間違いで始まるストーリー

Seabolt

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月曜

山本は野村に会って挨拶をしていると恭介とすれ違った。

「おはよう」

「あ・・おはようございます。」と挨拶を返す恭介

しかし

野村は浮かない顔をしていた。

山本は少し気になって

「るみちゃん。どうしたの?」

「えっ?」

「何か暗いわよ」

「そうですか?」

「で・・どうだったの土曜日・・」

「別に・・・」と野村は歩くスピードを上げて行った。

「るみちゃん?」とおかしいと追いかける山本・・

恭介はいつもの自販機の前で、休憩していると渡辺があらわれて、

ニヤリと笑みを浮かべ・・・

恭介の顎の辺りを指差しながら。

「お盛んですねぇ~。金曜は山本さん、土曜は野村さんと・・」

恭介は驚いた何でこいつか知っているんだ?

野村さんとのことならわかるけど・・

山本さんとのことは、知らないはずだ。

それとも

俺の女装がばれた?

どきどきしながら

「何だよ!いきなり・・・」と聞き返すと。

「俺は見たんだよ。」

「だから何を」

「土曜日、野村さんと一緒にいるところを・・」

その時、自販機の近くにいた野村は声を聞いて身を潜めた。

「野村さんと・・ああ・・・いたさ・・何か?」

「ふ~ん、認めたか・・・」

渡辺は、拍子抜けした表情をしたが・・・話を続けた。

「でも、お前、前日山本さんのところにいたそうだなぁ?」

「お・・お前・・・証拠でもあるのか?」

「西村さんが教えくれた。」

恭介はその一言にうつむくしかなかった。

「・・・・」

しばらくして、渡辺が

「お前みたいな奴とは、もう縁を切る。俺もどうかしてたぜ・・・同期だから付き合っていたが、前日女の所にとまって、翌日別の女とデートかよ」

言ったとき、廊下のほうでガタッと言う音がした。

そこへ振り向くと涙を流している野村の姿があった。

「野村さん・・・」と声をかける恭介・・

「っ・・」と声にならない状態で、恭介を見る野村・・

次の瞬間

野村は、反対側へ走り出した・・・

恭介は「野村さん!」と追いかけた。

追いかける恭介・・・

何とか野村に追いついて野村の手を引いて

「野村さん・・・聞いてくれ・・」と言うと野村は立ち止まった。

「野村さん・・」と恭介が言った瞬間だった

バチーン!!

恭介の左頬にビンタが飛んできた。

そして

野村は何も言わずに去って言った。

一人残った恭介・・・

ぶたれた頬をさすりうつむいた。

そして

しばらくして

妙な安堵感に気付いた。

その頃

渡辺は西村に恭介のことを言っていた。

「何!、あのヤロ~!!もうゆるさねぇ!!」と西村は激怒した。
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