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それぞれの想い
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肩を落としてマンションをでる西村・・
少し離れ振り返り、もう一度山本の住む階を見上げ
「は~」とため息をはき、そのマンションを背に歩き出した。
それを見ていた恭介
恭介を後ろから山本は訪ねた。
「行った?」
「うん。行った。」
にこやかに答える恭介。
「本当?」
再度、聞きなおす山本
「本当に・・・」
「やった!!」
山本は、声を上げ恭介の両手をつかんだ。
「やった。やった」
二人はハイタッチをし、
そして
抱き合って喜び・・・
二人は、思わず軽くキスをしてしまった。
「あっ・・・」
うつむく二人・・・
二人は視線を上げた。
しばらく
見つめ合う・・・
気付くと手をつないだままだった。
二人はぱっと手を離し後ろを振り向いた。
そして
「あした・・」
そう言おうとした瞬間だった。
恭介は、思わず後ろから山本を抱きしめた。
しばらく黙る二人・・・
山本もこのまま・・・そう思っていた時、野村の顔が浮かんできた。
「・・・明日、るみちゃんと約束でしょ・・・」
恭介はわれにかえった。
そして
抱きしめていた手が緩んだ
山本は、その手をほどいて振り向いて。
「しっかりね・・」
「ああ・・」
恭介は、さびしそうに洗面所に戻り、荷物を取ってきた。
靴を履き山本へ向かって
「山本さん・・・じゃぁ・・帰ります。」
そう言い振り向く恭介。
その背中を見て・・・
山本は彼の背中に思わず抱きついてしまった。
「や・・・やまもと・・さん?」
驚く恭介
山本は行かないで・・・と言いそうになった言葉を飲み込み
「ありがとう・・・いろいろと・・・」
そして、
「山本さん?」
恭介は、体を動かし振り向こうとすると
「振り向かないで・・・」
今振り向かれたら、
彼を見送れない・・
「やまもとさ・・・」
恭介は身動きがとれず、そう言った時だった。
「本当にありがとう。気をつけてね・・」
そういう言葉と共にスーッと山本の手が恭介から力なく離れた。
しばらくして
「はい・・・山本さんこそ」
恭介の言葉を最後に扉が閉まった。
中に残った山本の目から涙がこぼれた・・・
そして
玄関先にへたり込み・・・
一人泣いていた・・・
振り返ってほしかった・・・
とぼとぼ歩く恭介・・・
俺は?
どうしたんだ・・・
しばらく立ち止まった恭介・・・
もどりたい・・・しばらく考えた恭介だったが
再び歩き出した。
一方、西村は、渡辺と居酒屋で飲んでいた。
「西村さん・・・とりあえず、どうします」と
「生中で・・」
「店員さん、生中二つ!」と渡辺が注文する。
「ところで、久保を知ってるだろう。」
「はい・・」
「あいつと付き合ってるんだ。」
「えっ?」
驚く渡辺
「だから、はるかが、久保って奴と付き合ってるんだ。」
「え~!!、あの軟弱な恭介と・・・山本さんが?」
あまりもの驚きに大声をあげる渡辺・・・
そこへ、生中が届いた。
二人はとりあえず、一口飲んで・・・
「それで?今日は、どうだったんですか?」
「聞くな、それを」
「ひょっとして・・」
「そうだよ・・・」
「恭介が・・・」
「もういいだろ・・」
西村は、もう終わったんだよな・・と自分を無理やり納得させようとしていた。
少し離れ振り返り、もう一度山本の住む階を見上げ
「は~」とため息をはき、そのマンションを背に歩き出した。
それを見ていた恭介
恭介を後ろから山本は訪ねた。
「行った?」
「うん。行った。」
にこやかに答える恭介。
「本当?」
再度、聞きなおす山本
「本当に・・・」
「やった!!」
山本は、声を上げ恭介の両手をつかんだ。
「やった。やった」
二人はハイタッチをし、
そして
抱き合って喜び・・・
二人は、思わず軽くキスをしてしまった。
「あっ・・・」
うつむく二人・・・
二人は視線を上げた。
しばらく
見つめ合う・・・
気付くと手をつないだままだった。
二人はぱっと手を離し後ろを振り向いた。
そして
「あした・・」
そう言おうとした瞬間だった。
恭介は、思わず後ろから山本を抱きしめた。
しばらく黙る二人・・・
山本もこのまま・・・そう思っていた時、野村の顔が浮かんできた。
「・・・明日、るみちゃんと約束でしょ・・・」
恭介はわれにかえった。
そして
抱きしめていた手が緩んだ
山本は、その手をほどいて振り向いて。
「しっかりね・・」
「ああ・・」
恭介は、さびしそうに洗面所に戻り、荷物を取ってきた。
靴を履き山本へ向かって
「山本さん・・・じゃぁ・・帰ります。」
そう言い振り向く恭介。
その背中を見て・・・
山本は彼の背中に思わず抱きついてしまった。
「や・・・やまもと・・さん?」
驚く恭介
山本は行かないで・・・と言いそうになった言葉を飲み込み
「ありがとう・・・いろいろと・・・」
そして、
「山本さん?」
恭介は、体を動かし振り向こうとすると
「振り向かないで・・・」
今振り向かれたら、
彼を見送れない・・
「やまもとさ・・・」
恭介は身動きがとれず、そう言った時だった。
「本当にありがとう。気をつけてね・・」
そういう言葉と共にスーッと山本の手が恭介から力なく離れた。
しばらくして
「はい・・・山本さんこそ」
恭介の言葉を最後に扉が閉まった。
中に残った山本の目から涙がこぼれた・・・
そして
玄関先にへたり込み・・・
一人泣いていた・・・
振り返ってほしかった・・・
とぼとぼ歩く恭介・・・
俺は?
どうしたんだ・・・
しばらく立ち止まった恭介・・・
もどりたい・・・しばらく考えた恭介だったが
再び歩き出した。
一方、西村は、渡辺と居酒屋で飲んでいた。
「西村さん・・・とりあえず、どうします」と
「生中で・・」
「店員さん、生中二つ!」と渡辺が注文する。
「ところで、久保を知ってるだろう。」
「はい・・」
「あいつと付き合ってるんだ。」
「えっ?」
驚く渡辺
「だから、はるかが、久保って奴と付き合ってるんだ。」
「え~!!、あの軟弱な恭介と・・・山本さんが?」
あまりもの驚きに大声をあげる渡辺・・・
そこへ、生中が届いた。
二人はとりあえず、一口飲んで・・・
「それで?今日は、どうだったんですか?」
「聞くな、それを」
「ひょっとして・・」
「そうだよ・・・」
「恭介が・・・」
「もういいだろ・・」
西村は、もう終わったんだよな・・と自分を無理やり納得させようとしていた。
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