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合コンの後
しおりを挟む合コンも終り、それぞれ家路について残るは山本さんと俺だけだった。しかも、俺は女装したままで、美容室フランは既に閉まっていて着替えができない状態になっていた。そんな俺を面白そうに見ている山本さんは、
「じゃぁ・・・」
そう言ってささっと帰ろうとしたので思わず呼び止めてしまった。
「山本さん!!」
彼女は、完全に面白がっているようだった。
「なに?」
「着替え・・・どうしたら・・・」
「はぁ~、家で着替えれば・・・」
「それは・・・無理!!」
「なぜ・・」
「独身寮・・・・なべの奴もいるし・・」
「そうね・・・だから?」
「だからって・・・」
「どうしたら?」
「思い切って、独身寮に戻ったら・・・」
「そ、そんなこと・・・どうなることか・・」
真剣に伝えると山本さんは笑い始めた。
「笑い事じゃないですよ・・・」
口を尖らせて怒る俺を見て
「ごめん、ごめん・・もう・・・世話の焼ける。ちょっと来なさい。」
彼女は俺の手を引っ張って近くの雑貨屋に入った。
「とりあえずここでクレンジングを買って・・・」
「クレンジングって・・?」
「うっ・・・じゃぁ、一緒に来なさい。これとこれと。」
二人で店内を歩き、クレンジング、コットンをかごへ入れた。
「ネイルは?」
「ネイル?」
不思議そうに見る恭介
山本は彼の両手を取って見ると、カラフルにデザインされていた。
「まぁ~かわいいこと・・ここまでする?」と除光液をかごへ
「で、服は?」
「フランの中・・・」
それを聞いて山本はため息をついた。
「じゃぁ。あと服とタオルと入れてきて・・・」
「あと、これと、これね・・」
氷、そして、ビール・ブランデー そして、あてをポイポイとかごに入れる山本・・・
「ちょっと、これは?・・・」
それを見た恭介は・・・
「私んちに来るんでしょ?お酒ぐらい付き合ってよ。」
「そ・・・それは?」
恭介は戸惑った。
「勘違いしないでよ。・・・それともテキトーなホテルで着替える?」
「いえ、いえ、ありがとうございます。」
「じゃぁ、全部あなたが払ってね」
「はい。・・」
二人は、山本の家に向かった。
「とりあえず、洗面に入って、顔をおとして・・」
山本は指示した。
恭介は、洗面所に入った。
まず、ウィッグを外したまではよかったが
顔を落とすってどうやって?と考えたがわからない
途方にくれた恭介は
「すみません。これどうやっておとすの・・・」
「こうして・・」と教える山本・・・
何とかメイク・ネイルを落とした恭介・・・
そして
服を着替えていて、上を脱いだら、ブラジャーをつけていたのを思い出した。
どうしよう・・これどうやって外すんだ?
手を後ろに回す恭介・・・
しかし
なかなか外れるない・・・・
そこへ
「おそいわよ・・」と顔を出す山本・・・
さっと前をTシャツで隠す恭介・・・
「なによ・・・なんか私が覗いているみたいじゃない・・・」
その様子を見た山本が聞いた
「あ・・・あの・・」
うつむいて話す恭介
「なによ。はっきりいいなさいよ。」
そして
Tシャツをはずし、ブラを見せる恭介・・・
「こ・・・これ外れないんだけど・・・・」
まじまじと見入る山本
「なにもここまで・・・」と笑い出す山本
「笑い事じゃない・・・」
「ごめん、ごめん・・・・本当に、ここまでやる?後ろ向いて」と恭介を振り向かせた
そして
ホックを外した。
ようやく、着替えをすませ。
「じゃぁ、今日の合コン無事終了にカンパーイ」
二人で乾杯し飲み始めた。
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