上 下
21 / 67

明るくなった

しおりを挟む
「ねぇねぇ・・・おねえちゃん。最近、明るくなったね」

紗耶香の言葉を聞いてきょとんとした表情をしている沙織さん。しかも、朝食の最中に言ったものだから、沙織さんは少し咽た感じだった。朝ごはんは俺と沙織さんと紗耶香ちゃんの3人で食べるのが日課になっていた。だから、逆に聞きやすかったのかもしれない。

「え?そう?」

とは言え、まんざらでもないのだろう沙織さんはにこやかな笑顔で話し出した。

「だいぶ、慣れてきたしね」

「そうかな~?最初は、あんなに暗かったのに~最近何かあったの?」

興味津々の妹、そりゃそうだろう。彼女も中学生、男女の関係についても少なくとも情報はあるお年頃、ましては、お姉さんは、結婚していて、男女の付き合いをしていることを知っているからなおさら、情報が知りたいのかもしれない。

「なにもないわよ~紗耶香がきたいしていることは」

逆に見透かされてぎくっとした表情をしている紗耶香

「ひょっとしてHなことでも考えていたんだでしょ・・・・紗耶香は本当にHなんだから」

「そ・そそそ・・そんな訳ないわ・・・大体Hでもないし~」

紗耶香さん・・わかりやすし・・とニコニコしていると俺に気付いて、その矛先を俺に向けようとした。

「恵君がどうなのかな~!ってシツコク聞いてきたから」

「ふーん・・・恵君が・・」

やばい・・あの目は怒っている。確かに数日前、紗耶香ちゃんと話している時に、親父と沙織さんうまくいっているのかな~とボソッと聞いてしまっていたのだ。

「恵君・・・も安心して、わたしたちは、順調ですから」

「はい・・」

あ~怖かった…




学校へ向かうと沙織さんは豹変する。このことがあったから、俺は、一本前野電車に乗ろうと少し早めに家を出たのだった。すると、駅に到着して、電車をまっていると腕をガシっと掴まれた。振り向くと沙織さんがいた。

「置いて行かないでよ」

ちょっと無視すると

「あ・・今朝のこと怒ってんっだ」

「別に」

「やっぱ、怒ってるんだ」

「だから」

「ごめん・・・この通り」

案外素直に謝ってきた

「え?」

「ああしないと、紗耶香に家のことばれるから・・紗耶香には安心してほしいから」

なんだ・・そう言うことか

「わかったよ」

「ありがとう」

そう言って、公衆の面前で俺に抱き着くのであった・




「今朝もらぶらぶだな・・」

「青春してるな」

「俺に紹介してよ里奈さん」」

「おれは、亜里沙さん」

本田と佐久間の二人の目が逝ってるのに恐怖を覚えた。こうして、3対3でお昼を迎えたんだけど、案外残り二組は、いまいち、パッとしなし。俺たちは、というと今度の土曜日どこ行くとか話を市営るんだけど、もちろん、家族でだけど、しかし、彼らは、まだ、デートすらしていない初心者たち、中々、言い出せないでいる。すると、沙織さんが

「今度の土曜日みんなでショッピングセンター行かない?スポッチャおうよ」

「いいね」

俺が合わせて言うと残り4人の目がきらきらとしていたのだった。

こうして、今度の土曜日にショッピングセンターへ行くことになったのだった。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが

ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。 定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──

【完結】愛も信頼も壊れて消えた

miniko
恋愛
「悪女だって噂はどうやら本当だったようね」 王女殿下は私の婚約者の腕にベッタリと絡み付き、嘲笑を浮かべながら私を貶めた。 無表情で吊り目がちな私は、子供の頃から他人に誤解される事が多かった。 だからと言って、悪女呼ばわりされる筋合いなどないのだが・・・。 婚約者は私を庇う事も、王女殿下を振り払うこともせず、困った様な顔をしている。 私は彼の事が好きだった。 優しい人だと思っていた。 だけど───。 彼の態度を見ている内に、私の心の奥で何か大切な物が音を立てて壊れた気がした。 ※感想欄はネタバレ配慮しておりません。ご注意下さい。

マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました

東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。 攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる! そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。

【完結】婚約者に忘れられていた私

稲垣桜
恋愛
「やっぱり帰ってきてた」  「そのようだね。あれが問題の彼女?アシュリーの方が綺麗なのにな」  私は夜会の会場で、間違うことなく自身の婚約者が、栗毛の令嬢を愛しそうな瞳で見つめながら腰を抱き寄せて、それはそれは親しそうに見つめ合ってダンスをする姿を視線の先にとらえていた。  エスコートを申し出てくれた令息は私の横に立って、そんな冗談を口にしながら二人に視線を向けていた。  ここはベイモント侯爵家の夜会の会場。  私はとある方から国境の騎士団に所属している婚約者が『もう二か月前に帰ってきてる』という話を聞いて、ちょっとは驚いたけど「やっぱりか」と思った。  あれだけ出し続けた手紙の返事がないんだもん。そう思っても仕方ないよでしょ?    まあ、帰ってきているのはいいけど、女も一緒?  誰?  あれ?  せめて婚約者の私に『もうすぐ戻れる』とか、『もう帰ってきた』の一言ぐらいあってもいいんじゃない?  もうあなたなんてポイよポイッ。  ※ゆる~い設定です。  ※ご都合主義です。そんなものかと思ってください。  ※視点が一話一話変わる場面もあります。

今日は私の結婚式

豆狸
恋愛
ベッドの上には、幼いころからの婚約者だったレーナと同じ色の髪をした女性の腐り爛れた死体があった。 彼女が着ているドレスも、二日前僕とレーナの父が結婚を拒むレーナを屋根裏部屋へ放り込んだときに着ていたものと同じである。

王命を忘れた恋

須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』  そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。  強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?  そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。

運命の番?棄てたのは貴方です

ひよこ1号
恋愛
竜人族の侯爵令嬢エデュラには愛する番が居た。二人は幼い頃に出会い、婚約していたが、番である第一王子エリンギルは、新たに番と名乗り出たリリアーデと婚約する。邪魔になったエデュラとの婚約を解消し、番を引き裂いた大罪人として追放するが……。一方で幼い頃に出会った侯爵令嬢を忘れられない帝国の皇子は、男爵令息と身分を偽り竜人国へと留学していた。 番との運命の出会いと別離の物語。番でない人々の貫く愛。 ※自己設定満載ですので気を付けてください。 ※性描写はないですが、一線を越える個所もあります ※多少の残酷表現あります。 以上2点からセルフレイティング

処理中です...