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2015. 12. 22
********************************************
ティア自身、無茶な話をしている事は分かっている。だが、クィーグの一族になら心当たりがある筈だと思ったのだ。
「……ダンジョンですか……」
「そう。ダンジョン。それも現役のね。知ってるんでしょ?」
「……」
ティアは頬杖を突き、試すように言った。
「……」
「……」
笑顔のティアと、それから目をそらせないフィズ。しばらく無言の応酬が続いた。
これに折れたのは、フィズだった。
「……承知しました」
「ふふっ、話が分かるねぇ。一回見せてもらってもいい?」
ニヤリと笑ったティアの表情に引き寄せられるようにフィズは思わず頷く。
「全てご随意に」
「ちょっ、それはマズイわよっ⁉︎」
「ふふふっ……」
サクヤが慌ててフィズの答えを止めようとしたが、もう遅い。
「ティ、ティア……っ」
ティアが不気味に笑うのを聞いたサクヤは、怯えながらゆっくりと目を向ける。
「ラキアちゃんに話を聞いてたからね。機会を伺ってた甲斐があったわっ」
「ひっ」
そのティアのやる気に満ちた目を見たサクヤは、思わず息をのむ。クィーグの二人は、どうゆう状況なのか理解できていない為、完全に動きを止めていた。
「改造しまくって、赤白の宮殿に挑戦できるくらいに鍛えられるやつにしなきゃね。遊び心も忘れずにっ。早速、計画を練らなくちゃっ。面白くなってきたぁぁぁ」
一気にテンションが上がったようだ。もう、ティアの思う壺だと諦める他ない。
「……知らないからね……」
「……頭領……大丈夫でしょうか……」
「これも神の采配と受け止めるのです」
どのみち既に全てが手遅れだと、彼らには悟る道しか残されてはいなかったのだった。
◆◆◆◆◆
そこは、静寂に満ちた場所。
誰一人として訪れなくなって数百年。そこに住む者達は、退屈な日々に耐えられなくなって久しく、眠りについて過ごすと決めていた。
その部屋の主も、体の重さなど無視し、フワフワと部屋の中央辺りに体を浮かばせながら眠っている。
《お久しぶりです。妖精王》
そんな声は、彼のいる深い深い最下層の最も奥に作られた部屋に涼やかに響いた。
《ん……お?これは珍しい。風の王と水の王か。相変わらず美人だなぁ。どうしたよ》
微睡みの中にいた妖精王は、ゆっくりと風王の呼びかけに目覚めると、目の前の珍しい客へと横になっていた体を起こし、宙に浮かんだまま笑みを向けた。
《相変わらず悪趣味な部屋ですわね。金ばかりで眠るには適しませんわ》
黄金の金塊、金の杯、鎧、その他、部屋の端に集められ、うず高く積まれた金色の宝達を見回し、呆れたように言うのは水王だ。
《はははっ、王の間らしくて良いだろう》
快活に笑う妖精王は、玉座として部屋の奥に置かれている赤い椅子へと着地し、柔らかいその大きな背もたれへ体を埋めた。
《煌びやかではありますね。ですが、その椅子は玉座には見えませんよ?》
《玉座なんてあんな座り心地の悪そうなもんを置く気にはなれんくてな。特別に友人に誂えてもらったのだ》
眉をひそめる風王へと、自慢げにその椅子を叩いて見せる。
《確かに、座り心地は良さそうですわ。是非とも、ティア様に進呈したいですわね》
《っ、妖精王。その椅子をください》
水王の提案に、風王はすかさず賛成の意を示し、妖精王へと要求を伝えた。
《お、おい。突然だなぁ。誰にやるって?》
風王の無茶な要求に機嫌を損ねる事もなく、妖精王は少々呆れたように尋ねた。
《ティア様です。我らが主と認める、尊く、美しいお方です》
《ほぉ……そりゃぁ、是非とも会ってみたいもんだなぁ》
妖精王は、水王と風王とは長い付き合いだ。そんな二人が認め、心酔しているらしい者。それに俄然興味が湧いた。
《最も、ここまで、そいつが来られればの話だがな》
長く退屈な日々を過ごしていた妖精王は、そんな退屈を吹き飛ばすような気骨な者が現れるのを望んでいる。
だが、いくら風王と水王が認める者であっても、この最下層までは来られないだろうと、半ば諦め、それでもほんの少しの期待を込めて二人を挑発する。
《言いましたわね?》
《後悔しますわ》
《なに?》
予想とは違う二人の反応に、妖精王は顔をしかめた。
《本来ならば、あなたの方から挨拶にと思っていたのですけれど……その提案の方がティア様もお喜びになられるでしょう》
《ええ。では、妖精王。くれぐれもティア様を退屈させぬようになさいませ。全階層、全員を叩き起こし、お迎えする準備をするのですよ》
《はぁ?》
なんだか知らないうちに何かが決まっているらしいが、妖精王には訳が分からない。
《寝ぼけているのですか?ただ、あなたは、昔のまま。この宮殿を目覚めさせれば良いのです》
《頼みますわよ》
《お、おぉ……?》
言うだけ言って、背を向けた二人。それを呼び止める言葉も思いつかず、妖精王は混乱したまま見送る。
しかし、その姿を消そうとした風王が、最後にとっておきの情報を置いていった。
《あぁ、言い忘れておりました。ティア様は、以前あなたが『嫁にしそこねた』と言った方の娘……その生まれ変わりでいらっしゃいます。無様な姿は見せぬ方が良いですよ》
《っ、なにっ⁉︎ま、まさかあの子がっ?》
椅子から思わず立ち上がり、妖精王は確認しようと風王へ問いかける。しかし、返ってきたのは、冷たい一言。
《伝えましたわよ》
《お、おいっ!》
手を伸ばしたそこに、既に風王と水王の姿はなかった。
《……マジかよ……》
そんな事ならば、ここで待つなどと言わなかった。
《クソっ、はめやがったなっ》
会いたいと思う事を知りながら、風王と水王は大事なその情報を隠して言質をとった。
もちろん、そんな口約束のようなもの、無視してしまえば良いが、仮にも王と呼ばれる者同士で交わした言葉。それを違えるのは、王の沽券に関わる。
《ちっ、仕方ねぇ……》
腹立ちを抑えながら、妖精王は全階層の眷族達を起こす準備を始めるのだった。
************************************************
舞台裏のお話。
ベル「ティアのやつ、なんだか機嫌が良かったな」
エル「そういえばそうだな……何か気晴らしでもして来たんじゃないのか?」
ベル「な、何をしてきたんだろうか……」
エル「城を落としたか?」
ベル「っ、エルっ!」
エル「はははっ。いくらティアでもしないだろう。ウルも大概だが、ベルも心配性だなぁ」
ベル「不吉な事を言うんじゃない。ティアの耳に入ったら本当になるかもしれない……」
エル「有言実行か。あの行動力は尊敬に値する」
ベル「こちらには冗談に聞こえても、出来てしまうんだから……」
エル「……ふむ……ならば、城が落ちるのも時間の問題だな」
ベル「おいっ!」
エル「大丈夫だ。これでも、ティアに気に入られている自信があるからな。私が城を出るまでは無事だろう」
ベル「そんな……」
エル「あっはっはっ。まぁ、騎士への何らかの対策はしそうだがな。アレはなかった」
ベル「確かに……ゲイルさん達と比べるのは良くないが、情けないな……初めの頃の三バカ達を思い出した……」
エル「ああ、あの人らも酷かったらしいな。クロノス師匠が今日の場にいたら、確実に叩かれていた」
ベル「そうだな。クロノスさんは騎士だからな」
エル「ビアンも密かに憧れているらしい」
ベル「そうなのか?……最近、特殊技能が目覚め過ぎて、だんだん同じ人とは思えなくなってきたが……」
エル「それはあるなっ。だが、ティアが騎士として認めている。アレが本来騎士としてあるべき姿なのだろう」
ベル「カル様も、立派な騎士だと言っておられたからな……そうなのかもな……」
エル「それを思うと、やはりあいつらは良くないな」
ベル「新人とかだったんじゃないのか?日が浅いとか」
エル「いや。一人はキルシュの兄だ。あれは確か、部隊長だった。その他も、各部の副隊長だぞ」
ベル「……ティアが苛立つわけだ……」
エル「仕方ないよなっ。大人しく見守ろう。ティアもとって食ったりはしないさ」
ベル「廃人を量産しなければいいが……」
エル「……トラウマになるのは確実だな……」
ベ・エ「「女神様のご加護を……」」
つづく?
なんて事が起こってましたとさ☆
読んでくださりありがとうございます◎
祈る相手が悪いかもしれません。
ティアちゃんの思い通りに進んでいます。
そして、機嫌の悪いティアちゃんの為に、風王と水王も動きました。
妖精王は、昔のティアちゃんを知っているようです。
言質を取る卑怯さは、ティアちゃんに似てきた風王達です。
では次回、一日空けて24日です。
よろしくお願いします◎
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ティア自身、無茶な話をしている事は分かっている。だが、クィーグの一族になら心当たりがある筈だと思ったのだ。
「……ダンジョンですか……」
「そう。ダンジョン。それも現役のね。知ってるんでしょ?」
「……」
ティアは頬杖を突き、試すように言った。
「……」
「……」
笑顔のティアと、それから目をそらせないフィズ。しばらく無言の応酬が続いた。
これに折れたのは、フィズだった。
「……承知しました」
「ふふっ、話が分かるねぇ。一回見せてもらってもいい?」
ニヤリと笑ったティアの表情に引き寄せられるようにフィズは思わず頷く。
「全てご随意に」
「ちょっ、それはマズイわよっ⁉︎」
「ふふふっ……」
サクヤが慌ててフィズの答えを止めようとしたが、もう遅い。
「ティ、ティア……っ」
ティアが不気味に笑うのを聞いたサクヤは、怯えながらゆっくりと目を向ける。
「ラキアちゃんに話を聞いてたからね。機会を伺ってた甲斐があったわっ」
「ひっ」
そのティアのやる気に満ちた目を見たサクヤは、思わず息をのむ。クィーグの二人は、どうゆう状況なのか理解できていない為、完全に動きを止めていた。
「改造しまくって、赤白の宮殿に挑戦できるくらいに鍛えられるやつにしなきゃね。遊び心も忘れずにっ。早速、計画を練らなくちゃっ。面白くなってきたぁぁぁ」
一気にテンションが上がったようだ。もう、ティアの思う壺だと諦める他ない。
「……知らないからね……」
「……頭領……大丈夫でしょうか……」
「これも神の采配と受け止めるのです」
どのみち既に全てが手遅れだと、彼らには悟る道しか残されてはいなかったのだった。
◆◆◆◆◆
そこは、静寂に満ちた場所。
誰一人として訪れなくなって数百年。そこに住む者達は、退屈な日々に耐えられなくなって久しく、眠りについて過ごすと決めていた。
その部屋の主も、体の重さなど無視し、フワフワと部屋の中央辺りに体を浮かばせながら眠っている。
《お久しぶりです。妖精王》
そんな声は、彼のいる深い深い最下層の最も奥に作られた部屋に涼やかに響いた。
《ん……お?これは珍しい。風の王と水の王か。相変わらず美人だなぁ。どうしたよ》
微睡みの中にいた妖精王は、ゆっくりと風王の呼びかけに目覚めると、目の前の珍しい客へと横になっていた体を起こし、宙に浮かんだまま笑みを向けた。
《相変わらず悪趣味な部屋ですわね。金ばかりで眠るには適しませんわ》
黄金の金塊、金の杯、鎧、その他、部屋の端に集められ、うず高く積まれた金色の宝達を見回し、呆れたように言うのは水王だ。
《はははっ、王の間らしくて良いだろう》
快活に笑う妖精王は、玉座として部屋の奥に置かれている赤い椅子へと着地し、柔らかいその大きな背もたれへ体を埋めた。
《煌びやかではありますね。ですが、その椅子は玉座には見えませんよ?》
《玉座なんてあんな座り心地の悪そうなもんを置く気にはなれんくてな。特別に友人に誂えてもらったのだ》
眉をひそめる風王へと、自慢げにその椅子を叩いて見せる。
《確かに、座り心地は良さそうですわ。是非とも、ティア様に進呈したいですわね》
《っ、妖精王。その椅子をください》
水王の提案に、風王はすかさず賛成の意を示し、妖精王へと要求を伝えた。
《お、おい。突然だなぁ。誰にやるって?》
風王の無茶な要求に機嫌を損ねる事もなく、妖精王は少々呆れたように尋ねた。
《ティア様です。我らが主と認める、尊く、美しいお方です》
《ほぉ……そりゃぁ、是非とも会ってみたいもんだなぁ》
妖精王は、水王と風王とは長い付き合いだ。そんな二人が認め、心酔しているらしい者。それに俄然興味が湧いた。
《最も、ここまで、そいつが来られればの話だがな》
長く退屈な日々を過ごしていた妖精王は、そんな退屈を吹き飛ばすような気骨な者が現れるのを望んでいる。
だが、いくら風王と水王が認める者であっても、この最下層までは来られないだろうと、半ば諦め、それでもほんの少しの期待を込めて二人を挑発する。
《言いましたわね?》
《後悔しますわ》
《なに?》
予想とは違う二人の反応に、妖精王は顔をしかめた。
《本来ならば、あなたの方から挨拶にと思っていたのですけれど……その提案の方がティア様もお喜びになられるでしょう》
《ええ。では、妖精王。くれぐれもティア様を退屈させぬようになさいませ。全階層、全員を叩き起こし、お迎えする準備をするのですよ》
《はぁ?》
なんだか知らないうちに何かが決まっているらしいが、妖精王には訳が分からない。
《寝ぼけているのですか?ただ、あなたは、昔のまま。この宮殿を目覚めさせれば良いのです》
《頼みますわよ》
《お、おぉ……?》
言うだけ言って、背を向けた二人。それを呼び止める言葉も思いつかず、妖精王は混乱したまま見送る。
しかし、その姿を消そうとした風王が、最後にとっておきの情報を置いていった。
《あぁ、言い忘れておりました。ティア様は、以前あなたが『嫁にしそこねた』と言った方の娘……その生まれ変わりでいらっしゃいます。無様な姿は見せぬ方が良いですよ》
《っ、なにっ⁉︎ま、まさかあの子がっ?》
椅子から思わず立ち上がり、妖精王は確認しようと風王へ問いかける。しかし、返ってきたのは、冷たい一言。
《伝えましたわよ》
《お、おいっ!》
手を伸ばしたそこに、既に風王と水王の姿はなかった。
《……マジかよ……》
そんな事ならば、ここで待つなどと言わなかった。
《クソっ、はめやがったなっ》
会いたいと思う事を知りながら、風王と水王は大事なその情報を隠して言質をとった。
もちろん、そんな口約束のようなもの、無視してしまえば良いが、仮にも王と呼ばれる者同士で交わした言葉。それを違えるのは、王の沽券に関わる。
《ちっ、仕方ねぇ……》
腹立ちを抑えながら、妖精王は全階層の眷族達を起こす準備を始めるのだった。
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舞台裏のお話。
ベル「ティアのやつ、なんだか機嫌が良かったな」
エル「そういえばそうだな……何か気晴らしでもして来たんじゃないのか?」
ベル「な、何をしてきたんだろうか……」
エル「城を落としたか?」
ベル「っ、エルっ!」
エル「はははっ。いくらティアでもしないだろう。ウルも大概だが、ベルも心配性だなぁ」
ベル「不吉な事を言うんじゃない。ティアの耳に入ったら本当になるかもしれない……」
エル「有言実行か。あの行動力は尊敬に値する」
ベル「こちらには冗談に聞こえても、出来てしまうんだから……」
エル「……ふむ……ならば、城が落ちるのも時間の問題だな」
ベル「おいっ!」
エル「大丈夫だ。これでも、ティアに気に入られている自信があるからな。私が城を出るまでは無事だろう」
ベル「そんな……」
エル「あっはっはっ。まぁ、騎士への何らかの対策はしそうだがな。アレはなかった」
ベル「確かに……ゲイルさん達と比べるのは良くないが、情けないな……初めの頃の三バカ達を思い出した……」
エル「ああ、あの人らも酷かったらしいな。クロノス師匠が今日の場にいたら、確実に叩かれていた」
ベル「そうだな。クロノスさんは騎士だからな」
エル「ビアンも密かに憧れているらしい」
ベル「そうなのか?……最近、特殊技能が目覚め過ぎて、だんだん同じ人とは思えなくなってきたが……」
エル「それはあるなっ。だが、ティアが騎士として認めている。アレが本来騎士としてあるべき姿なのだろう」
ベル「カル様も、立派な騎士だと言っておられたからな……そうなのかもな……」
エル「それを思うと、やはりあいつらは良くないな」
ベル「新人とかだったんじゃないのか?日が浅いとか」
エル「いや。一人はキルシュの兄だ。あれは確か、部隊長だった。その他も、各部の副隊長だぞ」
ベル「……ティアが苛立つわけだ……」
エル「仕方ないよなっ。大人しく見守ろう。ティアもとって食ったりはしないさ」
ベル「廃人を量産しなければいいが……」
エル「……トラウマになるのは確実だな……」
ベ・エ「「女神様のご加護を……」」
つづく?
なんて事が起こってましたとさ☆
読んでくださりありがとうございます◎
祈る相手が悪いかもしれません。
ティアちゃんの思い通りに進んでいます。
そして、機嫌の悪いティアちゃんの為に、風王と水王も動きました。
妖精王は、昔のティアちゃんを知っているようです。
言質を取る卑怯さは、ティアちゃんに似てきた風王達です。
では次回、一日空けて24日です。
よろしくお願いします◎
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