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たける

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アルテミス号に残されたジョシュ達は、どうすれば誰も死なずに済むかを討論していた。

「ようするに、3人共助けられて、ラナフ号の艦長を評議会に突き出せればいいんだ」

そうジョシュが言うと、持ち場に座って艦長達の通信を聞いていたマナ・ホップスは、そっとインカムを置いた。

「艦長達から通信器が外されたわ。これでもう、向こうに何が起きても分からない」

そう言ったホップスは、アルテミス号の士官として落ち着きを取り戻そうとしていた。早く冷静にならなければならない。そうしないといい案も出ないし、咄嗟の事への対処も遅れてしまう。だが、何より心配だったのは、艦長代理を命じられたジョシュ・デビットの事だった。
講習や実習では、いつもジョシュは飄々としていて掴みどころがなく、どこから本気なのか分からなかった。そんな彼は、今まで見せた事のない真剣な顔をしている。だから心配だった。無茶な事を言い出したりしないだろうか?

「そうは言うがな、ジョシュ。向こうは人質を3人も捕ってるんだ。スーパーマンじゃないんだから、簡単にはいかないだろうよ。ましてやピサロ艦長は、20分しても戻らなかったら、最悪の状況を想定し、転送装置でファイ副艦長殿を迎えに来いと言ったんだぞ?」

相変わらず難しい顔をしながら、ワイズはジョシュを諭すように言った。

「それなんだけど、どうして迎えに行くのにファイ副艦長だけなんだろう?3人共一緒に転送すればいいんじゃないのかな?」

アルテミス号を停滞させたハンク・デルマは首を傾げた。確かにおかしな話だ。

「艦長は向こうの提案を飲まないつもりなんだ」

ジョシュは、ピサロが死ぬつもりだとは言わなかった。そしてふと、考えた。
待つ事も大事だろう。だが自分は待つのが嫌いだ。なら、艦長の命令に背くしかない。今までも多々艦隊規則に背く行為をしてきた。どう処分れようと、ジョシュは自分の信じる道を進みたい。そう腹に決め、ぱちんと司令席を叩いた。

「俺はこれから、たくさん規則を破る事になるだろう。こうやって時間がくるのを待っていたくないんだ。だから、君達はそれを見て見ぬフリをして欲しい」

ワイズ、デルマ、ミューズ、ホップス、カールと見遣り、ジョシュはキッと唇を結んだ。

「デビット、貴方何を考えてるの?無茶をするつもりなら……」
「無茶な事だよ、マナ。だけど今俺は、アルテミス号の艦長だ。反発するなら命令に言い換えるぞ……
?」

そう言うと、ホップスは厳しい顔で腕を組んだ。どうして男はこうも無茶をしたがるのだろう。

「で……?何だよ、その無茶っての。聞こうじゃないか」

カールは悪戯の作戦を練る子供のようにジョシュを促した。

「今から3人を救出に向かう」

それしかない。交渉など到底無理な事は、最初から分かっている。なのにあの石頭が反論するからいけないんだ。そう思いながら、ジョシュは仲間達に作戦を話し始めた。




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