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謎の中国人 2
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彼女の名前はシーペイペイ、兎に角、美しい、何もかも次元が違い過ぎる美しさだ。なんだこの体型はと驚くほどだ。そんな彼女は中国人であると言っていたが、更に驚くのは、流暢な日本語だ。変な訛りすらない。そんな美人が俺のことをニコニコと見ている。
「あなたが私の旦那様になる立原恵さんですよね?」
いきなり手を握って来る。俺はというと不意を突かれたと言った方がいい。
「お会いできて光栄です」
こんな美少女に見つめられた上にギュッと手を握られ、
「ちょっと!!待って」
俺は慌てた、はっきり言って、そんな話を一度も聞いていない。慌てていた顔をしている俺。そのことにペイペイちゃんは気付いたのか、ある資料を出してきた。しかも、公正証書付きと来ている正式な書類だ。そこには
遺言状
私の死後、息子である恵は、シーペイペイと結婚をさせると書いてあった。それを見て当然血の気が引いたのは言うまでもない。そんな俺の横で沙織さんも顔を引きつっていたのだった。
「あの~…家に上がってもいいですか?」
彼女の言葉に上がってはいけませんとは言うことも出来ず
「はい…」
とだけ答えるしかできなかったのだった。
リビングでペイペイちゃんと俺が向かい合って座っている。正確にはお茶を持ってきた沙織さんも俺の横に座っていた。当然、機嫌は悪い。俺自身もどうしたらいいのか解らないといったところだ。しかし、ペイペイちゃんは、何故か、ニコニコとしていて、先ほど見せてくれた遺言状を再度机の上に置いた。
「おじいさまがこれを見せると恵君が納得すると言っていましたわ」
「あの~そんなこと言われていても、俺の父親は死んでいて…この話聞くのは初めてで…」
そこまで言うと、ペイペイちゃんは俺の話を遮った。
「私には、おじいさまの言われた通りに従う事しかできません。例えあなたのお父様が亡くなっていたとしても、このこととは関係ありません」
「そう言われても…」
「でも…ここにサインされていますよね」
それを言われると辛いものがある。俺自身としては全く同意したものではないのだが、何故か、俺の印鑑がまで押してあって、反論の余地がない。
「ぐ…」
「では、あなたがわたくしの旦那様であることはまちがいありませんね」
「う…」
親父のバカやろー!!と叫びたいのだが、目の前の書類に親父のサインがある以上俺は反論するすべすらない。そんな俺の不甲斐無さを見て、沙織さんも呆れているんだけど、俺の腕を握っている手が徐々に力が入ってきていて、俺にひしひしと伝わってきている。けど、ペイペイちゃんのにこやかな笑顔が俺を懐柔してくる。
「ところで、私はどこに寝たらいいの?」
「へ?」
「今日からここに住むようにと言われているんですが」
「はい?」
「ホテルは?」
「そんなもの予約してません」
「えっ?」
こうして、彼女を俺の家に泊めることにしたのだった。更に既にすべての手続きは終わっているらしく、直ぐに、彼女の荷物が届いた。そして、明日から俺達が通っている学校に行くことになっていたのだっ
た。
「あなたが私の旦那様になる立原恵さんですよね?」
いきなり手を握って来る。俺はというと不意を突かれたと言った方がいい。
「お会いできて光栄です」
こんな美少女に見つめられた上にギュッと手を握られ、
「ちょっと!!待って」
俺は慌てた、はっきり言って、そんな話を一度も聞いていない。慌てていた顔をしている俺。そのことにペイペイちゃんは気付いたのか、ある資料を出してきた。しかも、公正証書付きと来ている正式な書類だ。そこには
遺言状
私の死後、息子である恵は、シーペイペイと結婚をさせると書いてあった。それを見て当然血の気が引いたのは言うまでもない。そんな俺の横で沙織さんも顔を引きつっていたのだった。
「あの~…家に上がってもいいですか?」
彼女の言葉に上がってはいけませんとは言うことも出来ず
「はい…」
とだけ答えるしかできなかったのだった。
リビングでペイペイちゃんと俺が向かい合って座っている。正確にはお茶を持ってきた沙織さんも俺の横に座っていた。当然、機嫌は悪い。俺自身もどうしたらいいのか解らないといったところだ。しかし、ペイペイちゃんは、何故か、ニコニコとしていて、先ほど見せてくれた遺言状を再度机の上に置いた。
「おじいさまがこれを見せると恵君が納得すると言っていましたわ」
「あの~そんなこと言われていても、俺の父親は死んでいて…この話聞くのは初めてで…」
そこまで言うと、ペイペイちゃんは俺の話を遮った。
「私には、おじいさまの言われた通りに従う事しかできません。例えあなたのお父様が亡くなっていたとしても、このこととは関係ありません」
「そう言われても…」
「でも…ここにサインされていますよね」
それを言われると辛いものがある。俺自身としては全く同意したものではないのだが、何故か、俺の印鑑がまで押してあって、反論の余地がない。
「ぐ…」
「では、あなたがわたくしの旦那様であることはまちがいありませんね」
「う…」
親父のバカやろー!!と叫びたいのだが、目の前の書類に親父のサインがある以上俺は反論するすべすらない。そんな俺の不甲斐無さを見て、沙織さんも呆れているんだけど、俺の腕を握っている手が徐々に力が入ってきていて、俺にひしひしと伝わってきている。けど、ペイペイちゃんのにこやかな笑顔が俺を懐柔してくる。
「ところで、私はどこに寝たらいいの?」
「へ?」
「今日からここに住むようにと言われているんですが」
「はい?」
「ホテルは?」
「そんなもの予約してません」
「えっ?」
こうして、彼女を俺の家に泊めることにしたのだった。更に既にすべての手続きは終わっているらしく、直ぐに、彼女の荷物が届いた。そして、明日から俺達が通っている学校に行くことになっていたのだっ
た。
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