Love Trap

４．

３

自宅に送られたハンクは、ノッドが何を何処に確かめに行ったのかも分からないままだった。
話そうとしないノッドに苛立ちが募る。協力してフィックスを助けようと言うのに、これではちっとも信用出来ない。信用出来なければ、協力する意味がない。
ため息が自然と漏れる。


──どうすればいい？どこにいるんだ？フィックス……


そう窓の外へ投げ掛けても返事はない。
何か見落とした情報はないか。そう思い、ハンクはノッドが研究所から盗んできたノートパソコンの電源を入れた。
すると、受信箱に１通、メールが届いていた。ノッドと情報を探していた時には無かったものだ。
一体誰が、と思いながらも開いてみる。すると、タイトルにハンクとノッドへ、と書かれてあった。
胸がざわめく。
まさか、フィックスだろうか？そう疑いながら本文に目を走らせる。


ハンクとノッドへ

突然で驚くだろうけど、俺はフィックスだ。
あの事故で俺は死んでない。
ストレイン博士達にサイボーグにされたんだ……！
今は監禁状態にある。
このメールも彼等の目を盗んで書いてる。
俺は今、パバハムーラ国の、パムラにある科学研究施設にいる。
助けてくれ。
お願いだ。

フィックス・ケリー


読み終えても、鼓動は早いままだった。メール画面を閉じる事も出来ず、また、居場所が分かった事にも興奮し、動けない。


──早く行け。向かうんだ。


そう頭の中で自身に言っても、まるで神経が行き届いていないかのようだった。