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 エリオットは肩で息をしてぐったりしている天音の腰を抱え込み、尻に指を這わせると天音は慌てたように身を起こした。

 「で、殿下!?何を……」
 「いいから寝ていろ」
 
 そう言って天音の身体を優しく押してベッドに再び寝かせる。手早く手元にあった瓶を手に取って中の液体を手につけていく。
 
 (わかっていたけど……!やっぱり緊張する!)

 ドキドキしながら身構えていると、エリオットは自然に力を入れていた天音の蕾を指でほぐしていく。オイルをつけている指がじんわり暖かくてなんとも言えない不思議な感覚がする。

 「ひっ、う、あ……」
 「力を入れるな、深呼吸しろ」

 額にちゅっと唇を落としてエリオットは天音の唇を啄むようにしてから深く口づけをする。あんなに緊張していたのにすぐさまエリオットとの口づけに夢中になる。
 エリオットの舌の動きを受け止めながらも自身も絡めるようにするとなお深くなった。
 鼻で呼吸していてもなんだか苦しくて思わず自分から離すとエリオットの瞳は獣のようにギラつかせて舌で唇を舐めた。
 力が入らないくらいに口づけを交わしながら尻の蕾を入念にほぐしたせいで、すっかり顔を隠す気力も無くなった天音は快楽に身を委ねるようにして喘ぐようになり天音自身も再度上を向いていた。

 「挿れるぞ」

 猛り立つエリオットのそれは天音の何倍も大きく、怯みそうになるもエリオットはガシッと天音の腰を抱えて濡れそぼった蕾にあてがった。

 「んっ!──いっ」

 ゆっくりと天音の体内に侵入してくるエリオット自身の痛みに力が思わず入る。
 狭い入り口に眉を顰めながらエリオットは痛みに呻く天音の唇を食んだ。エリオットの唇を受け止めた天音は感じていた痛みがすぐに快楽に変わっていくのがわかった。
 舌の裏側をなぞられてふるりと震えた天音は甘えるように自ら舌を絡ませてきた。唇を塞ぎながらエリオットは天音の腕をとって自分の首に回す。
 身体をピッタリと密着させるとわずかに汗ばんだ身体からお互いの熱を感じ取り、いっそう興奮をかき立てる。
 ゆっくりと少しずつ天音の体内にエリオット自身を埋めていくと、きゅうきゅうとエリオット自身を締め付ける天音の体内にエリオットは欲望のまま動かしたい衝動を抑えながら根元まで到達させた。

 「全部、入ったぞ……」

 繋がった部分を見ると天音の体内がエリオット自身を飲み込んでいて、天音の陰茎の先からは絶え間なく汁がこぼれているおり、なんとも言えない淫靡な眺めにエリオットは思わず眩暈がした。
 とろんとした表情の天音の瞼に口づけを落とすとエリオットは腰をゆっくりと動かす。

 「あ、はっ……んん!やっ、でんか……っ」
 「大丈夫だ、から」

 天音の頬をするりと撫でながらこぼれた涙を舐め救う。グチュグチュと水音と吐息が部屋中にこだまする。
 天音の表情をもっと見たいエリオットは口づけをやめて今度は大きく上を向いた天音自身を握り上下に扱いた。力を向いたと同時に今度はずるりと腰を引いては押してを繰り返す。

 「あ、あ、殿下ああ、なんか、これ、変ですっ……」

 押しては引いてを繰り返す快楽の波に天音は頭の芯が痺れたような感覚に陥る。

 「エリオットだ、殿下と呼ぶな……天音」
 
 耳元で自分の名前を囁かれたことで天音は思わず自分の下半身が疼いて身をよじらせた。

 「エリ、……オット……」
 「天音、好きだ。好きだっ」
 「あうっ……俺も好き、好き……エリオット──!」

 息も絶え絶えにエリオットの名前を紡ぐと、エリオットの腰の動きが途端に激しくなる。
 卑猥な水音がいっそう部屋にこだまして天音は声を上げた。

 「ああああっ!」
 「天音、天音、俺の名前をもっと呼んで」
 「エリオット…!──うあっ……エリオット……ッ」
 
 その瞬間頭の中が真っ白になって、天音が果てるのと同時にエリオットも欲望を吐き出した。生温かい自分の体液が腹を再度濡らす。
 ずるりと引き抜かれた感覚に少し名残惜しさを感じながら天音は遠くなる意識の中でエリオットに口づけをされたのを最後に意識を手放した──。
 

 
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