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563 王に負けました
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2017. 2. 13
**********
ティアはヒュリアにまだ希望はあるのだと分かって欲しかった。
あの頃とは国の関係も違う。約五百年前。その頃は、他国に協力を頼めるなんて思えなかった。
協力を頼む事は弱みを見せる事。同じような力関係で成り立っていた均衡が崩れてしまう。共同戦線も敷けなかったのだ。同盟とはあくまで同等の力を持つと認めた国同士のものであって、口約束並みに信用できないものだった。
勿論、王同士が仲が良く、稀に協力的な国はあったが、王が変われば変わるような曖昧なものだったのだ。それは、小さな国がひしめき合っていた頃のもの。
しかし、現代は違う。かつて別れていた国は多くが集まり、吸収され、大国と呼べる国も幾つかできている。
自国を安定させるだけで精一杯だ。戦いを挑む国はそうそういなかった。
そう、時代も違うのだ。あの頃の選択は必要ない。それでも、追い詰められ、周りが見えなくなればそこへ辿り着いてしまうかもしれない。
何より、ティアが良くないと思っているのが、サティアの伝説だ。これが広まってしまっている以上、この答えに辿り着く確率は高いのだ。
ヒュリアは、サティアと似た境遇にいると思うのだ。王女であり、国の現状を憂えている。もうダメなのだと感じてしまっているのだ。
「父は何も見えていません。母が動いてはいますが、協力を得られる者は多くはありません……」
これらの情報は、風王によって他には漏れ聞こえないようになっている。ヒュリアは声を落とそうと努力していたが、感情が抑えられないようで良く通ってしまっていたので正解だった。
「彼らは巧みに国へ入り込みました。民達の中にも彼らの思想に共感する者がおります。それを知った時、もう駄目なのだと思いました……。今、協力者が詳しい現状を調べております。もう説得も何も通じないと分かれば、内乱となります。他国からの人々の流入も母が止めるつもりです。隣の国の事。ご迷惑をお掛けするかもしれません。どうか、見守っていただきたい」
ヒュリアは、改めて国の現状を考え、結局協力を取り付ける気がなくなったようだ。頭を下げ、懇願する。しかし、それでは困る。
ティアが意見しようとした時、王と目が合った。そして、任せろというように、王は小さく頷いて見せた。
「ヒュリア嬢。頭を上げなさい」
王の言葉に、ヒュリアは頭をゆっくりと上げる。目が合った事を確認してから、王は話し始めた。
「ウィストの現状は、そこにいるバトラール殿に聞いて知っている。苦しい状況であるのも、何処よりも分かっているつもりだ。だが、一つ言わせてもらおう。かつて、断罪の女神、サティア様が下された決断は、かの方が本当に願った結末ではなかった。それを知っているからこそ、諦めるのはまだ早い」
「サティア様が……」
「……」
ティアも驚いていた。まさか、王がこんな事を口にするとは思っていなかったのだ。そして、王は更に続ける。
「この国には、かつてサティア様と生きた方が居られる。生前のサティア様を知っているのだ。だからこそ分かる。今ならばまだ選択は無限だ。誰に協力を得るかでも変わってくるぞ」
王はニヤニヤと笑った。どんな深刻な悩みも全て吹き飛ばすような、そんなどうにでもなると思える笑みだった。これがこの王の魅力なのだろう。
ティアはそんな王に引っ張られるように苦笑を浮かべたのだ。王はティアの固い表情を心配していたらしい。ティア自身はそんな表情をしているとは気付いていなかった。
苦笑ではあるが、笑みを浮かべたティアに、王はふっと笑みを見せた。それから王は、ティアを指すように顎をしゃくって見せる。
「例えば、そこにいる彼女に頼めば、友人の魔王殿や、竜人族、エルフの長につけ、美人な獣人族といった、伝説の冒険者達が味方に付くぞ」
「伝説の? それは……まさか赤髪のっ……それならば、エルフの長というのはジルバール様っ」
ヒュリアはシェリスのファンだ。そんなシェリスの協力も得られると分かると、魔王が何だというツッコミ所満載の言葉は聞こえていなかったらしい。目をキラキラと輝かせながらティアを見つめた。
「っ……ええ。協力は惜しみません」
「本当ですかっ!?」
「は、はい……」
本当にシェリスが好きらしい。
「では、決まりだな。何とかしてくれ」
「……分かりました……」
軽い。勿論、ティアが動けばやりようはある。ティア自身、動きやすくなる。
「さて、話もまとまったところで……レイ。ヒュリア嬢と踊ってこい。正式ではなくとも、王女のお相手は大事だ」
「はい。ヒュリア嬢。お相手願えますか」
「もちろんですっ」
そうして、ヒュリアはすっきりとした表情で、レイナルートに手を引かれて中央へ向かっていった。
それを穏やかな表情で見送っていたティアに、王が歩み寄り肩を抱いた。
「では、私達も行くか」
「え……?」
ティアは反射的に王妃へ目を向ける。しかし、王妃は歓迎するような笑みで手を振っていた。
「行くぞ」
「いやいや、マズイですって」
ご機嫌で王に背を押され、ヒュリアとレイナルートのいる中央へ向かって行く。
「何がマズイ? ほら、私は似ているのだろう?」
「それが嫌なんですってっ」
「はっはっはっ。是非、セリ様と呼んでくれ」
「……悪趣味……」
「わっはっはっ」
誰もが愉快に笑う王と、その隣で微妙な表情のティアを見て、首を傾げていたのだった。
**********
舞台裏のお話。
ラキア「ティア様が……」
エル「父上の方が上なのだな……父上のあんな良い笑顔、初めて見た……」
ラキア「ティア様……何だか必死で顔を見ないようにしているように見えるのですが……」
エル「そういえば、父上の顔が初恋の人とそっくりだと言っていたな……それも同じ王だ。落ち着かんだろう」
ラキア「楽しんでおられますね」
エル「ティアをからかうなんてな」
ラキア「ティア様の弱った顔……何だか
少しトキメキます!」
エル「あ、ラキアもか? 私も何だか嬉しくなる」
ラキア「見た事のないティア様ですから」
エル「絶対にマスターにだけは知られてはいかんな」
ラキア「ええ」
つづく?
なんて事が起こってましたとさ☆
読んでくださりありがとうございます◎
これだけは絶対です。
何だか王に全部持っていかれました。
では次回、金曜17日の0時です。
よろしくお願いします◎
**********
ティアはヒュリアにまだ希望はあるのだと分かって欲しかった。
あの頃とは国の関係も違う。約五百年前。その頃は、他国に協力を頼めるなんて思えなかった。
協力を頼む事は弱みを見せる事。同じような力関係で成り立っていた均衡が崩れてしまう。共同戦線も敷けなかったのだ。同盟とはあくまで同等の力を持つと認めた国同士のものであって、口約束並みに信用できないものだった。
勿論、王同士が仲が良く、稀に協力的な国はあったが、王が変われば変わるような曖昧なものだったのだ。それは、小さな国がひしめき合っていた頃のもの。
しかし、現代は違う。かつて別れていた国は多くが集まり、吸収され、大国と呼べる国も幾つかできている。
自国を安定させるだけで精一杯だ。戦いを挑む国はそうそういなかった。
そう、時代も違うのだ。あの頃の選択は必要ない。それでも、追い詰められ、周りが見えなくなればそこへ辿り着いてしまうかもしれない。
何より、ティアが良くないと思っているのが、サティアの伝説だ。これが広まってしまっている以上、この答えに辿り着く確率は高いのだ。
ヒュリアは、サティアと似た境遇にいると思うのだ。王女であり、国の現状を憂えている。もうダメなのだと感じてしまっているのだ。
「父は何も見えていません。母が動いてはいますが、協力を得られる者は多くはありません……」
これらの情報は、風王によって他には漏れ聞こえないようになっている。ヒュリアは声を落とそうと努力していたが、感情が抑えられないようで良く通ってしまっていたので正解だった。
「彼らは巧みに国へ入り込みました。民達の中にも彼らの思想に共感する者がおります。それを知った時、もう駄目なのだと思いました……。今、協力者が詳しい現状を調べております。もう説得も何も通じないと分かれば、内乱となります。他国からの人々の流入も母が止めるつもりです。隣の国の事。ご迷惑をお掛けするかもしれません。どうか、見守っていただきたい」
ヒュリアは、改めて国の現状を考え、結局協力を取り付ける気がなくなったようだ。頭を下げ、懇願する。しかし、それでは困る。
ティアが意見しようとした時、王と目が合った。そして、任せろというように、王は小さく頷いて見せた。
「ヒュリア嬢。頭を上げなさい」
王の言葉に、ヒュリアは頭をゆっくりと上げる。目が合った事を確認してから、王は話し始めた。
「ウィストの現状は、そこにいるバトラール殿に聞いて知っている。苦しい状況であるのも、何処よりも分かっているつもりだ。だが、一つ言わせてもらおう。かつて、断罪の女神、サティア様が下された決断は、かの方が本当に願った結末ではなかった。それを知っているからこそ、諦めるのはまだ早い」
「サティア様が……」
「……」
ティアも驚いていた。まさか、王がこんな事を口にするとは思っていなかったのだ。そして、王は更に続ける。
「この国には、かつてサティア様と生きた方が居られる。生前のサティア様を知っているのだ。だからこそ分かる。今ならばまだ選択は無限だ。誰に協力を得るかでも変わってくるぞ」
王はニヤニヤと笑った。どんな深刻な悩みも全て吹き飛ばすような、そんなどうにでもなると思える笑みだった。これがこの王の魅力なのだろう。
ティアはそんな王に引っ張られるように苦笑を浮かべたのだ。王はティアの固い表情を心配していたらしい。ティア自身はそんな表情をしているとは気付いていなかった。
苦笑ではあるが、笑みを浮かべたティアに、王はふっと笑みを見せた。それから王は、ティアを指すように顎をしゃくって見せる。
「例えば、そこにいる彼女に頼めば、友人の魔王殿や、竜人族、エルフの長につけ、美人な獣人族といった、伝説の冒険者達が味方に付くぞ」
「伝説の? それは……まさか赤髪のっ……それならば、エルフの長というのはジルバール様っ」
ヒュリアはシェリスのファンだ。そんなシェリスの協力も得られると分かると、魔王が何だというツッコミ所満載の言葉は聞こえていなかったらしい。目をキラキラと輝かせながらティアを見つめた。
「っ……ええ。協力は惜しみません」
「本当ですかっ!?」
「は、はい……」
本当にシェリスが好きらしい。
「では、決まりだな。何とかしてくれ」
「……分かりました……」
軽い。勿論、ティアが動けばやりようはある。ティア自身、動きやすくなる。
「さて、話もまとまったところで……レイ。ヒュリア嬢と踊ってこい。正式ではなくとも、王女のお相手は大事だ」
「はい。ヒュリア嬢。お相手願えますか」
「もちろんですっ」
そうして、ヒュリアはすっきりとした表情で、レイナルートに手を引かれて中央へ向かっていった。
それを穏やかな表情で見送っていたティアに、王が歩み寄り肩を抱いた。
「では、私達も行くか」
「え……?」
ティアは反射的に王妃へ目を向ける。しかし、王妃は歓迎するような笑みで手を振っていた。
「行くぞ」
「いやいや、マズイですって」
ご機嫌で王に背を押され、ヒュリアとレイナルートのいる中央へ向かって行く。
「何がマズイ? ほら、私は似ているのだろう?」
「それが嫌なんですってっ」
「はっはっはっ。是非、セリ様と呼んでくれ」
「……悪趣味……」
「わっはっはっ」
誰もが愉快に笑う王と、その隣で微妙な表情のティアを見て、首を傾げていたのだった。
**********
舞台裏のお話。
ラキア「ティア様が……」
エル「父上の方が上なのだな……父上のあんな良い笑顔、初めて見た……」
ラキア「ティア様……何だか必死で顔を見ないようにしているように見えるのですが……」
エル「そういえば、父上の顔が初恋の人とそっくりだと言っていたな……それも同じ王だ。落ち着かんだろう」
ラキア「楽しんでおられますね」
エル「ティアをからかうなんてな」
ラキア「ティア様の弱った顔……何だか
少しトキメキます!」
エル「あ、ラキアもか? 私も何だか嬉しくなる」
ラキア「見た事のないティア様ですから」
エル「絶対にマスターにだけは知られてはいかんな」
ラキア「ええ」
つづく?
なんて事が起こってましたとさ☆
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何だか王に全部持っていかれました。
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よろしくお願いします◎
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