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第21章.クリスマス
3.
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シャワーを浴びてリビングに戻ると、朋樹が──何か背中に隠しながら──笑顔で近付いてきた。
「な、なに?」
さっきのうさぎの耳があるから、つい身構える。
「澪さんに、本当のプレゼント!」
「ほん……とうの……?」
意味を上手く飲み込めないまま、おうむ返しに聞いてしまった。すると朋樹は、背中から真紅の花束を俺に差し出した。
「とも……き……?」
息を飲む。
胸が高鳴り、苦しくて仕方がない。
「澪さん……貴方を愛してる」
そう言った朋樹に、俺は顔が熱くなるのを感じた。
「改めて言うのも何だけど、オレだけの物になって欲しいんだ」
ずっと願っていた言葉を聞いて、俺は足が震えた。嬉しくて堪らない。
「は……い……」
何とかそう答えると、朋樹の指が頬に触れた。
「愛してる……澪さん」
今度はゆっくりと味わうようにキスをしてくる。胸元に薔薇を抱いたまま、朋樹に応えるようにキスを返した。
「俺も……愛してる」
真っ直ぐに見つめ返し、強い意志を朋樹に伝える。
「嬉しいよ、澪さん!」
そう言いながら俺を椅子に座らせると、朋樹は冷蔵庫からケーキの箱と、シャンパンを取り出した。思ってもみない朋樹の行動に、俺は驚きっぱなしだった。胸はずっと高鳴っている。
「ありがとう、朋樹」
微笑みながらお礼を言うと、朋樹は向かいにグラスを持って座り、2つのグラスへシャンパンを注いだ。
「たまには、こう言うのもいいでしょ?」
その1つを手渡してきた朋樹は、とどめだと言わんばかりにウィンクを寄越した。
「な、なに?」
さっきのうさぎの耳があるから、つい身構える。
「澪さんに、本当のプレゼント!」
「ほん……とうの……?」
意味を上手く飲み込めないまま、おうむ返しに聞いてしまった。すると朋樹は、背中から真紅の花束を俺に差し出した。
「とも……き……?」
息を飲む。
胸が高鳴り、苦しくて仕方がない。
「澪さん……貴方を愛してる」
そう言った朋樹に、俺は顔が熱くなるのを感じた。
「改めて言うのも何だけど、オレだけの物になって欲しいんだ」
ずっと願っていた言葉を聞いて、俺は足が震えた。嬉しくて堪らない。
「は……い……」
何とかそう答えると、朋樹の指が頬に触れた。
「愛してる……澪さん」
今度はゆっくりと味わうようにキスをしてくる。胸元に薔薇を抱いたまま、朋樹に応えるようにキスを返した。
「俺も……愛してる」
真っ直ぐに見つめ返し、強い意志を朋樹に伝える。
「嬉しいよ、澪さん!」
そう言いながら俺を椅子に座らせると、朋樹は冷蔵庫からケーキの箱と、シャンパンを取り出した。思ってもみない朋樹の行動に、俺は驚きっぱなしだった。胸はずっと高鳴っている。
「ありがとう、朋樹」
微笑みながらお礼を言うと、朋樹は向かいにグラスを持って座り、2つのグラスへシャンパンを注いだ。
「たまには、こう言うのもいいでしょ?」
その1つを手渡してきた朋樹は、とどめだと言わんばかりにウィンクを寄越した。
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