女神なんてお断りですっ。

紫南

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第4回 ティアの人物紹介リポート

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2017. 8. 7

大変、お待たせいたしました。
それではお楽しみください。

**********

お久しぶりで~す☆
そして、お待たせしました。

第4回、ティアの人物紹介リポートを始めま~す◎

トップバッターが難しいんだよね……いきなりあの人とかダメだし……うん。

今回のトップバッターはこいつらっ。

最近、冒険者デビューした三バカちゃん! 

「「「はいっ!」」」

この間ボコボコにした奴らだしね。

「「「……はい……」」」

騎士学校を卒業した三人組で、自分達の実力も理解出来てなかったおバカさん。って事で『三バカちゃん』ね。

よりにもよって、サルバで開催された武闘大会にノコノコ出てきて、ルクスとかクロちゃんにボコボコにされたんだよねっ。

「いえ……一番ボコボコにしたのは……」

はいっ、一番手トーイ!

「え、あ、はい!!」



トーイ【魔力属性:風】

三人の中では癖もないし、リーダー的な存在なのかな。頭も悪くない。

「お褒めいただき光栄ですっ」

褒めてないよ。事実を言っただけ。もうちょっと度胸があればね……。

「……頑張ります」

そうだね。努力しな。

「はい……」

あ……あと、こいつには内緒だけど、密かにお姉様方にモテてるみたいなんだよね~。
仕事も文句言わずに黙々とこなすタイプみたいだから、印象は大会前より格段に良くなってるんだ……一生懸命な所とか、微笑ましく映るみたいなんだよね~。

「あの……?」

なんでもない。
まぁ、三人の中では、結構頼りになる奴かな。

「っ、そ、そんなっ……ティア様っ」

あ~、はいはいっ。
そんじゃ、次はチーク。

「はっ! お願いしますっ」



チーク【魔力属性:水】

三人の中では一番背が高い。ひょろっとしてて見た目的には腕力に期待はできない。ただ、身体強化の魔術は一番上手いかも。神経質な所があるから、面倒な時があるし、融通が利かないタイプだね。

「……精進が足りず、申し訳ありません……」

なによ。別に神経質な所が悪いって言ってないよ。こだわりがあるって事じゃん。マイナスなだけじゃないでしょ。

「っ、あ、ありがとうございますっ」

鬱陶しいのは確かだけどね。

「……」

こいつ、きっちりしてるから、はっきり言って私は嫌いなタイプかな。敵だったら間違いなく張っ倒してる部類。

「あ、あの……聞こえてます……」

うん? そう。
まぁ、あくまで敵ならって感じだから、こっち側になった今は別に嫌ってないよ?
寧ろ、細かい所とか、面倒な事やってくれそうだし。便利で良いよね。

「そ、そんな……そんな風に言われますと……」

次行くよ、次。

はい、次はツバン。

「はいぃぃぃっ」



ツバン【魔力属性:土】

ボケ担当。

「……」

…………。

「……」

…………。

「……えっ!? それだけっ!?」

他になにがあんの?

「ありませんっ!」

いやいや……宣言してどうすんの。
冗談だって。

ツバンは良い意味で正直な奴。
嘘がつけないんだよね。
あと、おばちゃんに見られがちな病気を患ってる。

「へっ、ぼ、僕……病気なんですかっ!?」

うん。
思った事、速攻で口から出ちゃうでしょ。

「はいっ」

はいじゃないよ……。
ちょい考えを留めて、言って良い事と悪い事の判断をしてからだね……。

「正直に生きますっ」

うっ……うん……悪くはないんだけどね……。

「僕ら、ティア様大好きですからっ」

……だから、それを気をつけろって……。

「そうだぞっ、ツバン。今のはマズイっ」
「トーイの言う通りだ。僕らは少し浮かれ過ぎた……」
「どういうこと? あ、マスターがこっち来るね」

とりあえずお前ら、ここから動くなよ。

「「「はいっ……あ、ティア様、どちらへっ?」」」

シェリーに捕まったら続きに差し支えんの。
いいから、お前達は生け贄になれ。

「「「仰せのままにっ……へっ!?」」」
「あなた達、私のティアに告白するとは……良い度胸です」
「「「ええっ!?」」」

強く生きろよ……。

死の山へ行くのに大分鍛えたから、逃げ足とか結構なものになってると思うよ。
シェリーの攻撃も避けられるでしょう。
雑魚とはいえ、騎士になった奴らも三人で圧倒できた。
今の三バカは、一般的な騎士のレベルよりは体力も戦術も上だろうね。
そうは言ってやんないけど。

さて、次はボランさん。



ボラン【魔力属性:土、風】

サラちゃんとどうしてもセットにしたくなるんだよね~。名前が似てるから☆

「……」

年齢も違うし、冒険者ランクもB。
サルバでゲイルパパに次ぐ実力の持ち主で、周りの冒険者達からは、頼れる兄さんって感じで慕われてる。
そんな人をサラちゃんとセットにするなんて……ごめんね。

「い、いや……ザランだって頼れる奴だ。面倒見も良いしな」

ほら、サラちゃんなんかをこんな風に言ってくれるんだよっ。
メチャクチャ良い人っ。

「おい……俺の立場って……」
「すまんな、ザラン……もう少しで終わると思うから、あっちで飲み物でももらってくるといい」

ほらっ、サラちゃんなんかを擁護するんだよっ。
良い人でしょっ!

「ティア……お前は俺に恨みでもあんのかっ」

え? ないよ?
何言ってんの?
こんなに愛してるのに……。

「お、おう……って、ま、マスター……っ!?」
「サ~ラ~ン~」
「ま、待ってくださいっ!! これは罠っす!」
「問答無用です」
「うおぉぉぉっ、覚えてろよぉぉぉっ」

グッドラック。

「……嬢ちゃん、何て事を……」

やだなぁ。
だって、死の山から帰ってきてから、どうもサラちゃん仕事に気合いが入んないみたいだったからさ。

「そりゃぁ、あんな危険な体験をしたんだ。この辺のクエストじゃぁ、物足りなく感じるんだろう」

だからさ。
ちょっと刺激をね。

「嬢ちゃんがザランやあの三人を信頼してるってのは分かったよ……」

うん。
ああなったシェリー相手にして、死なないのは結構難しいから。

「先に言っておくが、俺は遠慮しておく」

はいはい。
恋人いる人にこっち系のネタは使わないよ。

「っ、じ、嬢ちゃん知ってっ……っ」

その内、みんなにもバレるよ?

「お、おお……」

そんじゃ、気を取り直して……いよいよお待ちかね。
次はこの人!

「おや。ようやく私の番かい?」



カルツォーネ・レディレース【種族名:魔族。魔力属性:闇、光、風、火、水】

冒険者時代の二つ名は『闇風の黒鬼』
母様やシェリーと同じ『豪嵐』のメンバーの一人だよ。
年齢はシェリーと同じくらいって聞いた事あったかな。
魔族で、今は王様やってる。
私は昔からカル姐って呼んでるんだ。

「そう言えば、サク姐を姐って呼ぶのはわかるけど、なんで私までそう呼ぶのかな?」

ああ……だって『姐さん』って昔……。

「っ、ごめんよ。その話は今度にしよう」

え~……まぁ、時間もないし良いけど。
カル姐のレディレース家は、女性の戦士を多く輩出した家系でね。
ハルバードを持たせれば戦場で敵う者はいないと言われたんだって。
カル姐のお母様が、王であったお父様に見初められたのはそこが大きいみたい。
あれ?
けど、カル姐はハルバード使った事ないよね?

「ああ。ハルバードを使う事を許されるのは、レディレース家の当主になる条件を満たした者だけなんだよ。私はレディレースを名乗ってはいるけど、後継者ではないからね」

なるほど……今なんて、魔王だしね。

「そうだね。これだってかなりの予想外が予想外を生んだ結果なんだけどね」

そうなの?
そういえば、お兄さん達がいなかった?
よく指令が来てたって言ってたでしょ?

「うん、まぁ……ちょっと病気でね……」

ああ……引きこもりか。

「……それもかなりの重度のね……おかげで兄達をすっ飛ばして魔王なんかになる羽目になった。私も籠もれば良かったよ」

それはそれで問題だよ……魔王の後継者が全員引きこもりになるとか……国大丈夫?

「今は平和だし、夫婦喧嘩に駆り出されっ……ん、んっ、なんでもないよ……」

そう?
まぁ、でもタラシなカル姐には魔王は天職かもね。

「それはどういう意味だい?」

だって、きっとカル姐が王様だから平和なんだよ。
女の人達が元気なのは、国にとってすっごく良い事だって、昔、レナード兄様から聞いたよ?

「なるほど。夫による抑圧も受けていない証拠という事かな?」

そういう事だね。
それも魔王っていう手に届かない地位にある人だから、みんなの共有物として納得出来るのも良いんだと思う。

「ほぉ。それは気付かなかったな。なるほど。そう言われれば天職だ。私は誰の者でもないからね。あ、もちろん君は特別だよ?」

ありがとう……それより、そろそろ相手見つける時期でもあると思うんだけど……。

「何か言ったかい? 私が君の声を聞き逃すなんて……もう一度言ってくれないかい。今度は心に刻み付けるよ。夢の中でも君と会話ができるようにね」

……そういうの……充分、間に合ってマス……。

つ、次にいくね。

因みに、私の武器レティスハルバードは、カル姐のレディレース家にある家宝に似せて作られたのが名前の由来なんだ。
その武器ってのがまた今は面倒で……。



ギグス【種族名:ドワーフ族。魔力属性:土、風、火】

カル姐やシェリーと同じ『豪嵐』のメンバーだったドワーフのダグストール……ダクさんの弟子の筋に当たる人。
ドワーフ族って、職人だから、気難しい人が多くて、言っちゃえば人見知り?
それもかなり重度。
でも自分達の作った剣とかは自分達でその剣の持ち主として認めた者にしか渡したくない。
そうなると接客もそれなりにしなきゃならないんだけど……。

「売り子なんてできるかい」

そうそう。
これなんだよね~。

「来たきゃこい。けどなぁ、俺らの作る武器を持つに相応しい奴としか関わる気はねぇ」

うんうん。
レベルは高いからね。

「面倒クセェ注文は受けねぇから」

でも、作り手も使い手もいなくなって久しいハルバードを作ってくれたじゃん。

「あれはお前ェ……相応しいだろ……」

そっか。
クナイとかも作って貰ったし、他にも色々ね。

「……気にすんな」

えへへ。
ありがと~。
また色々作ってね。
今じゃ手に入らない武器とか、オリジナルのとかまた頼むから。

「好きにしろや。お、俺と嬢ちゃんの仲だろ……っ」

うんっ。
そんな照れ屋なとこもイイね。

「ほ、他の奴らにはこんな事言わねぇよっ」

あはは。
そうかも。

そんじゃ、今度は……過去へ。



アスハ・ランド・セラヴィスタ【神笛の使い手。魔力属性:未確認】

セラヴィスタ王国の第一王子。
第一王子って、レナード兄様もそうだったけど、色々背追い込むんだよね~。
もっと気楽に、偉そうに周りへ頼んだりすればいいのに。
アスハは、なんかの理由でバトラールに半年ぐらい滞在してたんだ。
本当……なんの為だったんだろう。
何度か王である父様と謁見はしてたみたいなんだけど……。
レナード兄様と違う所は、父王がバリバリの現役か、あまり外に出てこない状態かの違いみたいな?
ね? そうだったんでしょ?

「あの頃は……そうだね。バトラール王に王としての心得や、国についての事を教えていただいていたんだ。王位を継ぐ直前の色々をね……それに、国にいるのがあの頃は危険だったから……」

……へぇ。

「……」

まぁ、事情は色々あったんだろうね。

難しい話はまたの機会でってことで、今回のリポートはここまで!

次回、第五回でまた会いましょう。
ティアでした~◎

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