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しおりを挟む──どうなるんだ?無事生還出来るのか?
そう思いながら、ジョシュはスクリーンを睨んでいた。酷く長い間飲み込まれていたように感じる。だが、ジョシュの思いも虚しく、闇を抜けた場所は海だった。
落下時に起こるGを計算する暇もなく、アルテミス号は沈んで行く。波の様な飛沫がスクリーンに上がり、景色は一瞬にして青く染まった。
「みんな、大丈夫か?カール、エンジンはどうだ?ホップス、通信機器は使えるか?」
ジョシュが質問する。
『エンジンは駄目だ!完全にイカレちまったよ、修理が必要だ……クソッ!』
と、カール。
「通信機器は概ね使用可能ですが、一部のシステムに感染症が見られ、本部との連絡は取れません……!」
マナ・ホップスがあちこちボタンを押しながら答えた。
「艦長、先程の無理が祟り、ワープ機能も使用不可能です」
ファイがそう言うと、ジョシュは肘置きに肘を置き、顎を摩りながら何やら考え出した。
いつの間にかメインルーム内のアラートは静かになっている。ホップスが言った感染症が、そのシステムを浸蝕し始めているのだろう。
──ここは何処なんだ?
ワープも出来ず、本部との連絡も取れない今、アルテミス号は完全に孤立してしまった。
沈む前、建物を見た。その他は何もない。もしこの惑星に人がいるのだとしたら、目撃されたのはその建物にいる者達だけだろう。
大事にならなくて良かったと感じつつ、この惑星の文明はどれぐらいの物だろう?そしてそれは、敵か味方かと考える。が、それすら分からない。
早急にシステム内に広がる感染症の原因を突き止め、治療しなければならない。
「無線はどうだ?」
ジョシュはホップスを振り返った。すると、彼女は素早くボタンを押し頷いた。
「どうやらこの付近に人がいるようで、そこから出ている電波を傍受しました」
「よし。人がいるなら、交渉出来るな」
漸くジョシュに悪戯な笑みが戻った。
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