺達に向かって

「十魔王会で、新たな魔王が誕生したとの報告を受けた」

「魔王と言うのは増えるのですか?」

「そうだ。増えたり減ったりするものだ。実は、私が封印されている間に10魔王会のメンバーも変わっていて、今回は私の代わりに推薦されたようだ」

「あたらしい魔王って一体どんな奴だ?」

「新興勢力の魔族で名前は確かライムとかいうそうだ」

その名前を聞いて驚いた。あのライム殿が魔王になるとは一体どういうことなのだろうか?同盟を結んだ俺の所には何も報告がなかった。というより斉との戦いでそれどころではなかったのは確かだった。

「そうでしたか」

「ライムは神聖教会の騎士一万を倒して魔王の座を手に入れたらしい」

「信じられない。一体彼に何があったのだろうか。よほどのことがなければ1万などと人を殺せるはずもない」

「何言ってるんだよ。5万人もころしておいて」

「え?」

「ただ、私の代わりに魔王になることが前提の話らしい。しかし、私が復活したものだから、魔王がふえたことになる。普通ならそれでもいいのだろうが、2000年も封印されていた私には資格がないという輩がいて、そいつの差し金で、私はこやつと闘技場で相手をしなければいけない。」

十大魔王には5人の古参と5人の新興勢力がいる。古参からしてみると今更どうでもいいことなのだが、新興勢力側としては、自分たちで動かしたいという欲が強いらしく、今回のライムが魔王になることについても、新興勢力が動いてそうなっているという。その前の魔王化したジャイアントパンダについてもどうや絡んでいるという噂もあるそうで、ロクテン魔王の復活は新興勢力にとっては、目の上のたん瘤に当たるそうだった。しかし、ロクテン魔王自体も十大魔王についてはどうでもよくなっている。何故なら、ここに、十魔王会のメンバーに匹敵する人物がいるからだそうだ。その人物とは竜の娘”お竜”、妖精王”メイヴ”彼女たち二人は完全に魔王と同じ能力を有しているという。現に十魔王会には龍族や妖精族がいるという。そんな中、ライムが魔王になったというのだ。ロクテン魔王は脅威だと言っている。多分、ロクテン魔王は俺とライムが同盟を結んでいることを知らないに違いない。

「だから、ライム殿とは同盟を結んでいますので、問題はないかと思います」






しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

転生令嬢の食いしん坊万罪!

ねこたま本店
ファンタジー
   訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。  そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。  プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。  しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。  プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。  これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。  こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。  今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。 ※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。 ※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました

結城芙由奈 
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】 私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。 2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます *「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています ※2023年8月 書籍化

異世界に転生した社畜は調合師としてのんびりと生きていく。~ただの生産職だと思っていたら、結構ヤバい職でした~

夢宮
ファンタジー
台風が接近していて避難勧告が出されているにも関わらず出勤させられていた社畜──渡部与一《わたべよいち》。 雨で視界が悪いなか、信号無視をした車との接触事故で命を落としてしまう。 女神に即断即決で異世界転生を決められ、パパっと送り出されてしまうのだが、幸いなことに女神の気遣いによって職業とスキルを手に入れる──生産職の『調合師』という職業とそのスキルを。 異世界に転生してからふたりの少女に助けられ、港町へと向かい、物語は動き始める。 調合師としての立場を知り、それを利用しようとする者に悩まされながらも生きていく。 そんな与一ののんびりしたくてものんびりできない異世界生活が今、始まる。 ※2話から登場人物の描写に入りますので、のんびりと読んでいただけたらなと思います。 ※サブタイトル追加しました。

旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます

結城芙由奈 
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】 ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

悪役令嬢は処刑されました

菜花
ファンタジー
王家の命で王太子と婚約したペネロペ。しかしそれは不幸な婚約と言う他なく、最終的にペネロペは冤罪で処刑される。彼女の処刑後の話と、転生後の話。カクヨム様でも投稿しています。

処理中です...