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432 希望を与えた者
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2016. 6. 13
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外で始まったラキアの挨拶は、ティアのいる最上階の部屋にも届いていた。
本来ならば、防音処理も完璧なため、聞こえるはずもないのだが、今は表に面した窓が全て開いている。そこから妖精王が下を見下ろしていた。
この町の代表となるファスターの演説が聞こえる頃。妖精王が窓から離れ、用意の出来たティアへ手を差し出す。
《そろそろ頃合いだな。行くか》
「うん」
ティアは今、二十代後半といった姿をとっている。手を引き、隣を歩く妖精王は、階段を下りながら改めてティアの姿を見た。
《あの時のドレス姿も可憐で良かったが、今日のはなんというか……玉座が似合いそうだ》
ティアにはやはり濃い青が似合うと、サクヤが用意した長い濃紺のワンピースに、カルツォーネから貰った銀の装飾が美しい白のジャケットを着ている。
髪もきれいに結い上げられ、白のリボンが一緒に編み込まれている。それがティアの髪色に映え、まるでティアラが飾られているように見えた。
本来の姿ならば親子にしか見えないだろうが、今の姿で並んだ二人は王と女王だった。
「ありがとう。見た目だけじゃなくてちゃんとそれっぽく見えるように頑張るよ」
そう言ったティアに、充分だがなと言いながら妖精王は笑う。そして、階段の踊り場の窓から見えたファスターを見て言った。
《中々に頼りになりそうな男じゃないか。波動も良い。戦士だったようだな》
「ファスターさんの事? 怪我で握力が低下してて、腕がなまってるけど、剣の重さとか戦い方とか合うのを見つければ、まだまだ現役でもいけると思うよ」
ティアは、あのファスターを王都のスラム街で見つけた時、勝負を挑んだ。そうしなくては、動かないと言ったからだ。
当然だが、ティアは彼をあっさりと打ち負かした。そして、ティアは彼を代表とする事を決めた。
《それ、言ってやったのか?》
ティアの目は確かだ。更にティアが現役と認めるということは、相当の実力が期待できるということ。
妖精王も、彼らをどこから連れてきたのかを知っている。そこは、生きる事を諦めきれないが、世界に絶望した者たちが集まる場所。
ティアが実力を認めたというのならば、それはその持っていた絶望を払拭できる自信となる。
「言ってないよ。ファスターさんは、今まで町を創るのに忙しくしてたし、私もあまりここへ来られなかったもの。でも……もう希望をあげる必要はないでしょ?」
そう言って、何かを含んだような笑みを見せるティア。それで、妖精王もティアの言わんとする事が分かったようだ。
《ふっ……なるほど。ここの奴らにはもう、わざわざやる必要はないか》
「そう。みんな、もう自分で見つけられるからね」
希望を見出す事さえ諦めていた彼らは、絶望の中から出ようとしなかった。そこから無理やりティアが引っ張り出したのだ。
希望はないと諦めていては見えるものも見えない。見つける活力さえ失くしてしまっているから、抜け出せない。だが、活力が本当になくなってしまった訳ではないのだ。
だから、ティアは少しだけ手を貸した。希望が見える場所に連れてきたのだ。
一度見えれば動き出せる。そして、希望は次の希望へとつながっていくだろう。
《君には驚かされる。こんなに多勢の人々に、希望を抱かせた。それは、王であっても容易くできる事じゃない》
奇しくも今、ファスターも同じような事を演説していた。だが、それを妖精王が知る由もない。外の声が聞こえる場所までは、もうあと半階分下りなくてはならなかった。
妖精王とティアは階段の踊り場で向かい合う。
《楽しみだよ。今の君の姿になる十数年後が。今度はちゃんと見せてくれるんだろ?》
「うん……ちゃんと生きるよ」
そうまっすぐに妖精王を見て言えば、輝く笑顔が返ってくる。そして、そっとティアを引き寄せると、妖精王は額に一つキスを落としたのだった。
◆◆◆◆◆
玄関ホールまでやって来たティアと妖精王。すると、そこで唐突に大きな声が響いた。
《なっ、何事だ?》
「さぁ……」
不思議に思ってそのまま外へ進むと、入り口の辺りにいたルクス達が呆然と舞台の方を見ていた。
シェリスまでもが目を見開いてティアの気配に気付いてもいない事に首を傾げる。
《これは何が起こってんだ?》
妖精王の声に振り向いたルクス達は、今度はティアの姿を見て固まる。ベリアローズ達学生組やシェリスは勿論、つい先ほど合流したウルスヴァンとビアンもあんぐりと口を開けていた。
そんな中で、いち早く正気づいたのは、ティアの着替えを手伝ったカルツォーネとサクヤだ。
「びっくりした。君の後ろに玉座が見えたよ。是非ともこれを持ってくれないかい?」
そう言ってカルツォーネがアイテムボックスから長いロッドを取り出した。
「信じられないくらい似合ってるわ。もう女王様って感じ。しまったわ。青じゃなくて黒い服の方が似合ってるかも」
「いや、赤もいけたね。今度贈らせてもらうよ。是非とも着てみせておくれ」
「いや……そういうのはもういいから、とりあえず、今のこの……恥ずかしいコールは一体……?」
そう、いつの間にか、広場に集まった人々全員での『ティア様、主様』コールが響いていたのだ。
************************************************
舞台裏のお話。
エル「……ベル、また気絶するなよ」
ベル「詐欺だ……」
ウル「詐欺です……」
ビアン「……振り切ってきて良かった……」
エル「なんだ? なにをほっとしてるんだ? ビアン」
ビアン「あ、いえ……出がけに陛下に捕まりまして……ティアお嬢さんに会いにいくと、どこかから情報を仕入れたようで、自分も行くとごねられまして……」
エル「それは……よく振り切った」
ビアン「はい。この状況もですけど、あの子のあの姿もマズイです」
エル「父上の事だ。よもや妻にとは言わぬだろうが、せっかく決まった兄上の婚約を破棄してティアをと思いかねない」
ビアン「はい。何より……あの姿のお嬢さんを王太子に見せられません」
エル「なぜだ?」
ビアン「それは……」
ウル「……ティアさんだったのです……その……王太子が昔、一目惚れされた相手が……」
エル「……なに?……それはマズイな……」
ビアン「ですよね……お嬢さんには是非ともあの姿でこの町から出ないっ……いえ、今後建物からも出ないようにしていただかなくては」
エル「無理だろ……」
ビアン「っ、エル様が説得してください!」
エル「私がか⁉︎ 聞くわけないだろ」
ビアン「なら……」
ベル「……」
ビアン「目をそらさないで!」
ベル「ムリ」
ウル「ダメです。国が乗っ取られるか、傾く未来しかありません」
ビアン「そんな恐ろしい予言はいりません!!」
エル「その時は諦めろ。これも神のお導きだ」
ベル「祈る事も無意味です」
ビアン「 救いもないと⁉︎」
ウル「いっその事、妖精王様に頼んでダンジョンで隠居暮らしを……」
ビアン「ちょっ、逃げる気満々⁉︎ 誰も助けてくれない⁉︎」
つづく?
なんて事が起こってましたとさ☆
読んでくださりありがとうございます◎
過労死するビアンさんが見えます。
ティアちゃんを呼ぶ人々……大人なティアちゃんをどう説明するのか。
驚くのは目に見えていますね。
暴走が心配だったシェリスはとりあえず悩殺したようなので、この後の対策を考える猶予はあります。
カル姐さんやサクヤ姐さんがいますし、そちらはなんとかなるでしょう。
いよいよ舞台へ。
では次回、また明日です。
よろしくお願いします◎
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外で始まったラキアの挨拶は、ティアのいる最上階の部屋にも届いていた。
本来ならば、防音処理も完璧なため、聞こえるはずもないのだが、今は表に面した窓が全て開いている。そこから妖精王が下を見下ろしていた。
この町の代表となるファスターの演説が聞こえる頃。妖精王が窓から離れ、用意の出来たティアへ手を差し出す。
《そろそろ頃合いだな。行くか》
「うん」
ティアは今、二十代後半といった姿をとっている。手を引き、隣を歩く妖精王は、階段を下りながら改めてティアの姿を見た。
《あの時のドレス姿も可憐で良かったが、今日のはなんというか……玉座が似合いそうだ》
ティアにはやはり濃い青が似合うと、サクヤが用意した長い濃紺のワンピースに、カルツォーネから貰った銀の装飾が美しい白のジャケットを着ている。
髪もきれいに結い上げられ、白のリボンが一緒に編み込まれている。それがティアの髪色に映え、まるでティアラが飾られているように見えた。
本来の姿ならば親子にしか見えないだろうが、今の姿で並んだ二人は王と女王だった。
「ありがとう。見た目だけじゃなくてちゃんとそれっぽく見えるように頑張るよ」
そう言ったティアに、充分だがなと言いながら妖精王は笑う。そして、階段の踊り場の窓から見えたファスターを見て言った。
《中々に頼りになりそうな男じゃないか。波動も良い。戦士だったようだな》
「ファスターさんの事? 怪我で握力が低下してて、腕がなまってるけど、剣の重さとか戦い方とか合うのを見つければ、まだまだ現役でもいけると思うよ」
ティアは、あのファスターを王都のスラム街で見つけた時、勝負を挑んだ。そうしなくては、動かないと言ったからだ。
当然だが、ティアは彼をあっさりと打ち負かした。そして、ティアは彼を代表とする事を決めた。
《それ、言ってやったのか?》
ティアの目は確かだ。更にティアが現役と認めるということは、相当の実力が期待できるということ。
妖精王も、彼らをどこから連れてきたのかを知っている。そこは、生きる事を諦めきれないが、世界に絶望した者たちが集まる場所。
ティアが実力を認めたというのならば、それはその持っていた絶望を払拭できる自信となる。
「言ってないよ。ファスターさんは、今まで町を創るのに忙しくしてたし、私もあまりここへ来られなかったもの。でも……もう希望をあげる必要はないでしょ?」
そう言って、何かを含んだような笑みを見せるティア。それで、妖精王もティアの言わんとする事が分かったようだ。
《ふっ……なるほど。ここの奴らにはもう、わざわざやる必要はないか》
「そう。みんな、もう自分で見つけられるからね」
希望を見出す事さえ諦めていた彼らは、絶望の中から出ようとしなかった。そこから無理やりティアが引っ張り出したのだ。
希望はないと諦めていては見えるものも見えない。見つける活力さえ失くしてしまっているから、抜け出せない。だが、活力が本当になくなってしまった訳ではないのだ。
だから、ティアは少しだけ手を貸した。希望が見える場所に連れてきたのだ。
一度見えれば動き出せる。そして、希望は次の希望へとつながっていくだろう。
《君には驚かされる。こんなに多勢の人々に、希望を抱かせた。それは、王であっても容易くできる事じゃない》
奇しくも今、ファスターも同じような事を演説していた。だが、それを妖精王が知る由もない。外の声が聞こえる場所までは、もうあと半階分下りなくてはならなかった。
妖精王とティアは階段の踊り場で向かい合う。
《楽しみだよ。今の君の姿になる十数年後が。今度はちゃんと見せてくれるんだろ?》
「うん……ちゃんと生きるよ」
そうまっすぐに妖精王を見て言えば、輝く笑顔が返ってくる。そして、そっとティアを引き寄せると、妖精王は額に一つキスを落としたのだった。
◆◆◆◆◆
玄関ホールまでやって来たティアと妖精王。すると、そこで唐突に大きな声が響いた。
《なっ、何事だ?》
「さぁ……」
不思議に思ってそのまま外へ進むと、入り口の辺りにいたルクス達が呆然と舞台の方を見ていた。
シェリスまでもが目を見開いてティアの気配に気付いてもいない事に首を傾げる。
《これは何が起こってんだ?》
妖精王の声に振り向いたルクス達は、今度はティアの姿を見て固まる。ベリアローズ達学生組やシェリスは勿論、つい先ほど合流したウルスヴァンとビアンもあんぐりと口を開けていた。
そんな中で、いち早く正気づいたのは、ティアの着替えを手伝ったカルツォーネとサクヤだ。
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「信じられないくらい似合ってるわ。もう女王様って感じ。しまったわ。青じゃなくて黒い服の方が似合ってるかも」
「いや、赤もいけたね。今度贈らせてもらうよ。是非とも着てみせておくれ」
「いや……そういうのはもういいから、とりあえず、今のこの……恥ずかしいコールは一体……?」
そう、いつの間にか、広場に集まった人々全員での『ティア様、主様』コールが響いていたのだ。
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舞台裏のお話。
エル「……ベル、また気絶するなよ」
ベル「詐欺だ……」
ウル「詐欺です……」
ビアン「……振り切ってきて良かった……」
エル「なんだ? なにをほっとしてるんだ? ビアン」
ビアン「あ、いえ……出がけに陛下に捕まりまして……ティアお嬢さんに会いにいくと、どこかから情報を仕入れたようで、自分も行くとごねられまして……」
エル「それは……よく振り切った」
ビアン「はい。この状況もですけど、あの子のあの姿もマズイです」
エル「父上の事だ。よもや妻にとは言わぬだろうが、せっかく決まった兄上の婚約を破棄してティアをと思いかねない」
ビアン「はい。何より……あの姿のお嬢さんを王太子に見せられません」
エル「なぜだ?」
ビアン「それは……」
ウル「……ティアさんだったのです……その……王太子が昔、一目惚れされた相手が……」
エル「……なに?……それはマズイな……」
ビアン「ですよね……お嬢さんには是非ともあの姿でこの町から出ないっ……いえ、今後建物からも出ないようにしていただかなくては」
エル「無理だろ……」
ビアン「っ、エル様が説得してください!」
エル「私がか⁉︎ 聞くわけないだろ」
ビアン「なら……」
ベル「……」
ビアン「目をそらさないで!」
ベル「ムリ」
ウル「ダメです。国が乗っ取られるか、傾く未来しかありません」
ビアン「そんな恐ろしい予言はいりません!!」
エル「その時は諦めろ。これも神のお導きだ」
ベル「祈る事も無意味です」
ビアン「 救いもないと⁉︎」
ウル「いっその事、妖精王様に頼んでダンジョンで隠居暮らしを……」
ビアン「ちょっ、逃げる気満々⁉︎ 誰も助けてくれない⁉︎」
つづく?
なんて事が起こってましたとさ☆
読んでくださりありがとうございます◎
過労死するビアンさんが見えます。
ティアちゃんを呼ぶ人々……大人なティアちゃんをどう説明するのか。
驚くのは目に見えていますね。
暴走が心配だったシェリスはとりあえず悩殺したようなので、この後の対策を考える猶予はあります。
カル姐さんやサクヤ姐さんがいますし、そちらはなんとかなるでしょう。
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