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80年前の真夏のサバル。その暑ささえ懐かしい、と思えなくなっている。
目の前に建つ研究所を見上げ、そして、走り去った車を見つめた。
砂埃が僅かに舞い上がり、足元を白くさせる中、ノッドは館内へと足を踏み入れた。
心地よい空調が肌を掠める中、2階にいる筈の人物に会うべく、ノッドは緩やかな螺旋階段を上った。
その男は、まだ窓際に座っている。そして何かを握りしめていた。
その何かを、ノッドは知っている。
「カーディナル」
そう呟くと、男はゆっくりと振り返った。
同じ顔。
それはあの日の自分自身。
「お前は、俺……なのか?」
「未来のな」
歩み寄り、向かいに座ったノッドは、自身を観察しあった。
全く同じ。だが、その内面は違う。
「何しに来た?地球でも滅亡するのか?」
「いいや。お前に会って貰いたい人物がいる」
自身は首を傾げた。
「誰だ?」
ノッドは自身へと手を差し延べた。
「誰だっていいだろ」
自身がリタルド人と出会う事によって、どのような道を歩んで行くかは分からない。だがそれは、決して絶望ではない。そう確信しているノッドは、握りしめられている自身の手を上から握った。
「さぁ、行こう」
目の前に建つ研究所を見上げ、そして、走り去った車を見つめた。
砂埃が僅かに舞い上がり、足元を白くさせる中、ノッドは館内へと足を踏み入れた。
心地よい空調が肌を掠める中、2階にいる筈の人物に会うべく、ノッドは緩やかな螺旋階段を上った。
その男は、まだ窓際に座っている。そして何かを握りしめていた。
その何かを、ノッドは知っている。
「カーディナル」
そう呟くと、男はゆっくりと振り返った。
同じ顔。
それはあの日の自分自身。
「お前は、俺……なのか?」
「未来のな」
歩み寄り、向かいに座ったノッドは、自身を観察しあった。
全く同じ。だが、その内面は違う。
「何しに来た?地球でも滅亡するのか?」
「いいや。お前に会って貰いたい人物がいる」
自身は首を傾げた。
「誰だ?」
ノッドは自身へと手を差し延べた。
「誰だっていいだろ」
自身がリタルド人と出会う事によって、どのような道を歩んで行くかは分からない。だがそれは、決して絶望ではない。そう確信しているノッドは、握りしめられている自身の手を上から握った。
「さぁ、行こう」
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