職業、死神

たける

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7.父と母と子

1.

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地下牢に戻ると、俺と入れ替わるように、小太りの男が再び檻から出された。また、パニーニに会いに連れて行かれるのだろうと思っていたが、男は口笛を吹きながら、1人で地下牢から出て行った。
不思議に思った俺は、見張りの男に尋ねてみた。
何故あいつは、今度は1人で出て行くのかと。すると見張りの男は、俺を牢屋に入れながら答えた。

「アイツは無罪放免だ」
「何故そうなる。パニーニの言葉だと、同性との交わりは重罪じゃなかったか」

ジムがその罪で死罪なら、当然あの男もそうなるべきだ。

「確かに重罪だ。だがな、アイツは、あの坊やに誘われて、無理矢理犯させられた、と証言したんだ。その事は、あの坊やも認めてる。だから、無罪放免なんだよ」

俺が見ていた限りでは、そうではないように見えたが。
ジムがそう認めたなら、そうなのだろう。俺が知らない間に、そのような取引が行われていたのだ。

「処刑は明日だ。まぁ、最期の飯は食わせてやる。ありがたく思えよ」

何とも恩着せがましい言い方だったが、人間は食べないとならないので、ジムには喜ばしい事だろう。だが、ジムからは、そう言った見張りの男の言葉に対しての返事はなかった。




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