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両思い ※

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 鼓動が早くなるのを感じながらゆっくりと唇を重ねる。お互いの唇が離れると熱を帯びた吐息がかかり合う。

 (ほんとだ……猫にならない)

 右手につけたテオドールからもらった金の腕輪をチラリとみやる。腕輪の効果を確認しているとそれに気づいたエリオットがムッとしたように「よそ見をするな」と天音の唇を食む。
 奪うような口づけに身体の力が抜けてへたり込みそうになるのをエリオットがすかさず腰を抱いて支える。

 「んっ……ふっ」

 深い口づけに眩暈がしそうになる。貪るように口づけを落としていくエリオットは天音の唇を舌でこじ開けた。

 「ん!……んむっ」

 口腔内に侵入してきた生暖かな感触に一瞬怯んだが、逃さないようにエリオットの舌が絡めとる。おずおずとそれに応えると、いっそうエリオットの舌の動きが激しくなる。気づけば夢中でお互いの唇を貪り合っていると天音の閉じた瞼から訳もなく涙がこぼれ落ちた。
 水音がやけに部屋に響いてそれがよりお互いの興奮をかき立てる。どちらのものともわからなくなった唾液がこぼれ落ちる前にゴクリと飲み干したのを合図にお互いの唇が離れると、エリオットはゆっくりと天音をベッドに押し倒した。
 真剣な表情のエリオットに天音の鼓動が速くなる。はだけた天音のバスローブから尖ったピンクの突起があらわになる。
 エリオットが天音のその突起を指でクイッと押し潰す。

 「ひゃあっ」

 出したことのない自分の声に思わず口元を抑えると、エリオットはその手をゆっくりと解いた。

 「聞かせろ」

 顔を赤くした天音に気を良くしたエリオットは自身も着ている衣服を脱いで今度は胸の突起を摘むと「んむっ」と天音が今度は抑えた声を出した。

 「こら、唇を噛むな。我慢しなくていい、ここは誰も来ないからお前の声は聞こえない」
 「殿下が、聞いてるじゃないですかあっ!」

 羞恥に震えながらこちらを恨めしそうにみる天音の姿は可愛らしくてエリオットは思わず舌なめずりをする。

(まいったな……可愛いすぎる)

 愛しさのあまり再び唇を落とすと大人しく受け入れる天音を思わず抱きしめる。
 お互いの唇を確かめるように口づけを交わしながら天音の胸の突起を摘むとビクッと身体が動いた。指で突起の周りを優しく円を描くようになぞると身をよじらせた。
 唇を離すとお互いの口から銀糸が繋いだ。

 「で、でんかあ……」
 
 潤んだ瞳に上気した頬、半開きの唇からつなぐ糸がいやらしい。胸の突起を舌で転がし、吸ってやると天音は甘い嬌声を上げた。

 「ああっ」

 左右交互にすれば天音の口からより高く喘いだ声を発する。発せられる声は先程までの我慢が嘘のように消えていた。
 エリオットが身体のあちこちをチュッチュッと音を立てて吸うと天音はモジモジと腰をくねらせた。
 腰の下の方に視線を移すと、下着の上からわかるほど昂り、先走った汁が下着を濡らしている。

 「こんなになって……」

 エリオットが意地悪く耳元で囁くと、天音は涙目になり顔を隠した。手早く下着を脱がせるとゆっくりと天音のそれに指を這わせた。
 顔を隠しながらもピクピクと反応する天音を見ながらエリオットは天音自身を優しく握り、上下に扱いた。

 「あああっ、やああっん」

 みるみる扱いた先から透明な汁がこぼれていく。緩急をつけていくと天音は顔を隠していた手でシーツをぎゅっと握りしめた。
 
 「気持ちいいのか。こんなにやらしい汁を出して」
 「いやあっ、言わないでえ……っ」
 「身体の方が正直だな」

 エリオットはニヤリと笑って動きを早くして扱いていく。何かが迫り上がってくる感覚に気が遠くなりそうで、天音は息遣いを荒くしていく。

 「あっ、あっ、そんなに、……したら、イッちゃ──ああああっ!」

 解放された感覚と同時に天音の陰茎から勢いよく白濁した液体が溢れ出る。生暖かいそれはエリオットの手や、腹にかかりシーツまでも濡らした。
 
 「気持ちよかったのか」

 エリオットがそう言いながら手にかかったそれを舌で舐めとる姿を見て天音は居た堪れなくなり顔を隠した。
 
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