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初日  1

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あれから数日が経ち

沙織さんたちが家に引っ越してきた。

普段は俺と親父の二人しかいない静かな家が騒がしい。

「沙織さん・・・こっち」

親父頑張ってるな~?

「恵、お前!!ボッ~としてないで手伝えよ!!」

「へーい」

俺はというとそんな彼らをおいてキャベツを切っていた。

お昼が近い。みんな自分たちの片付けで手が一杯のはず・・・

だから、俺が作っている。

トントントントン・・・キャベツを切っている

そんな俺を見つけたのは紗耶香が近づいてきた。

「ふーん。うまいもんだ・・・何か手伝おうか?」

「いいよ。紗耶香ちゃんは自分の部屋を片付けてきなよ」

「ほーい」

トントントントン・・・・ニンジンを切っている。

トントントントン・・・・豚肉を切っている。

フライパンに油を入れて火をつけた。

フライパンがあったまるまでに、そばを開けて水にさらしてほぐす。

そして、軽く水を切ると

パチパチと油が跳ねる音がしてきた。

そろそろだな・・・

じゃ~!!

豚肉を入れて、軽く炒める。そして、ニンジン、キャベツと入れて行った。

そこで、塩コショウを振って、軽くした味をつける。

じゃ~!!

野菜がしんなりしてきたところで、そばを入れた。

じゃじゃじゅじゃわ~!!

そこへおた〇くソースをかける

じゅわわわじゃわ~!!じゅわ~!!

ソースのいい匂いがキッチンに広がっていった。

ここで隠し味にコチュジャン・・・これでちょっとピリ辛に・・

ジャンジャンとかき混ぜて焼きそばの完成!!

盛り付けをしていると匂いにつられたのかみんながダイニングに集まってきた。

「いい匂い!!」

「あ・・・焼きそばだ!!」

俺は偉そうに言った。

「今日は引っ越しだろう!!だから、引っ越しそばだよ!!」

「「「・・・」」」

3人の目が点になっている。

「あれ・・どうしたの?」

すると親父が

「うっほん!!恵・・・引っ越しそばは普通のそばを食べることだよ」

「へ?でも・・・これもそばだよ」

「ぷー!!」

すると瀬里奈さんが噴き出した。

「あははは・・・恵君・・・面白過ぎ・・・」

「だから!!恵、そのそばじゃなくて日本蕎麦だ。ざるそばとか掛けそばのことだ。わかったか?」

親父の一言に沙織さんも紗耶香ちゃんも笑い出した。

大失敗だ・・・

俺が落ち込んだのを見て、沙織さんが

「せっかく、作ってくれたんだから食べましょうよ」

「そうだね」

そして、みんなは一口目を食べて

「うまい!!」

「ちょっと甘い所からのピリ辛がいいわ」

味には問題はなかったようだった。
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