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第4章
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デニス達のアパートに向かう車中、ローレンはジェシカに事情聴取について話した。
「僕が考えるに、デニスはハングマンを庇ってるんじゃないかな」
ハンドルを握るジェシカは首を傾げた。
「どうしてそう思うの?まだハングマンからは話を聞いてないのに」
「デニスは、親代わりをしてくれてるハングマンには、マイケルは殺された、仇を伐ちたい、みたいな事を話していたんだと思うよ。それでデニスは必死になって、マイケルにヘロインを売ったバイヤーを捜した。もしかしたらハングマンも、手伝ったかも知れない」
そこで1度言葉を切り、推理を働かせる。
「そしてナターシャ・メロウを突き止め、デニスは彼女に近付いた。その結果、ミカルと言う女性に変装させてまで、メロウはデニスに惚れたと言う訳さ。彼がマイケルの兄だとは知らずにね。で、デニスは機会を見計らってたんだ」
車をゆっくりとアパート前に停車させると、ジェシカはローレンを振り返った。
「デニスが殺したんじゃない。だけどハングマンが殺した事を、デニスは多分知らないんだと思うよ」
弟を殺した犯人を逮捕して欲しい、と訴えてきたデニスは多分、弟を殺した犯人を先に殺した奴を捜してくれ、と言いたかったのだろうと思う。
「もしそうだったら、デニスはどう思うかしらね」
そう呟いたジェシカは、沈み始める夕日を眺めた。
「僕が考えるに、デニスはハングマンを庇ってるんじゃないかな」
ハンドルを握るジェシカは首を傾げた。
「どうしてそう思うの?まだハングマンからは話を聞いてないのに」
「デニスは、親代わりをしてくれてるハングマンには、マイケルは殺された、仇を伐ちたい、みたいな事を話していたんだと思うよ。それでデニスは必死になって、マイケルにヘロインを売ったバイヤーを捜した。もしかしたらハングマンも、手伝ったかも知れない」
そこで1度言葉を切り、推理を働かせる。
「そしてナターシャ・メロウを突き止め、デニスは彼女に近付いた。その結果、ミカルと言う女性に変装させてまで、メロウはデニスに惚れたと言う訳さ。彼がマイケルの兄だとは知らずにね。で、デニスは機会を見計らってたんだ」
車をゆっくりとアパート前に停車させると、ジェシカはローレンを振り返った。
「デニスが殺したんじゃない。だけどハングマンが殺した事を、デニスは多分知らないんだと思うよ」
弟を殺した犯人を逮捕して欲しい、と訴えてきたデニスは多分、弟を殺した犯人を先に殺した奴を捜してくれ、と言いたかったのだろうと思う。
「もしそうだったら、デニスはどう思うかしらね」
そう呟いたジェシカは、沈み始める夕日を眺めた。
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